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もうひとつのパワースキル〜情シス目線のプロジェクトマネージメントTips#52

世の中にプロジェクトマネジメントに関するコンテンツは非常にたくさんあるのですが、よく見てみるとどうしてもSIer目線のものが多いように思えます。SIer目線の場合だと、どうしても利害が一致しないせいか事業会社というか情報システム部門目線から見るとピンとこないものも多く、ちょっと腹落ちしないことが多くあります。
というわけで無いなら作ろうということで「情シス目線のプロジェクトマネジメント」なるものを書いてみようかと思い不定期だとは思いますがシリーズ的に書いていこうと思います。

今回のテーマは最近プロジェクトマネジメント界隈で話題になっている「パワースキル」についてです。

そもそもパワースキルって何?

まずはこの「パワースキル」について簡単に説明します。まだまだ勉強中ということでUdemyさんのサイトからパクってまとめてみます。

パワースキルとは最近になってPMI (Project Management Institute)が提唱しだした概念で、変化の激しいVUCAの時代、DXの時代にプロジェクトマネージャーに求められるスキルとして定義されています。

ようは、従来のプロジェクトマネジメントのように属人性を徹底的に排除して決められたプロセスを決められたルールに従いコツコツコツコツと几帳面に真面目に進めていくだけではプロジェクトを進めることができなくなってしまったので、新機軸を打ち出したというわけです。

これは以前からプロジェクトの現場で奮闘してきた人がみんな知っていた「最後は人間力」みたいな事に回帰したという印象もあります。

パワースキルの要素

パワースキルの要素はいまのところ確定していない感じです。4つとも6つとも言われています。今回はUdemyに挙げられているのを整理してみます。

コミュニケーション力
まぁこれですね。他人の話をしっかり聞き、表面的なものではなく真意を理解し、かつ自分としての意見をしっかりと伝えられるという能力です。プロジェクトに求められている使命とチームの個々人の意識、そして様々なステークホルダーの間で調整を行い。なんとかプロジェクトの目的を果たすと行ったところでしょうか?

リーダーシップスキル
ここでいわれるリーダーシップは今流行のサーヴァントリーダーシップではなく、否定されつつある「引っ張っていく」感じのリーダーシップです。とにかくプロジェクトに期待される目的・目標にチームを向かわせるために率先して改革を進めていくような感じのリーダーシップです。

チームワーク
このパワースキルをチーム全体に広げていくためにはチームの関係性がとても重要ということで、プロジェクトの目標をチームのメンバーに落とし込んで同じ目標に協力してむかわせようという感じのチームワークです。

生産性、時間管理
これは従来からのプロジェクトマネジメントのスキルですね。どこがパワーなのかまったく理解は出来ませんが、効率よく生産するために時間管理をしっかりやりましょう的な感じの話です。プラスアルファの部分としては自律的にそれをやりましょうというところです。

ウェルネス
ここはかつてITプロジェクトと言えば漆黒のブラックと呼ばれた時代に対する強烈な反省ですね。チームのメンバーの心も体も健康に保ち、かつチームとしても健全で健康な状態を作り上げベストパフォーマンスを発揮できるようにすることです。

共感
ここはコミュニケーションやチームワークにも被る部分ですが、個性を持った多様性を持ったチームやステークホルダーを理解し、そのうえでプロジェクトの目指す方向に導くダイバーシティ的なやつです。

ちなみにこの6つのスキルは別の資料だと
・コミュニケーション
・共感
・コラボレーティブ・リーダーシップ
・革新的マインドセット
・目的思考

だったりします。まだまだ概念が定まらないとともにいろいろな思惑がありそうな感じですね。

でも大事なパワーが忘れている

でも、なんだか大事なことが忘れているような気がします。特に自社のDXを進めようという場合にはものすごく大事なことです。

それは「情熱」「気合」です

情熱
いまやプロジェクトの目指すものは「完成」ではなく「改革」だったりします。改革は普通、過半数の人に理解されないので、周囲は敵だらけの逆境の中プロジェクトを進めないといけません。「必ず改革を達成する」という情熱というか執念がないと「このへんでいいや」という事になりかねません。少なくともプロジェクトマネージャーは情熱がないと務まらないと思います。

気合
新しい事にチャレンジするとなると、様々な障害が目の前に立ちふさがります。技術的なこともそうですし、ステークホルダーの説得、隠れアンチの存在、政治的な壁であったりプロジェクトが革新的であればあるほど絶望的な場面に出くわします。下手をするとこれが連続で起きたり、同時に起きたりします。普通だと心が折れて倒れてしまうところを土俵際で踏みとどまる気合が必ず必要です。

というわけでプロジェクトのパワースキルというものを考えてみましたが「情熱と気合」というまさにパワーがこれから求められる事になると思います。しかしこればっかりは後つけでなかなか身につくものでないのが悩ましいところです。





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