噂のツール「Remo」で開催された「アジャイルひよこクラブ」に参加した!!
2020年初頭から猛威を振るった新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、巷で開かれていたIT系のコミュニティイベントは中止またはオンライン開催への切り替えを強いられています。それでも自粛要請であった3月までは、ごく少数であるがリアルでのイベントも開催されていましたが、4月頭の緊急事態宣言を受けて、世の中のイベントは完全にオンラインに切り替わっています。セミナーやLTが中心のコミュニティでは、本来の姿ではないもののオンラインという形で開催を続けているところも多く、逆に今までローカルで行っていた活動が全国一体となり、かえって活況になっているコミュニティさえ存在しています。逆にとても苦境に立たされているのが参加者同士のディスカッションをメインに置いているコミュニティイベントです。いまや一気にメジャー化したZoomを中心としたメジャーなオンラインのミーティングツールはありますが、ミーティングが全体でひとつという形式なので、初めての参加者がディスカッションに参加しにくいという欠点もあります。どうしても常連同士の会話になってしまい、参加者同士のネットワーキングが成立しない事態となってしまいます。こういうことがあってディスカッションが中心のコミュニティイベントはまだ休止中のままというところところも多いのです。アジャイルひよこクラブもこういったコミュニティのひとつでした。
1.Remoってなに?
Remoはテーブルを模した小グループでのミーティングと会場全体でのカンファレンスを切り替えて使える新しいタイプのコミュニケーションツールです。
一般のメジャーツールにあるような機能のほか、テーブルごとのトーク、チャットや投票機能、みんなで同時に操作できるホワイトボードなど、実際のセミナールームとほぼ同じようなことができる様々な機能がRemoにはあります。最近話題のオンライン飲み会にも使えそうな魅力的なツールなのです。サイトを除いてみたら英語版だけでしたがガイド付きツアー(これもきっと英語WW)もあるので興味がある方はぜひ体験してみてください。
2.アジャイルひよこクラブの開催延期
当初、アジャイルひよこクラブは2月末に開催される予定でした。記憶ではその前の週くらいまでは開催されるコミュニティイベントが多かったと思います。そこから政府によるイベント自粛要請、学校の休校が決まり、一気にイベントは中止に傾きました。そんななかで運営の方々も苦渋の選択であったでしょうが、アジャイルひよこクラブのイベント開催はひとまず4月へ延期されることとなりました。この時点ではオフラインイベントとしての開催でした。しかしながら新型コロナウィルスの感染拡大は勢いが止まらず、その後の緊急事態宣言をうけて4月の開催も絶望的になり、オンライン開催という事になったという連絡がありました。内容も予定していたLT(ライトニングトーク)中心ではなく、メインを参加者同士でディスカッションをおこなう「お悩み相談会」に据えた開催という事でした。一瞬無謀にも思えるような内容で、しかも聞いたこともない「Remo」というツールを使っての開催という事に驚きました。テーマは「リモートでアジャイル、みんなどうしてるの?」
そして開催日の2週間前にConnpassの管理者メールでこういう内容が到着しました。
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アジャイルひよこクラブ4月度イベントのコンテンツ変更につきまして
アジャイルひよこクラブから「実験」のお知らせです。
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大予防の観点から、運営チームで話し合った結果、
2020/04/24(金)開催予定の本イベントの内容を大幅に変更し、オンラインでの開催をすることに決めました!
初めてのオンライン開催で運営チームもワクワクしています!リモートでのディスカッションを楽しんでみませんか?
こんな時だからこそ、少しでも現場での課題にアプローチできるヒントを持ち帰られる様なイベントを目指したいと思います!
開催日時:4月24日 (金) 19:30~21:30 (※変更なし)
実施方法:オンライン開催(Remoというツールを利用予定)
テーマ:「リモートでアジャイル、みんなどうしてるの?」
コンテンツ:メインスピーカー/LTなし。Remoでの悩み相談会を実施
参加費:無料(お申し込み済みの参加費は **全額返金** します)
より詳細なコンテンツ変更の背景につきましては、
イベントベージ( https://agile-hiyoko-club.connpass.com/event/160465/ )に記載しておりますのでこちらもご覧ください!
Remoの利用方法等につきまして、別途connpassページなどにてアナウンスいたします。
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延期される前のイベントでは、実はLT登壇をする予定だったのですが、予定していたLTはリアルだからナンボみたいな内容にしていたので、ちょっとほっとしました。また、オンラインのLTでは聴衆の空気が読めないうえ、内緒のぶっちゃけトークもなかなか勇気がいります。とくにアジャイルって技術的な話が中心ではなくて、メンバーとの衝突や上司の・・・・みたいなどろどろとした話が大事だと思うので、誰が聴いているのかわかりにくく、録画されてしまうリスクが高いオンラインでは、やっぱり自制してしまい、本当に為になる話は難しい気がします。
それにしても「Remo」ってどういうやつ?少なくとも仕事ではZoomやTeams、Skypeは聞くのだが・・・聞いたことないぞ???
3.開催直前までの準備
この4月24日金曜日という日はIT関係のオンラインイベントが数多く開かれた日でもあります。私がいつも参加している(というか運営の一員)コミュニティの開催もあったのですが、以前からLT登壇で参加表明をしていたので・・・という事や、こういったコミュニティーを存続させねばという常連参加者の想いと、「Remo」への興味で参加も決めたのでした。
早速、ConnpassのイベントページにあったリンクからRemoのページを開いてみました。・・・・・いきなり英語版だったが、Clomeの日本語訳でなんとかクリア(余談だけど最近のGoogle翻訳ってかなり適格になってきていますね)事前にRemoアカウントを作ってくださいという事だったので適当に作っておきました。(あとで考えたら写真も登録すればよかったです)
そして前日、Connpassの主催者メールが到着しました
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4月24日のイベント参加前の準備のお願い
皆様お世話になっております。アジャイルひよこクラブです。
明日、2020/04/24(金)開催予定のイベントに関する告知です!今回はRemoというツールを用いて行います。
参加者の皆様は当日までにアカウントをご用意ください。時間になりましたら以下のイベントURLからご参加ください。
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さっそく、イベントページを開いてみました。
開いた画面にはイベントの画像(Connpass)と同じもの(サンプル画像は画面のキャプチャを取り損ねたので体験ツアーのものです)と開催時間までのカウントダウンが映し出されていました。オンライン開催であれば通常セキュリティの問題などで直前までURLが公開されなかったり・・・と実際に接続して確認する事が出来ないので心配なのですが、こういったカウントダウン画面はものすごい安心感があります。ほっとして、とりあえず画面を閉じました。
4.いよいよ開催当日
当日の心配ごとがひとつ・・・・PCの確保でした。残念ながらRemoはZoomとは異なりスマホからの参加は厳しそうな感じです。我が家にはPCは一台あるのですが、最近の外出規制で中学生の娘の塾もリモート授業に切り替わり、この19時という時間帯にはPCが占有されてしまっている可能性があったのです。心配はあったのですが幸運なことにPCは確保できたので参加は可能となりました、開始直前となる19時ころにはモバイルルーターとPCをもって参加会場?の愛車に向かいました。これまた家庭事情でオンラインミーティングは仕事もプライベートも車の中なのです。家族持ち在宅勤務あるあるではありますが、ちょっと狭いけど車の中は電源もあるし、個室なので意外に便利です。ただビデオの映像が暗くなるのはちょっと厳しいですが。
とにかくイベントURLをクリックしました。安心のカウントダウンページが開きました。そして事前のスピーカーとマイクのテストを行います。オンライン会議では音声トラブルがよく起こります。この機能も参加者にはありがたい機能です。安心して準備万端の状況でカウントダウンを眺めていました。
そういえば新型コロナ騒動以来、アジャイル界隈のメンバーとは会話と言えばFBのコメントくらいで、全く話していない人もいる状況です。オンラインとはいえ久しぶりに会える事に期待で胸が熱くなります。
・・・・そうして開始15分前に画面が一気に切り替りました。
・・・・・・え?????
なんかオフィスのレイアウト図みたいなのが画面に出ています。ステージみたいのがあって左右にソファーみたいなのがあって、真ん中にテーブルみたいなものが並んでいる・・・1テーブル6人まで参加できるようです。
正直、何していいか全くわかりません。チャットとかは何とか理解できたので何をするのか聞いてみました。・・・入りたいテーブルの座席をテキトーにクリックしたりすることでなんか着席はできたみたいだが、ついつい誰もいないテーブルに着席してしまいました。
・・・そこは無音のさみしい世界・・・・やばい
そして今度は席を移れない・・・チャットで質問してみると「座りたい座席をダブルクリックすること」と教えてもらってなんとか着席できました。そうすると同じテーブルに座るメンバーの画像が左側に表示され、会話がスタートします。
一緒の席に座ったのは沖縄で働く参加者、なんでも新型コロナ騒動以前から沖縄在住で東京の会社のチームでリモートで働いているとのことでした。今までは地理的な問題で、こういうイベントに参加したくても、なかなか参加できなかったのですが、この緊急事態でイベントがオンライン開催になった事により参加できるようになったとのことでした。そういう面では緊急事態によるオンライン開催とはいえ、いい面もあるのだなと感じました。特に地方在住のエンジニアにとってはこのピンチはむしろチャンスになる可能性なのかもしれません。
そこでリモートワークとかの話をして開始までの時間をすごしました。
突然音声が途絶え、画面が一気に変わり、今日の司会の田地さんの画像。なんだかDJブースみたいなかっこいい場所で司会をしている映像が映りました。
5.イベントスタート!
イベントスタートです。まずはいつものコミュニティの趣旨説明から始まりました。カンファレンスモードの時は参加者の音声は完全シャットアウトでクリアに聞こえます。参加者の会話は必然的にチャット上でということになります。田地さんの呼びかけに参加者みんながチャットで一斉に反応するというオンラインイベントではいつもの光景ですがツールが違うと少し新鮮です。ちょっと寂しい感じがするけど、慣れれば気持ちも盛り上がるものです。まずは会の趣旨や今回の開催に至った経緯などの説明が行われた後にスポンサーのForkwellさんのビデオが流れました。ライブではなく録画だったのですが、逆にこんな使い方ができるんだなぁと感心してみていました。
オープニングがひととおり終わってから、再び突然な感じで元の座席の画面にもどりました。ここからメインの「お悩み相談会」の開催です。
・・・・でも我々のテーブルはふたりしか居ません・・・ふたりで相談して別のテーブルに移動することにしました。移動方法は・・・どうだっけ??
ちょっと時間がかかったのですが他のテーブルに移ることができました、そこは5人のテーブルで運営はOyobeさん、そして別イベントからの知り合いの畑本さんがいるテーブルでした。
6.お悩み相談会スタート
テーブルに入った時にはすでにディスカッションはスタートしていて、もうホワイトボード上で付箋紙の貼り付けが始まっていました。ホワイトボードのところをクリックして議論に参加しました。
付箋紙の使い方はPowerPointと同じ感じで、左側のツールバーから付箋紙を選ぶと、付箋紙のカラー選択パレットが出て来て、色を選びます。それを右側のホワイトボードまで移動して、ダブルクリックにより文字入力モードにします。そこに今日話したいテーマを入力します。付箋紙の大きさも文字の大きさも拡大縮小も自由自在に変えることが出来ます。
・・・直観的で、わりとすんなり使える感じです。自分よりも戸惑っているメンバーはいないようです(笑)。ホワイトボード上ではそれぞれのメンバーの動きが名前付きの矢印アイコンになっているので臨場感があって、一緒にワークをやっている感じがでています。おのおのが付箋紙を書いて貼り終えたら、書き終わった付箋のカテゴリ分けをしました・・・ここまでの動きは本当にリアルと同じ感じでできます。・・・ちょっと感動ものでした。そこからは貼った付箋の説明をそれぞれのメンバーが行うことになりました。
そこからは投票開始です。左のツールバーで鉛筆を選択し、気に入った題材の付箋に鉛筆でぐるぐるっと印をつけていく・・・けっこうスムーズにディスカッションが進行している感じです・・・リアルのブレーンストーミングと何ら遜色がない進行だと思いました。
そしてさらにホワイトボードの右側に新たに作ったスペースに多く投票の集まった付箋を移動させました。
・・・・なんと無限ホワイトボード(勝手につけた名前)なのである。
オフラインのリアルなホワイトボードではスペースが不足して、書きたいことを書ききれずに書いた文字をもったいないと感じつつ、消したりして対応するのですが、Remoのホワイトボードは無限なのです。
・・・・これは便利です!
自分の中ではまさにオンラインがリアルを超えた瞬間でした。
選ばれたテーマはふたつでした、この4月は新人に限らず新しい人が来るシーズン。入社からいきなりリモートワークで、リアルのようなコミュニケーションが取れない中での仕事上のやりとりの苦労・・・みたいなテーマと、FDL(FunDoneLean)を実施しているのだが、メンバーにアンチFDLの人が居て、参加率が低いというお悩みでした。
まずはディスカッション開始です。参加したメンバーがこのテーマでディスカッションを開始しました。オンラインのディスカッションはやってみるとなかなかおもしろいもので、思ったよりも盛り上がります。オフラインであれば初対面の参加者はなかなか議論に参加できなかったりするのではあるが、オンラインだと心理的安全性が保たれるのか、リアルよりもメンバーが積極的に議論に参加できているという感じでした。
議論の結果KPTで書いた付箋をFDLで分類してみようとか、良いアイデアも生まれ、有意義な時間を過ごせました。なかなか良いものです。
・・・こんな感じでお悩み相談会はあっという間に進み、いよいよクロージングの時間となりました。
7.FDLとクロージング
ここからは、いつものFDLです。アジャイルひよこクラブでは毎回イベントの最後に参加者全員が会場のホワイトボードにFun(楽しかったこと)とDone(やったこと)とLearn(学んだこと)を付箋に書いて張るのですが、これもリアルに再現できていました。参加メンバーが順番に左側のソファーっぽいテーブルに移って、それぞれの感じた事を付箋に書いて張っていきました。6人までしかテーブルに入れないこともあり、書きたい参加者は空きが出来たら順次そこに入っていく流れになったのですが、思ったよりも渋滞は起こらず、意外なほどすんなりできました。時間もリアルとおあまり変わらなかったと思います。
(下の画像は運営の田地さんからFBに投稿されたものです)
FDLが終わってからクロージングです。まだ次回開催は未定とのことですが、参加者としてはとにかく楽しみにして待っていようという気持ちです。そこからはオンライン懇親会が開催されました。そろそろ家に戻らないといけなかったのですが、少し残って懇親会に参してみました。新刊でお世話になった森さんにちょっと挨拶をしてから、たまたま入ったテーブルに以前の開催会で知り合ったRPAツールであるUiPathの開発をしているという参加者がいたので、RPAもやっている私としてはちょっとお話をしました。二人しかいなかったので裏で開催されていたRPAコミュニティーの活動の様子や、今度運営として開催する「供養支部」のイベントの話(他コミュニティの話をするなど完全に脱線ですが、これぞホントの懇親会)をしたりしてから別れ、Remoから退室しました。懇親会も全体で話すよりも個別で話せるのでRemoってなかなか優れているなと感じました。
8.最後に
まずは今回の試みにチャレンジしたアジャイルひよこクラブの運営(よくいる人)の皆さんに敬意と感謝です。そうでなくてもいろいろ起きる初めて行うオンラインイベントにRemoという新しいツールにチャレンジするところがとってもアジャイルの精神に満ちています。さすがです。やはりこのコミュニティってすごい!!これを読んで興味のある方はぜひご参加を!!
そしてこのRemoという新しいツールの可能性の高さを感じました。ほんとうに実際のディスカッションと同じようなコミュニケーションを体験できたのは素晴らしかったの一言です。それ以上に無限(ほんとうに無限かどうかは別として)ホワイトボードは感動してしまいました。
このツールをイベントだけではなく仕事のチームビルディングなんかに使えないかと感じました。・・・がんばってみよう。
そして最後に
当日参加できなかった他のイベント、特に運営の一員なのに「こっそり参加」しかできなかったRPAコミュニティのみなさんすみません。
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