見出し画像

Notionやってみた#9 〜その特殊性、Notionはロックなツール

以前Notionのお話をちょっとシリーズ的に書いてみましたが、最近ふたたびNotionの話でまた盛り上がったのでもうちょっと書いてみます。
話をすると色んな人が話しに乗って来るので、やっぱりNotionって注目されているんだなぁと実感しました。

以前はNotionのおもにデータベースのところで実際に作ったアプリをベースに記事を書きました。興味ある方は覗いてあげてください。

今日はNotionのひとつの特徴を私見ながら書いてみたいと思います。
今回はかなり思い入れを込めて書こうと思いますので「あるおっさんのいち意見」として読んでいただければ幸いです。

下書きのない世界観

Notionをさわってみて、いちばんに感じたことはそのUIの素晴らしさとか、構築の簡単さではなく「いきなり本番」であることです。
Notionを「ノーコード開発基盤」と考えた場合、他のローコードツールとは明らかに違うのが、Notionには開発環境というものが存在しないことなのです。

AppSheetのビルド画面

たとえばGoogleのAppSheetの場合、ビューを作ったり、様々なデザインをするのはビルドの画面、すなわち開発環境から行います。
そこで作ったものを本番環境にデプロイして、利用者に提供するというアプリケーション開発ではごくごくあたりまえの手順を踏みます。(無償の場合はそこが出来なくてPrototypeのまま共有して使いますが)

これはSalesforceのような一体型のノーコード開発基盤であっても同じです。Deveroper環境があり、テストをするSandboxがあり、そこから本番環境へと移行してから利用者に提供されるようになります。

他のツールとNotionの本番環境の位置の違い

しかしNotionはいきなり「本番」なのです。
開発しているさなかから、すでに使えちゃうという状態になります。

Notionはまさに下書きのない世界観の中に構築された仕組みになっています。

Notionはチーム脇にあるホワイトボード

この世界観を実際の皆さんのオフィスの中のものにあてはめたら何なのか?

仕事をするチームのテーブルの脇にある「ホワイトボード」というのが一番わかりやすいと思います。

このホワイトボードにはチームのなかで使い方を決めながら、アイデアを書き留めておいたり、作業の進捗表を貼ったり、はたまた外出するメンバーがメモを残したり・・・・といった様々な情報が置かれていきます。進捗表に足りない項目があれば、チームのメンバーで話し合ってその場で付け足しますし、なにか新しい情報があれば、これもチーム内での合意のもと新たにホワイトボードに貼り付けたりします。

ここには開発者と利用者の垣根なんかありません。ホワイトボード上になにか追加するのにわざわざエンジニアを読んだりもしませんし、ましてやホワイトボード管理者なんて置きませんよね。

そのとき手が空いていた人や思いついた人が、それぞれホワイトボーボに新しい情報や機能を貼るというのがフツーですよね。

これと比較して普通のローコードツールは、経理とか人事とかから書きなさいと回ってくる提携の帳簿とか伝票とか申請書のようなものです。あくまでも管理している人と利用する人は明確に識別されますし、印刷業者という専門家の力を借りて作られます。通常のローコードツールの場合はこの印刷業者が行う「印刷」という有償で時間がかかる業務を、事務所にあるコピー機で出来るようにした・・・・というものなのです。

Notionとは、Nption自体が強烈なパラダイムシフトを含んでいるのです。

そこには「市民開発者」すら存在しないのです。
ただ、自分で使って、自分で改善する人たちがいるだけなのです。

だけどロック!!

Notionの場合はチーム単位でチーム自身による運営が前提なので、明らかに他のツールに比べると「機能不足」なところがあります。
例えば見た感じ入力項目にチェックや制限を入れることは出来ません。

日付欄にはとんでもない・・・たとえばすごく未来とか、完了日より未来の受付日とかが入ってしまいます。

従来のシステムの思想であれば「こんなんでは使いものにならん」という話になってしまいますが、Notionではそんな心配はいりません

間違ったらチームメンバーが直してあげればいいのです

間違ったら、怒ったり(エラー画面)するのではなく、そっと直してあげればいいのです。だって皆で使う情報なんだから・・・・


でもそのままだとNotionではちょっと困った事が起こります。使っている途中で編集モードが動いてしまったりして、みんなのホワイトボードが壊れそうになったりすることです。

でも、これには対応策がしっかりと備わっています。
それが「ロック」です。

画面右上のメニュk−から「データベースをロック」を選ぶと容易に編集モードにはならなくなります。直したいときは意識的に「ロックを解除」すればいいのです。

だからロック!!

というわけでNotionというツールは徹底的にチーム内を信じることで成り立っているツールなのです。

無言でエラー画面を突きつけることもなく、間違いがあれば話をして直せばいいし、お互いを信じて皆が直せるようにしてあるし・・・・徹底的にチームは助け合い、そして信じ合うことが前提になっています。

だからこそ、非常に手軽だったり、使いやすかったりといった卓越したUIとなっているのです。

・・・・もしあなたがNotionでは困ると思うのなら、使う目的が違うか、またはあなたたちがチームとして出来上がっていないのかもしれません。
その場合はNotionを使い始めることがチームの第一歩なのかもしれません。

上から与えられるのではなく、ルールに縛られることもなくチームによるチームのための・・・・・

Notionってとてもロックなツールなのです


いいなと思ったら応援しよう!

keita
チップもらったらきっとMidjourneyに課金すると思います