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「ひとり情シス」は大切な財産〜情シス目線のプロジェクトマネージメントTips#24
世の中にプロジェクトマネジメントに関するコンテンツは非常にたくさんあるのですが、よく見てみるとどうしてもSIer目線のものが多いように思えます。SIer目線の場合だと、どうしても利害が一致しないせいか事業会社というか情報システム部門目線から見るとピンとこないものも多く、ちょっと腹落ちしないことが多くあります。
というわけで無いなら作ろうということで「情シス目線のプロジェクトマネジメント」なるものを書いてみようかと思い不定期だとは思いますがシリーズ的に書いていこうと思います。
世の中にはたくさんの「ひとり情シス」
コミュニティ活動をしているとたくさんの人に出会えます。エンジニアの人、SIerの人、SaaSベンダーの人、事務の人、営業の人、外資系の人、老舗企業の人、スタートアップの人・・・・IT関係の最近はリモート開催が多いので他の参加者と知り合う機会は若干少なくなった気もしますが、それでも数多くの人と出会います。
やはり気になるのは自分と同じ「情シス」の人。
しかもけっこう「ひとり情シス」の人と出会います。おそらくは「ひとり情シス」の場合、社内の情報源がない分だけ外のコミュニティに情報源を求めて積極的に参加しているのだと思います。
そういや逆に大企業の情シスの人にはそうめったに会わないような気がします。
話を聞くと「ひとり情シス」は孤独で大変という話が多いようです。
確かにPCの準備から、システムの導入、サポートなどITに関する何から何までやらないといけない上に、仕事を押し付ける相手も居ないし、相談する先もあまりないので想像しただけでも大変なのがわかります。
小規模情シス時代
そういえばワタクシも「ひとり情シス」とまではいかないけど非常に少人数の情シスに居たことがあります。構成は大体こんな感じ。
役員(兼任):怒り狂う担当
課長:PCも使えない人、うろたえる担当
同期:プログラマとしての勉強を学校でしてきた 3人
自分:非IT系のエンジニアの学校出身
後輩:プログラマとしての勉強を学校でしてきた 2人
会社に入ってすぐに先輩が転職してしまったため、今で言うエンジニアチームとしては6人(しかもワタクシは使いモンにならない)
当時はPCが普及しはじめた頃で、同時に基幹システムの構築やユーザーのサポート(マウスの使い方から)もしていたので大変でした。
いまは色々あって大規模な情シスに居るのですが、今は開発、運用、ヘルプデスクなどなど様々なチームに分かれて仕事をしています。
そんななかで今の職場の同僚とは自分が圧倒的に良い方向で違うと感じることがあります。
技術力とか知識とかそういうものではワタクシは未だに使いもんになって無いのは今も同じです。
そんなワタクシでも役に立つのはこの少人数情シス時代に身についたものが多い気がします。
その2つを紹介します。
圧倒的な当事者意識
これは本当に圧倒的に違うような気がします。プログラムが組めなかったワタクシは、それ以外の領域ほぼ誰とも分業できない状況で担当していました。それこそPCのお世話からクレームのお世話、お金の普請までやっていました。企画というか偉い人が思いつきを言い出したとこから、それを現場のパートのお姉さんたちにやってもらうところまで、全部の領域をやっていました。
やっていたと言うよりも逃げる場所がないといったほうが正確です。
そのあかげでピンチになった時、困った時に「すべて丸投げ」とか「他人事」があんまりできなくなりました。
単に逃げ遅れているだけかもしれませんが・・・・
ピンチになったときに必要なのは圧倒的に「当事者意識」が必要です。「どんな手を使ってもなんとかする」みたいな気持ちがなければどんなに技術力があってもピンチから逃れることは難しいと思います。必要なら自ら起こっている人達の前に立って対応する事が出来ないと、難しい対応がもっと難しくなると思います。
こういうのって訓練で身についたりするものではありません。
逃げ場のなかった時代を経験したからこそ身につくことだと思います。
圧倒的な俯瞰力
これも考えてみるとものすごく違う気がします。企画、開発から運用や業務担当の支援までシステムのライフサイクルの全体を全体を捉える事はなかなか難しいものです。知識としては理解できても肌感覚として感じることはなかなかできるものではないと思います。
情シスの中で企画、開発、運用と所属しているチームを変えながらキャリアを積む人も居ますが、そういう人自体少ない上、それらを同時に体験することは出来ません。どうしても一本の糸で繋がったように考えるのは難しいと思います。
逆に「ひとり情シス」であればそれが日常です。開発で手を抜いて運用で地獄をみたり、その逆に運用を大切にしすぎたために開発が必要な期間やコストで収まらなかったり・・・・そういう事がリアルタイムに、かつ同時に体感できるのは「ひとり情シス」くらいです。
このあたりも経験がものを言う世界だと思います。
貴重な「ひとり情シス」体験
ということで「ひとり情シス」というのは情シスにとって(多分それ以外のロールでも)非常に貴重な体験だと思います。
むしろ情シスたるもの「ひとり情シス」を体験してほしいくらいです。
確かにぼっちで厳しいかもしれませんが「ひとり情シス」は確実にプライスレスな能力に繋がると思います。
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