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【イベントレポ】AIミュージックバトル!『弁財天〜第二幕〜』

今日は2023年10月28日に東京都世田谷区にある日本大学文理学部のキャンパスで行われたAIを使ったミュージックバトルイベント「AIミュージックバトル!『弁財天〜第二幕〜』」を現地観覧して来ましたのでレポートしたいと思います。


弁財天って何?

「弁財天」はAIを使って音楽をアドリブで作ることを競うイベントです。主催はMusic×Analytics Meetupというコミュニティですが、日本大学文理学部情報科学科 音メディア情報処理研究室(北原研究室)大きく関わっており、その関係で第一回から東京都世田谷区にある日大文理学部のキャンパスで開催されています。


会場となる日大文理学部本館

会場に到着

当日は小田急経堂駅から歩いて20分くらい歩いて会場に到着。キャンパスの入り口で警備をされている方に「弁財天というイベントにいきたいのですが・・・」と聞くと「あ、弁財天に来られた方ですね」ととても親切に案内してもらいました。古い一号棟の中をくぐって中庭に出るととてもきれいな広場になっています。当時はドラマの撮影をしていました。

会場の様子

中庭に面している新しい棟の一階に会場の「日本大学文理学部本館1階ラーニングコモンズ 」に入ります。直前まで併催イベントの「Music×Analytics Meetup Vol.11」が行われていました。

LOVOTの姿

なにやらちょっと騒がしいと思ったら、会場に癒やしロボットのLOVOTがいました。・・・・癒やされます。

いよいよイベントスタート

開催時刻の15時になったらイベントスタートです。日本大学教授の北原さんと、スポンサー企業の富山さんのハイテンションな掛け合いで始まりました。イベントは会場とZoomによるハイブリッドですが、後にコンテンツにするための録画も兼ねているようで本番(コンテンツ化する部分)と楽屋裏の意識がされた進行になっていました。お二方ともプロのタレントみたいに上手な進行で会場の空気も盛り上がっていました。

オープニングの様子

まずは「弁財天」そのものの紹介、大会の流れ、レギュレーションについての説明がありました。

競技内容は「伴奏」から「メロディ」をAIを使って5分間という即興で作曲し、その出来ばえを競うトーナメント形式のAIアドリブコンテストで入力も出力もMIDI形式でやりとりされます。なんとメロディーは「フルート」の音色で演奏されるされるそうです。

流れとしては
①プロが作った本格的な伴奏による課題が出される。
②競技者は作ってきたAIにより伴奏にあったメロディーを生成させる
③生成したメロディーのなかから一番いいと思われるものを5分以内に提出
④オンラインを含む会場の参加者による投票で勝者を決める。

熱戦続きの一回戦

今回の参加チームは7チームでしたのでLogNチームさんがオンラインで行われた予選で1位ということでシードになりました。(とはいえ競技自体は全チーム行いました)

1回線の様子

まずはお題となる伴奏が流されます。競技者が伴奏のMIDIを受け取ったら競技開始です。この5分間でAIにメロディーを作らせて、出来たものから提出する音源を選択して提出します。1分程度の曲ですが確認して提出するのはなかなかタイトそうです。

参加者は機械学習のコミュニティに参加する「Kaggler」の方や、AIの部分と音楽の部分のそれぞれの専門家がタッグを組んだチームが目立っていました。

感心させられる解法共有LT

前回の準優勝チームが敗れるという波乱はありましたが一回戦は終了しました。ここからは全出場チームによる「解法共有LT」です。このあたりはエンタメのイベントと言うよりもIT系コミュニティっぽい感じです。

優勝者JACKさんの解法共有LT

内容はどのようなアプローチで取り組んだのかを3分間で解説するというもので、学習モデルを使ったのか、自ら学習させたのか?、どういった制約条件、チューニング、後処理をしたのかについて説明がありました。
割と単純と思われるレギュレーションでも、それぞれのチームが全く違う思想やアプローチになっていてとても勉強になりました。中には生成されたメロディーの評価方法にまで取り組んだチームまであって驚きでした。

前回優勝者Log5さんのプレゼン

難しい課題の準決勝

準決勝の課題曲はかなり曲調が変わったちょっとミステリアスな感じの曲でした。コード進行がシンプルすぎてシンプルなメロディーだとちょっと厳しいということでした。北原先生が具体的に説明してくれるので音楽に疎いワタクシでもよくわかりました。

北原先生の解説

今回はなかなか難しいようで参加チームのほうでも、かなり迷っている様子がわかりました。でも各チームとも、ちょっと修正すれば商用で使えるのではないかというきらい素晴らしい出来でした。

Jackさん決勝進出

結果、とおく宝塚から新幹線で来て、1回戦で前回準優勝チームを破ったJackさんが決勝進出、もう一方は1回戦で超僅差で勝ち抜いたan_chainチームが前回優勝のLogNチームを破り決勝に進みました。

an_chainさん決勝進出

スポンサーさんありがとうございます

決勝までの間はスポンサー企業のプレゼンタイムになりました。
さいしょはMCの富山さんの所属企業、AI人材育成や研修、顧客企業へのコンサルティングなどを行うNABLASさん。

NABLASさんのスポンサーLT

次は会場を賑やかしていた癒やしを提供するロボット「LOBOT」を提供するGROOVE XさんのスポンサーLTでした。

GROOVE XさんのスポンサーLT

こういうイベントを支えてくれるスポンサーさんに感謝です。ありがとうございました。

いよいよ決勝の舞台!!

そこからいよいよ決勝戦に突入です。課題曲はオーソドックスなものが出されるらしいのですが、今回は椎名林檎の「丸の内サディスティック進行」の伴奏です。これまたなかなか難しそうな感じです。

決勝戦の様子

競技が行われ、投票も終了してからはスポンサーさんからの「NABLAS賞」の発表がありました。商品はなんと「Google Colab PRO 1年間」です。AIを演る人はみんな(?)使っているというサービスです。1回戦で惜しくも破れたNeuraScoreさんが受賞されました。おめでとうございます。

NABLAS賞授与

そこからいよいよ優勝チームの発表になります。双方違ったアプローチの、しかもそれぞれ素晴らしいメロディーだったので非常に迷ったと思いますが、結果は超僅差でJackさんになりました。Jackさんは「チャーリー・パーカーからの50曲」みたいないろいろな制約をかけて構築したそうなので、その制約が功を奏したのか、第二幕の頂点に達しました。

Jackさん優勝

帰るまでがコミュニティイベント

そこから表彰式を行い、3時間に渡るイベントは終了しました。音楽もAIも疎いワタクシでも充分に楽しめる内容でしたし、音楽とAIといういままであまり交わりを感じることがなかった世界がお互いコラボレートしながら結果を出していくという現場を肉眼で観られたのは非常に良い経験でした。

表彰式の様子

閉会後は参加者全員で会場の後片付け!!
最近はリアルなコミュニティイベントが少なかったので久々の会場撤収は懐かしくて楽しかったです。懇親会にはいけませんでしたが、ぜひとも次回も見に来たいと思います。

会場撤収

気がつけば周囲は真っ暗になってしまっていました。
本日のイベントの運営の方々、出場者の方々、スポンサーの方々、参加者の皆様、主催者でもない私が言うのもなんですが大変ありがとうございました。

素晴らしいイベント、これからも続けてください。
誰か知り合いをそそのかして出場をしてもらおうかな・・・とも思います。

夜のようす



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keita
チップもらったらきっとMidjourneyに課金すると思います