コーセン沼のハラコワシ
この記事は苫小牧高専アドベントカレンダー2021 5日目の記事です。
これは今では知る人も居ないむか〜しむか~しの話です。
苫小牧高専の北側には「ナカイチ沼」という沼があります。湧き水を水源とする沼で錦多峰川に水を注いでいる比較的大きな沼です。この沼は長く高専生に親しまれ、昭和のいにしえの時代には高専生のスケートリンクとして使われていたり、高専の東側には沼まで一直線に向かう小道の形跡が残っていたりします。ですからこの沼は歴代の高専生からは愛着を込めて「高専沼」と呼ばれていました。
このお話は昭和の終わり頃から伝わる高専沼にまつわるお話です。
当時の苫小牧高専には電気、機械、土木、工業化学という4つの学科があったと伝えられています。当時はまだ高速道路も開通しておらず、高専沼の周辺にも建物は全く無く、あるのは高専前を通る樽前錦岡線の道路沿いに「大黒屋」と呼ばれる店がぽつんと一軒あるだけの寂しい状態で、夜になると周囲は真っ暗な闇に覆われておりました。
・・・・そんな時代のお話です
とある時、土木のとある学年の学生たちが高専沼のほとりで、今で言うところの「バーベキュー」をやろうと考えました。寮生を中心にその話はどんどん進み、クラスの大多数の学生が参加する大きな宴が開催されることになりました。
しかしながら、大きな問題が発生しました。
お金がなくて肉が買えません
飲み物やバーベキューのための火はなんとかするとしても、当時貧乏だった土木の学生はお金がありません。肉がなければバーベキューにはなりません。
そこで彼らは肉の不足分を高専沼で大量に捕れる「エビ」を調理することに決めました。
学生たちはエビを捉えるための網や、エビをおびき寄せるためのハンディライトをなんとか手に入れて、寮から道具を歩いて運んで、当日の宴に挑みました。
バーベキュー当日は思ったよりもたくさんのエビが捕れ、お酒も入った事で、楽しいバーベキューが夜遅くまで開かれました。
しかし
翌日、半数以上の学生が学校には来ませんでした。
お腹が痛くなったそうです。
その話を聞いた機械の学生は「沼のエビなんか食うからだ」と大笑いしました。
そして同じように高専沼のほとりでバーベキューをすることにしました。
当然、エビなんぞ眼中にはありません。
機械の学生たちには勝算がありました
当時の機械のクラスには学生がやってはいけないようなアルバイトをしていた通学生がたくさんいたため、金をたくさん持っていました。
「バーベキューはやっぱ肉だよな」
そう言いながら「飲むとフラフラする不思議な飲み物」や「羊の丸い肉」やバーベキューの道具を大量に買い込んで、何台もの車を高専沼のほとりに乗り付け、本格的なジンギスカンバーベキューの宴を行いました
学生たちは飲むとフラフラする飲み物を大量に飲み、そしてフラフラになりながら大量の羊の肉を真っ暗な高専沼のほとりで口に運びました。
当時は周囲に家が無かったので大きな声を出して深夜まで大騒ぎをしていました。
しかし
やっぱり翌日は半分以上の学生が学校に来ることはありませんでした
結局、腹はしっかり壊しました。
ジンギスカンは明るいところで食べましょう
それ以来、高専沼のそばで食べ物を食べると腹を壊すという言い伝えが、平成の中頃までは学生の間で伝わっていたそうです。
※この話はフィクションということにします。したいです。