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熱意ある社員6%の時代のプロジェクトマネジメント〜情シス目線のプロジェクトマネージメントTips#83
世の中にプロジェクトマネジメントに関するコンテンツは非常にたくさんあるのですが、よく見てみるとどうしてもSIer目線のものが多いように思えます。SIer目線の場合だと、どうしても利害が一致しないせいか事業会社というか情報システム部門目線から見るとピンとこないものも多く、ちょっと腹落ちしないことが多くあります。
というわけで無いなら作ろうということで「情シス目線のプロジェクトマネジメント」なるものを書いてみようかと思い不定期だとは思いますがシリーズ的に書いていこうと思います。
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今回の話題は先日2024年10月30日に開催されたウィングアーク1stさんのイベントUpdataNOW2024の基調講演でみずほファイナンシャルグループの秋田夏美氏が話していた「熱意ある社員6%」の話を聞いて想ったことを書いてみます。
「熱意ある社員6%」
この情報の元ソースは2017年のもので、アメリカの調査会社ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント調査によるものです。なんと日本の企業の従業員のうち「熱意あふれる社員」の割合がたったの6%しかないこと、やるきのない社員が70%にも達するというもので、アメリカの32%に比べてものすごく低いという結果でした・・・・まさに失われたなんとかの話です。
この「6%」にプロマネとしてどう対処するか?
この数字に対して日経の記事ではこの6%をどう向上させるか?というテーマで話が進められていたのですが、正直そんな話はどうでもいいのです。この6%という数字を前に、どうプロジェクトを進めたらいいのか愕然としてしまいます。だって会議していても20人いても2人位しか熱意を持って考えていないのです。プロマネの自分に熱意がある前提で考えたら、残りは0人から1人しかいないのです。
プロジェクトが成功するわけがありません。
考えてみたら世のプロジェクトの成功率が低いのは当然かもしれません。
しかし6%は衝撃的ですが、日本がアメリカ並のやる気を出して32%になったとしても、20人の会議の中ででやる気のある奴が6〜7人しか居ないのです。この事実は重大です。
なぜならプロジェクトマネジメントの教科書の殆どはメンバーのやる気が十分にある事を前提に作られているのです。熱意のないメンバーで作った要件定義を、熱意のないメンバーが設計し、熱意のないメンバーが開発し、熱意のないメンバーがテストをし、それを熱意のないメンバーがプロジェクト管理をする・・・・・ちょっと考えたら恐ろしい話なのですが、これは間違いなく現実の世界なのです。
熱のないプロジェクトメンバーで果たしてプロジェクトの成功は果たせるのでしょうか?
大切なので、もう一度いいます。
この「熱意のある社員6%」は現実なのです。
94%は「だりーなぁ」とか「テキトーに進めとこう」とか「早く終わんないかなぁ」とか想っているのです。
深刻なのはエンジニア側ではない
実はこの話、深刻なのはエンジニア側、SIerとかベンダー側ではありません。エンジニア側は仕事をテキトーに行うと後でひどい目似合うからです。バグが出て謝ることになったり、客に吊るし上げられたり、障害対応でデスマーチが続いたりと、場合によっては次の受注をもらえなかったりと確実に地獄の未来が待っているからです。
だからエンジニア側は、たとえ熱意が全く無くても恐怖によって、それなりに真面目に仕事に取り組むのです。たとえ熱意なんかなくても自布は嫌だから頑張る・・・というか頑張らさせられるのです。
エンジニア側はとりあえず大丈夫だとしたら、あとはどこか?
この恐怖にさらされない人たち・・・つまりは要件定義の時の業務メンバーが一番やばいのです。
熱意をもって取り組む人が6%しか居ない要件定義・・・・
恐怖でしか有りませんが・・・・何度も言います。これは現実です。
我々はどう「熱意がある人6%」に立ち向かうのか?
この恐怖の「6%要件定義」に我々はどう立ち向かえばいいのか?
6%しか熱意がこもっていない要件定義によって開発されたシステム・・・考えただけで絶望的にしか思えませんが、それでも我々はプロジェクトを成功させる義務があります。
6%をせめて30%くらいにはしないと悲惨な結果しかないのですが、我々はプロジェクトのメンバーをその被害から守らないといけないのです。
なぜならあなたはプロジェクトマネージャーだからです。
考えられる作は、この2つでしょう。
対策1:熱意がないなら熱意を作れ
メンバーに熱意がないなら熱意を焚き上げればいいのです。我々は情シスなので、この組織の一員です。このプロジェクトが効果を挙げられなかった沖に起きる会社の危機を煽ったり、成功した場合の素晴らしい未来を語ったりして、無い熱意を焚きつけるのです。
この仕事はコンサルにもベンダーにもSIerにも出来ません。これは情シスであるあなたにしか出来ない仕事ですが、果てしなく難しい仕事です。
対策2:熱意ある人を集めよう
演説で熱意を焚きつける事が難しいなら、残された方法はただひとつです。はじめから熱意がある人を集めることです。常日頃から業務側の人達をよくよく観察し、やる気のない人、面倒くさいことから逃げる人、上司に言われたからやっている人と本当に心のなかからなんとかしたいと想っている人を確実に見分けて、プロジェクトを開始するときに指名するのです。
決して各部に選出以来をしてはいけません。それでは6%が来てしまいます。オーディションみたいなものを実施するという手もありますが、それもなかなか難しいので先手必勝で指名するしか無いでしょう。
「熱意がある人6%」を意識して進める
とにかく日本には熱意がある人は6%しか居ないのです、前述のようにそれをいくらか緩和することができるかも知れませんが、それでも熱意がある人は少数派なのです、プロジェクトを成功させようと考えたら、この回避仕様のない事実を常に意識してプロジェクトを進めないといけません。
要件定義のメンバー選びもそうですが、どの担当をどこに配置するかを考える際にもよく考える必要があります。たとえばやる気のないメンバーには逃げ場のない担当・・・・ユーザ部門に直接対峙する役割にして恐怖心をうまく使ったり、数少ない熱意があるメンバーに要所をまかせたりと、この事実を強く意識しながら進めていくしか無いのです。
プロジェクトマネージャーのあなたに熱意があっての話ですが・・・
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