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【参加レポ】リアル会場でハンダ付けも! IoT縛りの勉強会! IoTLT vol.98 @秋葉原
今日は幕張でAWS Sumittなどいろんなイベントがある日でした。そんな中でIoTLTはリアル会場でのハイブリッドイベント、しかもはんだ付けというテーマでの開催でした。残念ながらオンライン参加でしたが、楽しそうな雰囲気の会場の様子は充分伝わってきました。早速レポートを書いてみます。
<動画はこちら>
オープニング
今回の会場は開発者・クリエイターのための近未来体験スペース「granica」さん。おしゃれな空間が垣間見える画面からのスタートです。
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主催ののびすけさんによるスタートのあいさつもリアル会場でハイテンションです。イベントページからのコミュニティの紹介や最近のイベントの話を紹介(けっこうスピンオフ推し)されてからの今日のイベントの話です。オフライン会場なので今回は懇親会もあるそうです。しかも登壇者が15人と多く、いつもよりもさらに盛り上がっています。
Node-RED MCU Editionの本が発売される:IoTLT放送部北崎さん
最初はスポンサーLT、IoTLT放送部の北崎さん、なんと今日は新しく発売された商業誌の宣伝です。過去IoTLTで紹介したり月間I/Oでの記事を集めた本です。皆さん是非買いましょう。
Node-RED MCU Editionとは簡単に言うとマイコン版のNode-REDで昨年6月から開発が始まりました。JavaScriptで動くマイコンの開発環境moddableが裏で動いていて、Node-REDで書いたものがmoddableにビルドされる仕組みになっています。
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Node-REDのフローエディタの右側のタブにMCU専用のタブがビルドインされ、Lチカやネットワーク接続のサンプルも用意されています。本にはESP32でやった内容しか書いていませんが本日はRaspberryPI PicoWで動くものも会場に持ち込んでいルトのことです。
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<資料です>
RaspberryPIで古いオーディオ機器を無線スピーカーにする:niccolliさん
数年ぶりのリアル登壇というniccolliさんのLTは家で愛用している古いミニコンポを外部入力端子を使ってスピーカーとして使えるようにいろいろ考えたところRaspberryPiのリポジトリの中にそういうアプリがあることを発見して、やってみた話です、
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使用したしくみはshairport-sync。airplayのプロトコルをlinux向けに実装しているもので、これをそのままインストールして使いました。
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この仕組は非常に安定して動いていているそうです。古いRaspberryPIでもできるそうです。
画像再生AIとIoTを組み合わせたアートフレームを作ってみた:Kyazooooさん
次のBOLDLYでエンジニアをしているKyazoooさんのLTは今話題の生成AIを使った話です。
内容はRaspberryPI上で画像生成AIのStableDiffusionを使って画像を生成し、電子ペーパーに映して家に飾る絵のようなアートフレームを作成にした話です。これにさらにSNSへの連携を追加しました。
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使ったのはRaspberryPiとpim534という電子ペーパーです。素子が7色あってきれいな絵が出ます。Huggingface社の公式ドキュメントのサンプルをダウンロードして動かすと作れました。RaspberryPIだと絵を描くのに3時間位かかるそうです。
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これに電子ペーパーに接続し、さらにTwitterへの連携を行います。
レーザーカッターでRaspberryPIと電子ペーパーのための冷却ファン付きのフレームも作ったそうです。(会場に持ってきていて歓声があがりました)
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朝起きると3枚くらい絵ができていて、Twitterの反応でもいいねをもらえてるようですが、いつか壊れそう・・・とのことでした。展望としては植物アートフレームにしたいそうです。
Qiitaに記事もあります
木と和紙でつくるIoTデバイス:前崎さん
次のLTはM5Stackのケースやバームクーヘン焼き器などを作っているシードプラスの前崎さん。IoTとは全く異なるフィールドの人を巻き込んで暮らしに溶け込む木と和紙でできたデバイスを作ろうとしたお話です。
目指したのは「カーム・テクノロジー」という本で提唱された、情報機器が存在を意識されなほど生活の一部となる・・・というお話です。これを実際に取り組もうと二酸化炭素モニタのケースについて考えたそうです。
色々考えた結果、たどり着いたのは自宅の近所に居た木と和紙の専門家の方で、この方のサポートを受けながら施策に取り組みました。それで出来たのが和風のIoTあんどんでした。
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しかしこれでは今の洋風な生活環境に合わないし、機器や配線を入れるケースが作りにくいこともあって、再度取り組みました。そのために新たに配線が不要になる基盤を作り、新たなIoTランプシェードが出来上がりました。
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現地に持ち込んだランプシェードにのびすけさんが息を吹きかけると、二酸化炭素を測定しランプシェードが光ったようで解消があ拍手の渦に包まれました。
これなら生活に溶け込むことができ、クラウドへのデータ送信時にも光り方を工夫した演出があるそうです。さらにつき板という加工法で作ったシェードも作ったそうです。
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いま、この事業をいっしょに取り組む人を募集しているそうです。
昨日は #IoTLT の発表ご覧いただいてありがとうございました!
— ame (@am003004) April 21, 2023
反応してくださった方嬉しかったです〜!昨日のツイートやYouTubeコメントまだちゃんと見れてないので今晩の楽しみです。
現地でも作りたい!という人がいっぱいいたので布教活動は成功です。
写真は懇親会の展示会場。#スタックチャン pic.twitter.com/g7cOxHaHvj
M5PQR:ikeuchiさん
次は恒例の池内さんのレゴチャレンジです。ECCジュニアのテキストを使ってABCから始まり、ついにPQRまで来ました。
今回も「Penguin:よちよちペンギン」「Queen:パンとケーキの女王」「Rabbit:ぴょんぴょんうさぎ」の3つの作品がリアルタイムでプロとペディアに公開しながら紹介されました。
Qを作る過程でChatGPTにストーリーを考えてもらい「パンがなければケーキを食べれば良い」というストーリーにしたそうです。ケーキを貰って喜ぶ女王の姿で会場は大爆笑していました。
今後、Zまで行ったらどうするか?を考えているそうですが、ECCジュニアのテキストのバージョンが変わっていたので、また2周めにチャレンジする方向っぽいです。
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たまには真面目にIoTしてみた話:airpocketさん
次は常連のairpocketさん。今回は電子工作ではなくて実際の職場で取り組んだIoTの話です。
最初はM5StickCを使って振動を測定し、油圧モーターの故障を予知する仕組みを作るところから始め、次にRaspberryPIを使ってセンサーデータをデータベースに集めて可視化する取り組みに挑戦するなど次々に挑戦してQiitaに記事を挙げています。(今は10個)
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最初はPythonでコードを書いていましたが、Node-REDにも挑戦して取り組んでいったそうです。
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そしてキーエンスあたりから導入すると数百万円かかる画像検索を使って不良品を判定の仕組みを手作りしました。
最新の記事は技術的には少し後退しましたが、集めたデータをcsv出力する話です。現場ではデータベースよりもcsvのほうが使いやすいとか・・・・
仕事で使って学んだ技術は趣味の方でも応用してスピンアウトを作ったりしているそうです。
いろんなボードからScratchを使おう:601t(むとう)さん
次も最近常連になった奈良の専業主夫をしているむとうさん。教育用のビジュアルプログラミング環境ScratchをM5Stackなどいろんなマイコンで使えるようにした「bitless」というツールの紹介です。
Microbit Moreの拡張機能を利用してサポートしているデバイスはM5Stack、Seeed StudioさんのXIAOシリーズなど広く対応しています。
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これでScratchでデバイスを操作できます。Scratchはクラウドサービスの利用の他に自分のサーバでも環境を構築が可能でChatGPTなどにも対応できるそうです。
いろんな機能をサポートしていて、いろんな事ができそうです。
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最後にXIAOの新しい高級なデバイスXIAOGYANをこれからサポートできるようにしたいということでした。
<ブログです>
t3 appでクイズアプリ(Thing要素皆無w):ufoo68(マツナガ)さん
次は滋賀県在住で新婚のマツナガさんのLTで結婚式用にクイズアプリを作成した話です。
スマホからQRコードを読んで参加できるクイズアプリです。正解と回答のスピードで順位を競います。
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そのほか「以心伝心ゲーム」というのも作成しました。参加者が席を外しても参加を続けられるようになっているそうです。
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お年寄りが付いてこれなかったことや,ネットワークなどでもたつきはありましたが、しっかりと結婚式は盛り上がったそうです。
<ブログです>
サービス終了で使えなくなった改造中のLINE CLOVERのその後:TakSanさん
次の登壇者のTakSanのLTは以前やった3月末に使えなくなってしまったLINE CLOVERの改造の話の続きです。
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前回はオリジナルから色んな所をがっつりと改造して使えるようにしました。しかし、改造が難しすぎて真似できないという話も上がってきてしまいました。
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そこで簡単に改造できるよう改造の専用基板を作ってしまったそうです。(記事はこちら)
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これで基盤を置き換えて線をつなぐだけになりました。しかし実際にはLINE CLOVA MINIのほうがユーザーが多いということで、こちらのほうにもチャレンジしています。RaspberryPIではスペース的に入らないのですが総統の助言でNanoPIを譲ってもらって現在作成中とのことです。
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ソフトの方も工夫していて今話題のChatGPTも取り込んでいるそうです。
4/29〜30にMaker Fair Kyoto2023に出品するそうで現地での基盤販売もあるそうです。
<資料です>
誘われる場〜はんだづけを楽しむワークショップを基に〜:秘密結社オープンソース総統河野さん
休憩時間を挟んで一番手は総統閣下です。今日のイベント案内にあったようにはんだづけのワークショップがテーマです。前回はロボットでキヌアを栽培する話でした。いまはポンプを購入して給排水ができるようになり、ついに芽が出たそうです。
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先々月に発表したIoTパーツが出るリアルアドベントカレンダーも着々と作っているそうです。
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1月の懇親会で話に出たというスライダーも準備中で総統の計画は着実に前に向かっているようです。
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ここから本題ではんだごての話です。売り切れだった「IoTLTのはんだごて」も本日到着し、会場で体験できる様になりました。静電気を防止するアースの取り方とか様々な工夫がされたはんだごてです。
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今日は会場ようにキットも準備してきたそうです。けっこう部品が多めです。
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ワークショップ用はんだごては準備が間に合ったのですが、販売用としては間に合わなかったそうです。販売できるようもうちょっと製品として改善が必要とのことでした。
Motion:bitとml5.jsで非接触ロボット操作!:井上さん
次はJellyWareで働く井上さん。
テーマはロボットの操作をリモコンではなく超能力っぽくできるようにとml5.jsのハンドポーズを推論を使って操作できないかと取り組んだ話です。
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次はロボットの準備になりますが、こちらは労力をかけたくないとモータードライバーやバッテリやコネクタ類が実装済みでLEGOみたいな感じで作れないかと考えた結果motion:bit(Cytron製)を使ってロボットを組み上げました。
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これで手の動きをBLEで使って、micro:bitに送るようにしました。メカのホイールだけでかなりのコードになりオーバーしてエラーが発生したりしました。
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まだ止めることが出来ず暴走しますが、実際に手を動かしてロボットを動かすことができました。
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こちらも現地会場には持ち込まれたそうなので、会場では実際の操作が出来たようです。
ChatGPTハッカソン進捗:菅原さん
次は最近就職したという和服で登場した菅原(すがはら)さん。就職で広島から東京に出てきた記念のIoTLT登壇だそうです。
ポケコン(!)にM5を組み込んでTwitterをできるようにしたりしてたのですが、これを使ってノベルゲームを作ろうと思っていたのですが文才がなくストーチーが作れない・・・・と思っていたらChatGPTが登場したのでこれをポケコンに組み込めないかとハッカソンにチャレンジした話です。
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しかしポケコンは80文字までしか扱えない、ChatGPTの返答は少なくとも200文字以上・・・・・その問題を外部ディスプレイとの組み合わせで回避することにして作成に入りました。
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APIにはOpenAI Chat CompletionとGoogle日本語入力を使って実装しました。色々トラブルは有りますが、いまはなんとなく動くところまで出来てきたそうです。
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ハッカソンの発表は4/22なのでアイデアがあればお願いしますとのことでした。
ちなみにChatGPTよりもポケコンのほうが遅いのでよくあるレスポンスの問題は隠蔽できているとのことです。
電子工作一年生がスーパーカワイイコミュニケーションロボット スタックチャンをつくった話:ナガクラさん
前回のIoTLTでヘボコンにチャレンジしたというLTをしたナガクラさんの今回の発表は、ヘボコンの前に作った小さくてカワイイM5Stackを使ったコミュニケーションロボット「スタックチャン」を作ったのがはじめての電子工作でした。
最近、robo8080さんが「ChatGPT API 搭載AIスタックチャン」を作成し可愛さが加速してます。現在拡散中です。
LTでは実際のスタックチャンとのおしゃべりが実演されました。生意気なところがさらにカワイイですね。
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現在スタックチャンコミュニティの仲間や作成動画の助けを借りながら現在作成中とのことです。
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LT後、スタックチャンの可愛さで楽しそうに盛り上がっていました。
郵便箱ビーコンをつくりたかったはなし:うこさん
次のLTは久しぶりのうこさん。プロとアウトスタジオの校長さんです。今回はマンションの郵便箱のチェックを、センサーを使って通知出来ないかと考えました。しかし、市販のビーコンはなかなか高いということでいろいろ考え秋月でXIAOなど色々買い込んで作りました。価格はだいたい2200円くらいではんだづけ箇所も少なくできました。
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これを郵便箱に実装していくわけですが、傾斜スイッチを取り付けたり、電池消費を抑えるために工夫したし進めましたが、未だBluefruitのコードが解読できないまま、タイムアウトになってしまいました
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いまは悔しいので設置だけしてある状況とのことです。
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M5STACKで高速なセンシングを目指したら苦労した話:竹田さん
次は岩手から来た岩手県立大学の竹田さん。IoTLT盛岡や起業したりと色々な活動をしています。
会社は顔などのAIの仕組みを性能の低いデバイス(なつかしいPC-98とかRaspberryPicoなど)にギュッと詰め込むような仕事をしているそうです。
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今回の話はM5STACKを会社の事業でも基板をいちいち作るのを解消しようと本格的に使ってみようと製品開発に実際に使った話です。
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作ったのはADC値を取得してDAコンバータで出してSDカードにログを残すようなもの(権利関係で言えないらしいです)
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ノイズの関係でユニットを使うことにして動かしてみたところ速度不足になってしまいました。原因はADCユニットのサンプルレートがMAXでも128Hz・・・・新しいADコンバータを入手しましたが・・・でも速さが足りない。原因はファームウェア
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その他にもDACユニットの読み込み速度とか描画とか・・・で結局いつもの基盤に逆戻りしたら一瞬で出来ました。
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M5Stackはバリバリ開発するには速度がちょっと厳しかった・・・という話になりました。
呼び込みくんPICO W:のびすけさん
トリはいつもの主催ののびすけさん。プロトアウトスタジオ主催の人です。
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今回のテーマは最近買った「呼び込み君DXミニ」。スーパーとかドンキで見かけるポポポぽーのアレのミニ版です
それに新しく出たRaspberryPi PICO Wと組み合わせて以前北崎さんがやったのと同じようなことをしてみました。
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これでIoT的なものをしようとLINEから指定して曲を指定して音を流すようにしてみました。
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MQTTの実装例が少なかったり、はんだづけに苦労したりとなかなか苦戦したということでした。
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クロージング
今回の現地参加者は14名だったそうです。懇親会楽しそうですね。
懇親会! #iotlt pic.twitter.com/IpCT335yjv
— 野良ハック(ざっきー) (@Zakkiea) April 20, 2023
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