感謝と葛藤 Vol.2
大手楽器店を退職し、独立した。
やはり大手の看板はでかい。とにかくデカイ。まず新規取引先を得るためにとにかく走った。年間6万キロを超える走行距離だった。そんな中でも「〇〇楽器店で店長をやってましたアライと申します。今後とも宜しくです!」なんて言わなかった。そんなことを言っていたら独立したことにならない。そんな意地っ張り見栄っ張りな独立だった。がむしゃらに営業をかけ、とにかくしゃべった。喋り疲れるほどに。話は聞いてくれるが、やはり仕入れや販売の話になると、、、途端に難しくなる。大手時代に個性的かつ大胆なブランディングをしていたので、名前と顔だけで覚えていてくれる方も多数いたのには助かった。前の会社に感謝したよね。好きにやらせてくれたから。。。
でも、なんか心に引っかかっていたのです。。。何かが。
何が引っかかっているのか分からないまま、前職場の社長と会食をした。その時、「アライくん、どんどんイケベの名前を出しなさい。」と言われた。え?だめじゃない?それ。って言い返した。そうしたら社長は笑顔で言い放った。
「アライくんがイケベの名前を使って成功したらうれしいじゃない。僕の自慢にもなるし」
涙が出るほど嬉しかった。
悩んでいることがスッと消えた。
そして思った。
社長をまた喜ばせよう。そして自分も成長しよう。こんなでっかい男になりたい。
それから半年に一回くらいのペースで社長に飯を奢ってもらっていた。毎回楽しくて毎回感動があった。社員として働いている時とは全く異なる感覚だった。
続く
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