見出し画像

20代前半を振り返る

今月9月18日で25歳になります。
月1本noteを出すという目標を進行中なので、今回はこの機会に20代前半のここまでについてnoteにします。これから起業を志す学生の参考になればと思います。

20歳

20歳・大学3回生の夏休みに創業しました。
創業というよりかは趣味の筋トレにハマりすぎて、とにかくジムを作ってみたかったという表現が正しいです。
バイクを買おうとアルバイトをして貯金していた50万円を元手に家賃7万円の部屋を借り、DIYでペンキを塗ったり、安い備品を片っ端から探して、なんとかギリギリ、ワンルームのテナントが手作り感満載のパーソナルジムっぽくなりました。

借りた当初
DIYで作りました

当時、なぜか急にジムを自分の手でとにかく作りたくて、YoutubeやTwitterで情報収集しており、その欲は満たされました。
しかし、いざ作ったは良いものの、大学生であり体育会でラグビーをしていたので時間があまりなく、収益にしようとしていたパーソナルトレーニングの提供があまりできませんでした。更にいうと、自分が筋トレは好きですが人に筋トレを教えることは特に好きではないと気づきました。
そのため開業した瞬間から、別で成立する仕組みを考え、大学生向けに筋トレサークルを立ち上げ、1回1時間500円で部屋を貸すという方式に辿り着き、これはあっという間に100人近く集まりました。このきっかけが、もっと気軽にジムで運動したいという人が日本には多いんじゃないかという気づきになりました。

21歳

ワンルームでジムを作ったものの、自分がパーソナルトレーニングをトレーナーとして提供したいわけではないと気づき、会員制ジムを作りたい気持ちが高まりました。そこで学生限定でとにかく安くてコミュニティもできるジムを作ろうと思い立ち、軌道修正しました。
今でこそコンビニジムみたいなワードは認知されていますが、当時は日本に全くなかった30坪前後で低価格の会員制ジムを作ることになります。狙っていたわけでなく、資金がなかったのでギリギリ手が届くサイズが30坪なだけではありました。どれだけ資金を捻出しても一人の大学生が出せる金額ではないので、クラウドファンディングに挑戦させてもらい、本当に多くの方のご支援でなんとか開業資金が集まりました。当時、学生起業のクラウドファンディングで日本一の支援額だったかと思います。人生で最も人と話し、寝ずに何かに没頭していた期間でもあったと思います。

無事このジムも開業でき、運営メンバーの学生の力や口コミもあり3ヶ月で500人近くの方に登録していただきました。ここでジムを作りたい欲が更に高まり、この仕組みを日本中に広げたいと思いましたが再現性が低いという課題を抱えてました。具体的には学生限定なのでコミュニティを作れる運営スタッフ力が必要であることに相反して、低価格で提供するためには人件費を削減しないといけないことです。これがきっかけとなり、今のメイン事業であるLifeFitという事業の発想に繋がりました。
LifeFitを事業化するにあたり、どこまで少なく見積もってもジム開業の設備に2,000万円・システム開発等に1,000万円は必要だとわかり、資金をどうやって集めるのかを調べていた中で、スタートアップという言葉を知りました。たまたま家の近所でTHE SEEDの廣澤さんが開催されていたイベントに参加して、ベンチャーキャピタルという言葉も知りました。LifeFitを事業化するには21歳の学生が融資で3,000万円を借りることは到底不可能ですし、正直上手くいくかもわからないので、エクイティ調達をするかと検討をしました。スタートアップとしてJカーブを描きながら成長していくことはEXITも求められるということを学んでいたので結構悩んだのですが、当時やっていた学生ジムで自分が運営すれば年収1,000万円を得られる状態でしたが自分の所得が増えても余裕はできますが欲が満たされることはなく、もっと事業にお金を投資して、社会にフィットネスサービスを普及していきたい欲が勝ったのでスタートアップという選択肢を取りました。

余談になりますが、BIG3 500kg(ベンチプレス140kg・スクワット160kg・デットリフト200kg)を達成して、パワー系の筋トレ欲は満たされて、この手の筋トレは卒業しました。

22歳

LifeFit1号店を今日にオープンしました。
着想から1年間、とにかくやることだらけでオープンを3回くらい延期して無事辿り着きました。

LifeFit 一乗寺店

大変ありがたいことに大反響であっという間に1,000名以上の会員様が集まりました。これは早急にサービスレベルを引き上げながら拡大せねばという焦りで資金調達をしました。今でこそリアル空間を扱っているスタートアップは増えてきましたが、当時はSaaS最強時代、「加藤さんのやってることってスタートアップですか?」とほぼ相手にされなかったのですが、XTechの手嶋さんは初対面で関心を持ってくださり、あっという間に投資オファーをしてくださりました。自分は、フィットネスジムはスタートアップ界隈では相手にされないということが意味不明で、むしろSaaSよりも成長するでしょ、相手にしなかった人たちを後悔させてやると思っていたので、この出来事は認められた感じがあり当時嬉しかった記憶があります。

大学も無事、卒業しました。「フィットネスに大学の学問は不要!」だと思っていたので退学しようと思っていたのですが、研究室の教授に助けられ、奇跡的に卒業ができました。今となっては、本当に卒業しておいて良かったと京都大学卒業の社会的信用力に幾度となく助けていただいております。

23歳

フランチャイズにより、全国展開を本格的に開始しました。
同時にとても苦しい日々が続きました。22歳の大学生中心になってLifeFit自体は事業化しましたが、フランチャイズ展開できるパッケージがあった訳ではなく、すべて1から形にしていくという覚悟はあったのですが、出店場所によって商圏が全く異なるので、FC店の会員数の集まりが不調続きになりました。想定外のトラブル続き、システムが落ちて利用できないなど、あらゆることが発生し、FCオーナーからも愛のあるお叱りをたくさんいただきました。しかしLifeFitが社会的に求められていることやFCオーナーからの成長への期待は溢れるほど感じていたので、自分だけでなく組織としても心折れることはありませんでした。また何より、このような状況下でも組織として対応できているメンバーの力量に助けられました。LifeFit1号店をリリースするまではとにかく自分で手を動かすと決めておりましたが、スタートアップで拡大するには「とにかく権限委譲」とどの本にもメディアにも書いてあったので、「とにかく自分でやらない」を徹底し、採用とお金周りだけやると決めており、組織化を優先しました。社員数一桁の時代からいるメンバーの高いownershipがカルチャーの根底となり、今につながっていると思います。今でこそ「権限委譲という名の放棄」だと反省するシーンはいくつかありますが、早すぎる組織化を選択して良かったと思います。
本格的に業界に名乗りをあげるため、シリーズAの資金調達も実施しました。


段々とLifeFitが洗練されてきました

24歳

創業から最も悩んだ1年間だったと思います。早すぎる組織化のおかげで専門性が高く自走力のある頼もしい組織に、財務面も創業期に比べたら厚くなり、今すぐやるべきことが毎秒降ってくる日々ではなくなりました。日々自分が何かを達成することに得られるランナーズハイはゼロで、これを失う苦しみも創業者は経験するのだと思います。2024年前半は創業してから最も時間があり週に打ち合わせ1件のみという時もあり、創業者としての存在意義への自問自答が続きました。これは成長するスタートアップ創業者あるあるで必要な時間だと割り切ってましたが、口出しをせずに時間が経つことを待ち続けるのは流石に苦痛ですし、とにかく時間が勿体無いと逆に焦ります。自分はまだ20代前半ですし、フィットネスのお陰でエネルギーレベルも高いと自負しているので、この貴重な20代を有意義な時間の使い方に投資するためには「3年後の未来のために、とにかく自分で手を動かす」という考えに行き着きました。フィットネスサービスが将来あるべき姿から逆算して3年後のためのプロダクト構想を一歩ずつ自分の手も動かして具体化していくこと。現在進行形で取り組んでおり、創業者としての時間の使い方にしっくりき始めております。今の取り組みが20代後半で芽が出て、次は5年後、10年後のためにと段々と時間軸を伸ばしていけるように成長していきたいと思います。

やって良かったこと

これから学生起業をする方へのアドバイスです。

足元は悲観的に、長期的には楽観的にというマインドセット

今振り返って言語化できているのですが、「足元は悲観的に、長期的には楽観的に」というマインドセットが学生起業する人には特に必要だと思います。サービスを出しても想定通りに売れません、しかし試行錯誤してたらいつか火がつく瞬間が来るという確信を持ってバットを振り続ける。そんなイメージです。自分もそうだったのですが足元の事業計画が絵に描いた餅で楽観的すぎると、気づいたらお金だけが減っていきます。具体的には何回もバットを振り続けられるように悲観的になって事業計画をたて、正しい投資をできる資金を確保しておくといいと思います。一方で長期的にも悲観的になるとやる気がなくなるので、最終的な絵はデカくなるようにも大事だと思いますし、学生起業をする人の成長率は半端なく高いと思いますので今の自分の実力で物事を判断しなくていいと思います。

若いは武器であると早く割り切る

創業すぐは、学生がお遊びで事業をしているという見られ方をします。自分もかなりされてきたので、初対面の人には年齢を公言せずに30歳くらいのフリをしていた時期もあります。しかしそのデメリット以上に若いことはメリットが多いと気付いてから、気が楽になりましたし事業成長に繋がってきました。若いを武器に積極的に先輩方に頼らせていただきましょう。

本を読む

社会人に比べて、経験と知識が圧倒的に不足しているので、とにかく本を読んで最短ルートで進められるように人生の先輩方の言葉を頭に入れるといいと思います。1,000円前後で、先輩方の成功失敗体験を得られます。先輩経営者の方に話を聞きにいくことももちろん大事だと思いますが、全員がいきなりアポイント取りに行けるかというと腰が引けるとも思うので、まずは本を読みまくることはオススメです。

おわりに

創業者、事業には色んなタイプがあり、一概に全て参考にする必要はないと思いますが、自分が学生起業した時に自分の数年後を進んでいるような事例についてもっと学びたいという思いがあったので、今回noteにしました。何かご協力できることがあれば、いつでもご連絡いただければと思います。自分も成長を続け、次は数年後にこのnoteの続きを書ければと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?