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SZ33mmの世界
最近購入したマニュアルフォーカスレンズ SZ33mm F1.2 をご紹介。
*マニュアルフォーカスが熱い
マニュアルフォーカスは自分でピントを追い込んでいく感覚が強いので、切り撮った気分も盛り上がる。とはいえ、デジタルカメラのピントはかなりシビアなので、マニュアルフォーカスをするならミラーレスカメラを使った拡大表示がオススメ。
と、いうことで、今回購入したのはAPS-Cサイズの富士フイルムマウントに対応したレンズ。
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*被写界深度目盛り
被写界深度目盛りとは絞り値で変わるピント範囲を確認できる目盛り。AFレンズでは省略されることが多いがこのレンズではしっかり存在感を示している。ちなみに被写界深度は絞りの数値が大きくなる方が広くなる。
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左右にある同じ絞り値の間がその絞りの被写界深度でピントが合う範囲。数字のフォントは小さめながら確認しやすい。
上のピントリングと下の絞りリングのローレットはとても手に馴染む感じで使いやすく、さらにポイントなのがそのリングを回したときのトルク感。じっくり程よい力加減で回せる。
このトルク感がピントを追い込んでいる気分を高めてくれる。
下の絞りリングはクリックレスでトルクで固定する感じ、何気にピントを合わせているときや持っている間に少し動くことがあるがその辺りはご愛嬌の範囲で 1.4 と 2 の間が妙に広いのも楽しい。
マウントに電子接点がなく、レンズとボディーの間で電気的な通信をしないので、Exifデータに絞り値が残らないからその辺りはアバウトで大丈夫。
*深みに惚れ惚れ
レンズの評価で大事にされているのが解像度という難解な指標。特にデジタル世代ではそれはとても大事にされている。ちなみに解像度とシャープネスは別物で切れ味がよければ解像度が高いわけではなく、解像度はあくまでも像の分離能力。
そんな難しい指標よりわかりやすいのが 深み というポイント。
深み は暗部がどこまでも深く潰れないで再現されることでこれはレンズ性能で全く違う。
ちなみにこれまで使ってきたレンズの中でこの深みが別格だったのが Otus55mm でこれはもうどのレンズと比較しても別格だった。
そんな Otus55mm にも負けない深みを持っているのが、この SZ33mm というレンズ。
そのレンズがとんでもない低価格で販売されれていたので思わず飛びついてしまった(価格は佐々木啓太の購入時の話)。
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コーティングは少し緑色
このときの絞りは F5.6
絞りバネの形はほぼ円形
絞り羽根 11枚
*モノクロが楽しい
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絞り開放からピント位置のシャープさもあって、周辺減光が少ないのは現代的
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*マニュアルフォーカスは考えるためにある
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最新のミラーレスデジタルカメラは何とか認識などもあり、撮影者が考えなくてもピントを合わせてくれるようになっている。マニュアルフォーカスを使うときはちょっと自分で考えることが増える。それが楽しいかめんどくさいと思うかは人それぞれだと思う。
変態が入っている佐々木啓太はその手間が楽しいと思えるし、写真を撮っているという感覚が上がる。
上の写真のピント位置は手すりぐらい。
本来なら横切っている人物に合わせたいがこのときはちょっとだけ間に合わなかった。実はここに人が入ってくることを待って撮っていたので、人が横切るあたりにピントを固定したつもりだったが少し甘かったみたい(笑)。
最新ミラーレスカメラのAFならきっとこの横切った人にピントも合っていたかもしれないが、それは機械がやってくれたことで自分がやったことではない。この違いを楽しむのがマニュアルフォーカス。
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こんなシーンは実はAFの方が苦手。AFは基本的にはコントラストの強いものに引かれるのでこれだけごちゃごちゃしていると迷った挙句に背景にピントが合うことが多い。マニュアルフォーカスは自分の狙いで追い込める。
中間距離の花にピントを合わせると前ボケと後ボケで狙いを挟むことができる。
*カラーでも使える
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少ししっとりした感じのフィルシミュレーションを使った方がこのレンズの描写には合っている。
*マウントは2種類
今回使った富士フイルムのXマウントだけでなく、SONYのAPS-CサイズのEマウントに対応したレンズもあるので、あとはご自身で使ってこのレンズの魅力を体験してください。
写真につけていた絞り値は佐々木啓太の記憶なので少し曖昧(笑)
また、次回