新たに組織長、チームリーダーになる方は是非読んで欲しい。
はじめに
前提として私自身は個人プレイヤーとしては並程度です。でもチームマネージャーとしては並以上の自負があり、結果も出して来ました。ただそこに至るまでは「二度としたくない後悔」の積み重ねでした。
この記事は私が体験した辛い思いをお伝えして、今後新たに人を率いる立場(チームリーダーや管理職)になる方に少しでも参考になればと思い書かせてもらいます。
【調子に乗ったままの昇進】
20歳の時に某通信上がりの方々で構成された黒い会社へ入社しました。
先に上げた通り私自身は個の実力は無いものの、当時は実力以上の結果が出せており、そこそこ個人成績を上げる事ができていました。
とんとん拍子に事が進みあれよあれよと言う間にSVへなりました。そして完全調子に乗った状態で20名の小規模テレアポチームを受け持つことになりました。
今思えばこれは大きな勘違いで「自分には力がある」と喜んでいましたが、当時の会社自体の方針は拡大志向だったので「器が整っていない」状態でもポジションをガンガン与えていくスタイルだったのでしょう。
若い人にポジションや報酬を与えて、やる気を全力で出させる。ただそれについて来れない人が多いので、人の入れ替え前提で組織形成を行うテレアポ・営業組織で良くある形態ですね。
【プレイヤーとマネージャーは別物】
ただ「経験が浅い、若くて世間知らず、根拠の無い自信だらけ」そんな薄っぺらい奴がチームを見てそのまま上手く行くはずもなく、プレイヤーとしてそこそこ結果出した自分ならマネージャーでも通用すると思っていました。
しかしながら、自分が管轄してから1ヶ月待たずに全員がボイコットする結果に……。
「何でこんな事も出来ない?」
「何で自分の思い通りにならない?」
「何で言われた事すらまともに出来ない?」
そんな気持ちから言葉も荒くなり、自分の伝達力や技術が足りない事を棚に置いて、年齢が一回りも二回りも上のアルバイト・社員を駒として扱ったのだから当然の帰結でした。
【二度と忘れない後悔】
当時自分の上司に当たるMGRに仲介へ入ってもらって、全員の前で謝罪して、なんとか事なきを得ました。元々は私は泣かないし、折れた事もない人だったんですが、初めて複数の人前で泣いて、それを思い出して自宅で完全に気持ちがへし折れてしまいました。
今思えば泣く前、折れる前に自分を正す事がたくさんあるのにシンプルにアホだったんです。めちゃくちゃ簡単な事なのに。
【だって人間だもの】
そもそも自分を含めて社員全員が漏れなく「駒でも機械」でもなくて「人」なんです。それぞれに感情が合って、家族だっているし、得意不得意も当然ある。
なら一方的に「俺に迎合しろ!」ではなくて、自分自身も相手の視点に合わせて話す必要がある。そして相手の感情や得手不得手を理解した上で、上手く全体調和を行いチームの実力以上を引き出せるのがリーダーの役割だと…。この時に「悟り」を開いたのです。
【悟りを開いてから気を付けた行動】
①言葉選びの基準
自分が発するそのセリフは下記を考慮する。
「自分の家族が同じ事を言われても平気か?」
「相手の家族が目の前に居ても言えるか?」
「批判された時に理路整然と説明が出来るか?」
②全員に敬意を示す
同じ組織で同じ目的を追っている、憎むべき邪魔者ではなく、頼もしい味方。自分がリソース的にしない、出来ない領域をしてくれている。年が上だろうが、下だろうが全員に敬語を使う。リスペクトは一方通行では成り立たない。まずは自分から相手をリスペクトすること。
③求めるライン(信頼はしても信用はしない)
自分と同水準で考えるべきではない。人の優劣ではなく、仕事の結果という点においては自分の方が結果を出せる可能性が高いからこそ、率いる立場にある。自分と同じ事が出来るなら人材ならば、そもそも自分と同じ待遇を受けており、自分と同じ立場である。相手の立場や役割に合わせた期待値でいるべき。だからこそ信頼して頼る事はあっても、それが出来るかを信用すべきではない。フォローやバックアップは前提で考えること。
④伝え方の心得
複数名で業務すると伝え方のニュアンスが異なるだけでも、人間関係に軋轢が生まれる。認識の齟齬が生まれない様にしなければならない。例えば、課員同士が業務の会話をしている時に認識や伝え方が間違っている場合は、その人と人との間に入ってでもトラブルが無いように、潤滑に回るように、丁寧を心掛ける。
⑤ストレスの軽減
業務ごとに情報開示が曖昧だったり、前提知識がばらついていたりするのは当然。ただ、リーダー側は1対多で業務するので毎回同じ説明をする事に不可やストレスがかかる。テキストで指示する場合は、その場が面倒だからと少しの手間を惜しんで省いたりせずに「360度誰が見ても」「後で見返した際に分かりやすく読みやすい構成」を徹底する。
⑥違和感を放置しない
例えば④で生まれた人間関係の軋轢は、最初は本当に小さな綻びでも後々取り返しのつかない重大な溝になる。即解決を心掛ける。
最後に
結果的にこの出来事の後は予算達成をし続けて、2年後には120名組織へ成長します。その後も1年連続で月間予算を達成し続けて、最多・最即・最長の各種レコードを樹立しました。
もちろん会社の仕組みが素晴らしい事や部下に恵まれている事が大きな要因ですが、あの時の涙して心折れた経験が間違いなく自分を後押ししてくれました。ただ、これは体験しなくても誰でも気を付ければ解決出来る事なのでわざわざ体験する必要はないだろうと思っています。
新リーダーは頑張ってください!
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