歴代強豪チームのオフェンスの特長

今回は、タッチフット界における歴代の強豪チームにフォーカスして、オフェンスの特長を書いてみました。別の視点で見れば「この点を伸ばせば強くなる」というものだったりしそうなので、ご参考になれば幸いです。

強豪チームの定義

全国優勝を数回しているチーム!とします。

実際どのチーム?

 ・東京リベンジャーズ
 ・FCジャンブル
 ・RISE2003
 ・ラファーガ
 ・BOOZERS

どのような特長があるか?

もちろんそれぞれ別のチームなので一長一短はありますが、
その他チームと相対的にみると、次の点が秀でています。

 1.QB自身に武器がある
 2.QBとは別に武器となるキープレーヤーがいる
 3.武器を活かすプレーがあり、それを軸に戦術を構成している
 4.成功率が高い(ここが一番大切)

1.QB自身に武器がある

 ・肩が強い
 ・パスの精度が高い
 ・機動力がある

 どのチームのQBも、これらのうち2つは当てはまってますね。

2.QBとは別に武器となるキープレーヤーがいる

 ・東京リベンジャーズ →WR大坪さん、G尾木さん
 ・FCジャンブル →WR井岡さん
 ・RISE2003 →C岸本さん
 ・ラファーガ →WR松岡くん
 ・BOOZERS →WR大風、C私(僭越ながら笑)

3.武器を活かすプレーがあり、それを軸に戦術を構成している

(以下、映像振り返りもなにもせずに主観で書きます)

・東京リベンジャーズ
基本的には1RB隊形でのポケットパサーで、ミドルレンジのパスをつないでくる印象でした。ディフェンスカバーがミドルケアになれば、同隊形からDEをキーにしたオプション。さらにオプションフェイクでQBロールをしかWRへのパスプレーも持っていました。アメフト経験者も多く、プレーも考え方もアメフトらしいのチームでした。
 
・FCジャンブル
WRの1vs1では無双していた印象です。WR↔︎QBのホットラインが軸。ラインは基本パスプロから入り、パスプロをしながらディレイで空くところを探していました。なので、ラッシュしてもGと目が合わないことが多かったですね。WRホットライン、ラインディレイ、QBスクランブルがうまく噛み合っていました。

・RISE2003
QBの機動力は他チームに引けをとりますが、なんせパスプロが堅い。これまで試合してきたチームで一番パスプロがうまく、堅固だと断言できます。そのためパスターゲットを探す時間が多く、ディフェンス目線ではWRにマンツーマンは分が悪い。WRへのカバー時間が長くなるため、ディフェンスはショート〜ミドルゾーンが手薄になりがちで、そのゾーンを狙ってラインが適切なタイミングのディレイで出てくる。タッチフットの上手いチームです。

・ラファーガ
QBの機動力を活かしたプレーが多く、また同世代プレーヤーで構成されたチームならではの「長年合わせてきた阿吽の呼吸」が随所に見られます。QBが高い水準で走れて投げ分けられるため、ディフェンスに的を絞らせず、多彩なプレーを繰り広げてきます。その中でも特に到達点が高く捕球力のあるWRとのホットラインが脅威。

・BOOZERS
QBが強肩&機動力があるため、プレーはQBがスクランブルするスペースができやすい隊形・プレーデザインが多い。CとWRの脚が速いため、QBランをケアしてディフェンスが前掛りになるとすれ違いを狙われて思う壺(なのでココ読んでいる現役プレーヤーは気をつけて!)。

4.成功率が高い(ここが一番大切)

イージーなキャッチミスはどのチームも皆無。肌感ですが、プレーの成功率は高く、それもあってかパントをあまり見ません。


まとめると

1.QBに武器はありますか?
2.武器となるキープレーヤーはいますか?
3.それらを活かすプレーがあり、それを軸に戦術を構成していますか?
4.成功率を高めるために練習していますか?

上記1〜2が即答できれば、あとはプレーを見直してその成功率を上げる練習をすることが、チームが強くなる近道です。

BOOZERSの場合を掘り下げると、
(1.QBの足が速い)
QBがスクランブルするスペースができやすい隊形・プレーデザインを採用
 ↓
QBスクランブルが脅威になるのは、ラッシュの第一線を越えてアンダーゾーンがガラ空きの時
 ↓
その場面を作るために、CBはディープに、LBはミドルに下げたり左右に偏らせておきたい
 ↓
下がらざるを得ないようにするには、ミドル〜ロングのパスを通す必要あり
(2.足の速いWRの有効活用)
 ↓
そのためにはパスプロを固めないといけない
 ↓
パスプロで勝ちやすくするために、ラッシュにも迷いを持たせる必要あり
 ↓
・ラインをノーチェックで出すパスを通して、ラッシュを無効化する
・パスプロからのディレイを武器化させる
(2.足の速いCの有効活用)

という考え方で、精度を高める動き・プレーを集中して練習しています。それにより、その練習しているプレーがどういった意図で戦術に落とし込まれるのかを理解することができ、試合中ハドルでのプレーコール意図の理解水準が高くなります。


チームとして何から手をつけ、その精度を高めていくか?

老舗のうなぎ屋のタレのような、長年受け継がれているプレーブックを一度閉じて、コロナのこんな時期だからこそ、今一度チームのストロングポイントとそれを活かすプレーと試合運びを考えてみるのもいいと思います。


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