No Swallows No Life多分32年目の振り返り
2023年シーズンお疲れ様でした
2023年シーズン、ヤクルトファンの皆様お疲れ様でした。最近はシーズンを長く楽しめた中で訪れたこの結果は残念ではありますが、来季以降の奮戦に期待しながら今季の振り返りを「超個人的感想と視点」からお届けしようと思います。
あぁ、僕の記事では、はじめに毎回言ってますが、データなどはプロフェッショナルの方が居ますので一切書きません。100%主観と何かしらの形で140試合は観戦した主観に基きます(爽)。中途半端に齧ったデータを使うと痛い目を見るのは理系大学経験者は痛いほどわかってますからね(爽)。
娘が産まれる前ならデータ使うけど、精査する時間もデータそのものを作ったり見たり読みこんだりする余裕もないので、でも、娘は可愛い(満面の笑み)。
それにしても、こういう時、noteって便利だよね、量も書けるし、Twitterで書きづらいこともしっかり文脈で書けちゃうし。え、イーロン、どうした?TwitterじゃなくてX?知らんがな。
外的要因
おそらく本当はもう少し前から父の影響でヤクルトスワローズの試合は見ていたと思うけど、ハッキリ記憶している最初の試合は1992年9月1日、巨人槙原からヤクルト池山がサヨナラホームランを打って勝った試合でふ。父から受けた巨人と阪神を応援したら敷居を跨がせないというありがたい指導のおかげでめでたくヤクルトファンになってから大体32年目のシーズンが終わりました。
「これ以上悪い年もあったけど、まぁ、課題がたくさん出たな。」
というのが本音の2023年シーズンだったと思います。過去2年、コロナ禍やオリンピックなどで変則日程の中、連覇したことで疲労が溜まったことや反動が出た事も理解します。とんでもない疲労感と燃え尽き症候群もあったと思います。2021年に11月末まで野球やって、2022年も日本シリーズで10月末まで野球をやる事になった日程もシビアだったでしょう。少なくとも2ヶ月は他のチームより長く野球をやりました。
それに加えて、今年はWBCがあった。さらに高津監督は日の丸を背負う事に積極的な監督なので、ただでさえ疲れがある中でも主力陣がかなり早く始動したこと、昨年末のバラエティに引っ張りだこだった事、ピークを3月に持ってきた反動が前述の連覇の疲労と相まって非常に大きなダメージを選手に残したこと。
「地球が沸騰している」と国連総長のグテーレス氏が表現したほどの酷暑の中で屋外球場を本拠地にしているということ。
まずはこのような外的な要因を整理して理由を考えておく必要があるかなと思います。
昨年末のテレビラッシュと春キャンプで個人的に感じた不安
ヤクルトスワローズはフジサンケイグループの一員。フジテレビを持つグループ内の一員なのでフジテレビの番組中心にオフにテレビ出演していることは珍しくはないですし、元々から積極的に出演しているチームだと思います。もはや文化や風習と言っても良いでしょう。
ですが、昨年のオフは連覇した事に加えて三冠王村上宗隆を中心にしたテレビラッシュに僕は一抹の不安がありました。
知ってる人は知っている話ですが、僕は医療系社会人。大学生のトミージョンや中高生の野球肘などの野球関係からラガーマンやサッカーと言った競技の選手とも比較的他の業界よりは関わる機会が多い職種です。
その中で一応は10年以上仕事をしてきた上でアスリートと一般人の1番大きな違いなんですかと聞かれたら候補に間違いなく上がるのが「疲労の抜き方」。
僕らのような一般人ならグダグダ寝とくだけで良いんですが、はい、いま、だからお前カビゴン体型なんだよと思った人は体育館裏に集合な。アスリートは違います。身体に疲労が溜まっているなという時にはしっかりと食事と睡眠を確保した上で、低負荷の運動を行わなければなりません。中6日のローテーションの多くのパターンで先発で投げた人が翌日休みじゃなくて軽い運動をして調整して、投げた翌々日が休みになっているのもそういう理由です。
つまり、ここで何が言いたいかと言うと、「テレビ出演というのは休養にも疲労抜きの低負荷運動にもトレーニングにもならない時間が増える。」という事です。テレビ出演は拘束時間も長く、スケジュール調整が難しい、打ち合わせや打ち上げも加われば半日はそれに費やされるでしょう。
非日常空間なので楽しくはあると思いますが、それが1日くらいならシーズン中の移動日と同じようなもので対処できるでしょう。でも、それが積み重なると・・・少なくとも僕の知識では良い影響を考察することは出来ません。
大谷翔平が年末の紅白歌合戦のゲストに出た時に「練習場の確保」が出演条件だったように、テレビに出る事にも功罪があります。
そして、春のキャンプ。高津監督になってからはコンディションに重視が置かれ、少なくとも全体メニューの練習量はプロとしては決して多くはありません、量だけならアマチュアでも学生野球でもあれ以上にやるところはたくさんあります。特にキャンプは学生でいう合宿に該当する時期ですから、とにかく量に関しては勝手に担保されてしまいますからね笑。
質に関してはシートノックやフリーバッティングを見てるだけでも惚れ惚れしますが、基本的にはヤクルトスワローズは高津政権になってからは「各個人練習での弱点修正、長所特化」を主にしているので、表からはハッキリ言って判断しかねる見えない所です。なので、この部分には触れません。不満も満足もなく分からないから。結果が2年出ていたので変える必要も感じませんしね。
ただ、僕が春のキャンプ中継を見てて思ったのはノックなどでも奥村の声の大きさにフィーチャーされてるけど、他の選手はあんまり目立たないなぁという所でした。野球での声というのは非常に大事なツール。もちろん鼓舞する事や確認をする事に使う事が主なのですが、安全性や連携の意味もあります。
例えば、キャンプの練習だとノックでグラブ上げて声を出せば準備出来てますよの合図だったり。打球捕の練習では衝突回避の意味合いがあったり。試合だと相手ランナーの動きとか誰がボールを取るかの意思確認とかにも使いますよね。そういう、車のクラクション的な効果として使う事も往々にしてありますが、それがちょっとテレビの映像からは伝わりにくかったかなと。ブルペンは元気でしたけどね。
これを連覇した油断だと言っている人も見た事がありますが、僕はこう思っています。
「コロナ禍での観客数が少ない試合や音が少ない試合に慣れてしまった。」
と。大声出さなくても聞こえるようになったから、以前よりも気を遣わなくなってしまった。そんな感覚を覚えていました。
そして、今年はその声に関するプレーとキャンプでひたすらやり込む連携プレーの量不足で質が上がらなかった事も多分にこの成績につながっていると感じます。
今までやってきた経験がある事でも半年ブランクがあったりしたら思い出して勝手を掴むまで時間がかかるという現象と同じでしょうね。
専門職の大切さとコンディショニングの大切さ
そういう状況の中で、塩見と山崎がケガをして丸山や並木も一軍での経験が少ない上にケガをしたりしてしまった、本当にセンターを主戦場として守れる人材が居なくなった期間が非常に多かった結果、今年は防げる声の連携ミスによる外野のお見合いや衝突が春先から最後の最後まで解決しませんでした。
内野手が最悪後逸しても、外野手が居るのでカバーリングは出来ます。が、外野手が後逸する、落球するはそれだけで1点になります。以前に書いた通り、年々投高打低化が進む中ですから、1点の価値は高くなっています。それをミスで献上していては勝てる試合も勝てません。
優勝した2年間は塩見とミンゴに青木や山崎という形でうまく回っていた中に若手や不慣れな人が入った事で外野手の阿吽の呼吸が崩れてしまったこと、外野に満員のファンと応援団が戻ってきた事、それにコーチが変わった事で約束事も多少は変わったでしょうからそのあたりがうまくリンクしなかった。
声の連携ミスというのは少年野球からプロ野球まで絶対に防がなければならない事象なので、ここは来年には必ず改善しててほしいですね。
あとはコンディション面について。WBC組や連覇に大きく関わった面々には触れてきましたが、それ以外にも数多のケガ人が出ました。特にファームの試合に数ヶ月出られないほどの大きなケガの人があまりに多かったですね。
春先に今年のドラフト1位ルーキー吉村を高津監督は休ませてあげたいと言っていました。
しかし、結果として他に変わる人員もおらず、登板し続けた結果、約3ヶ月ほど離脱する羽目になりました。ルーキーに負荷をかけて対応しなければならない状況になった事は首脳陣、二軍首脳陣、選手自身、皆が思い思いに反省する所があるでしょう。
厳しい言い方になりますが、ケガをして離脱してしまうと「戦力」とは言えません。試合に出られる状況になっていてこそ「戦力」です。特に昨年、一昨年と優勝に貢献した度合いが大きくない選手は今年のこういう時が大チャンスだったはずです。一軍当落線上、秋の戦力外当落線上と様々な立場の人が居ますが、ケガをすると落線側に自分から落ちてしまいます。
「先生達に会えて良かったわぁ。」
と僕も仕事の時に時折、言われます。でも、「そうなる前に僕らに会わずに済むような予防や対策が出来れば最高なんですよ。」と伝えています。
交通事故や他人からの故意や過失で避けられない負傷や遺伝による病など本人ではどうしようもないものは別として、避けられるケガや体調不良は可能な限り避ける、対策する、予防する。これはプロ野球に限らず、社会人ならば義務だと僕は考えます。
少なくとも、大人がこれだけの人数全員が避けられない負傷だったとは思えません。もし、そうであれば、インフラや根本的な組織構造に問題があると断言せざるを得ません。この部分に関してはトレーナーやコンディショニング部門はもちろん、選手個人の意識も絶対的に強化すべきだと思います。なぜ、こう言えるのか。それは僕がこの分野の一部で仕事してるからです。今年のスワローズの頻度で様々な分野のアスリートがケガしていたら。多分、僕は24時間365日勤務しても手が足りなくなります。でも、現実ではそんなことは起こりません。たまに11時間働く日もあったり週1休みの時もありますが、それだけです。他の分野のスポーツや一般社会ではそこまでの避けられない負傷は起きません。ラグビーなどのコンタクトスポーツでさえです。
会社で傷病休暇を取っている人がたくさんいすぎて、仕事場にいる人がオーバーワークでパンクしている。そんな状態になっていた根本原因の改善には怪我や病気を減らすか、人手を増やすかの選択肢しかありません。先に出来ることは?僕は予防だと考えます。
アナタを見たくて金を払って球場に来るファンもいる。
プロ野球選手というのは試合に出る事が何よりもファンサービスですから。
マクガフやコールの存在感
今年のヤクルトの投手陣はマクガフがメジャーリーグ復帰を遂げて「誰をクローザーにするか」というところからスタートしました。木澤、石山、清水、田口、ケラと抑え候補が乱立する中で、結果的に田口がクローザーの座を射止めました。
今年、一年終えて結果的に田口は防御率1点台、実際の投球指数ではもう少し悪くなっていてもおかしくはないデータですが、それでも立派にクローザーの役目を果たしてくれました。感謝しかありません。
ただ、この田口は昨年までは勝ちパターンのピッチャーではありませんでしたね。火消し、ワンポイント、先発が早目に降りた時の6回あたりなどが主戦場でした。田口が鎮火してくれた後を昨年の勝ちパターンがしっかり抑える。そういう試合もいくつもありました。同じような役割を退団したコールもやってくれていました。これに大西を加えた3人が崩れそうな試合を立て直し、流れを持ってきて勝ちに繋げてくれた。負けたにしてもダメージを相手に残せる接戦にした。こういう無形の貢献が非常に大きかった。
それが、今年はマクガフの喜ばしいメジャーリーグ復帰、コールの退団、田口のクローザー移行でスッポリ空いてしまった。そして、新外国人も新戦力もその3人の穴を塞ぐほどの人は1人も出てこなかった。星が何とか台等してくれたものの、新外国人リリーフの不発や連覇の勤続疲労も重なった結果、大西や石山や清水の負担も大きくなり崩れてしまった。
先発ピッチャーが元々そんなに強いわけではないヤクルトスワローズが昨今上位に来る時は必ずリリーフが完成してる年です。2015年はロマン→オンドルセク→バーネットに秋吉や松岡健一に徳山が居ました。2位になった2018年は近藤→石山の2人が8回9回を締めてくれました、交流戦の時から炎の4連投とかやってましたしね。それに梅野や風張、秋吉や中尾やカラシティーにハフなどが絡んで。
記憶に新しい2021と2022は言わずもがな。
つまりはヤクルトが上に来るのはどっちに転ぶかわからないなーって試合の中盤で流れを持って来れるリリーフが出来るかどうか。今年は全く作れなかったので崩壊したとも言えます。
高津監督は自著で野手の事は分からないから作戦コーチや打撃コーチに基本はお任せして、投手は僕と石井コーチと伊藤コーチで見ると公言していた以上、ここの部分においては監督にも大きな責任があるでしょう。是が非でも来季は形にしてもらいたい。ピッチャーは先発もリリーフも補強必須です。
打てないやエラーは野球だから仕方ないが
野球というのは70%以上の確率でアウトになるスポーツです、これが前提です。選ばれし者でアウト率65%くらいまで改善できるかどうかという。
だから「成功前提で見てはいけないスポーツ世界一」の競技だと思います。サッカーのPK成功率30%の人はきっとプロサッカー選手ではないでしょう。テニスやバレーのサーブ率30%以下の選手はおそらく体育館やコートで打ち込み練習段階でしょう。でも、野球で成功率30%は大選手。
だから、打てなくて当たり前なんですよ。だから、打って欲しい気持ちはあれども失敗の確率が高い、そこを理解しておく、だけど、そのアウトのなり方が良いか悪いかという点はしっかり見ておかなければなりません。
個人的にはここが昨シーズンから今シーズンで最も悪くなったポイントだと思っています。ランナー三塁の場面で相手が1点は良いですよという守備体系の場面で内野ゴロが打てないに代表されるように、今年は「皆が好き勝手振って結果出るかどうかは当たり次第」みたいな場面がとにかく目について目について仕方がありませんでした。
僕も長年プロ野球を観て、草野球レベルでもプレーもしてきた感覚としてはこういう場合「チームにコーチや監督からの指示が届いてない」事が多いよなーという肌感覚があります。チームがチームになれてないという感じですね。分かりやすくしっかりした指示が出ていればチームはしっかりと作戦を遂行出来ます、一方でいろんな捉え方が出来る表現をしてしまうと個々の捉え方によって想定とは違う行動も増えてしまいます。そうすると、チームとしては良くない事が増えるのは自明の理。
もちろん、勝敗は監督の責任、個人の成績は選手の責任なので結果的に負けて、数字も悪ければ特定の責任は誰かに負わせるものではなく、関係した人全員が背負うものになります。
攻撃面では上記の「チームになりきれてない面」が大いに影響したと思います、そして今度は野手の守りについて述べていこうと思います。
外野の守備については先に書いたのでもう割愛しますが、基本的にヤクルトの内野の守備は悪くない方です。サードの村上は除いて。
オスナは捕球能力も高く、バントシフトなどのサインプレーも必死にこなしています。スローイングはちょっと苦手に見えますが、少なからず悪い守備はしていません。僕も捕手やファーストを守る機会は多いタイプでしたが、オスナの捕球力は目を見張ります。
哲人と長岡はもう言うことないでしょう、今後年齢や足の状態を考えて哲人がファーストなどにコンバートされることは予想されますが、現状では12球団でも上位の二遊間です。長岡は.250打てたら6000万、.270超えたら億も見える守備力です。個人的な感覚と信頼度では長岡は絶対的にスタメンです。坂本や今宮みたいなショートがヤクルトにいるなら別ですが。
村上に関しては今年の場合、送球エラーが目立ちました。送球エラーはかなりの確率で進塁を許しますから、ゴロを弾いたエラーより遥かにダメージが大きい。人間ですから取り損なう事もありますし、投げ損なう事もあります。ただ今年は多すぎましたね。しかもサードで。サードというのはプロ野球のポジションの中で最もサインプレーも少なくカバーリングも少ないポジション、そこでやるのであれば、やはりあと10個はエラーを減らして欲しい。同じミスもありましたし、そこはキャンプ乗り越えて来春までに色々戻してくれるでしょう。
ですが、こういう個々のプレーのミスは野球なので起こり得ます。同じ内容のミスを繰り返すと指摘される言葉が厳しくなるのは日本中、世界中どこの国でもどの仕事でも同じことなのでそれはむべなるかなだと考えますが、それでも起こってしまうことは起こってしまいます。
今年は個人のそういうミス以上に挟殺プレーの連携ミス、カバーリングのミス、前進守備などのシフトを敷いた時の基本事項のルール、原則すら守れていないケースがあまりに多すぎました。これはキャンプやミーティングでしっかりと連携練習や意思統一が足りなかったと言わざるを得ません。
高校生や大学生でも合宿でしっかり練習した連携や決め事は通年守れます。余興をしなければならない文化が残っていた頃の僕らの出し物でも1週間仕事の後に2-3時間しっかり練習したらAKB48のフォーメーションは覚えます。
このあたりはコンディションに重きを置きすぎて必要な部分まで削ってしまった表れだと個人的には感じます。これは振り返りで思いつきで書いていることではありません。
今回は自分のツイートだけ引用しましたが、フォロワーさんとのやりとりも含めると春からずーっとシーズン終わり間際までツイートしてある通り、僕の中では一切改善していない今シーズン最大の問題点の一つだと感じています。ここはやり直しが必ず利くので必ずやって欲しい。
日曜日の朝6時半や7時から河川敷の球場で楽しんでる草野球レベルで見るプレーをお金を払ってファンに見に来てもらってる立場の人がやる場面は観たくない。
積極性という言葉に逃げるな
今年のスワローズのコメントを見ていると「積極性」という言葉が首脳陣からもたびたび出てきました。
ここは個人的な価値観になるのですが、「積極的にやったから仕方ない」ってのは間違ってる。と考えています。
例えば、僕が人工股関節置換術をした患者さんにリハビリをするとします。詳細は割愛しますが、人工股関節置換術後のリハビリにはいくつもの禁忌があります。その中で、積極的に沢山のメニューをやったら疲労でバランスを崩した時に股関節脱臼してしまいました。これを積極性という言葉で許してくれる人は世の中、誰もいないでしょう。
何かと聞こえのいい免罪符になる言葉の一つが積極性だと僕は思います。アグレッシブに何でも行くことが積極性ではない。場面によってはリスクを考慮して踏み込みすぎないこと、これもまた積極性だと思います。
よくマンガなどで言う「勇気と無謀は違う」という部分に近いかもしれません。
待っている球でもないのに初球からなんでも振りにいく、まだ1回や2回なのに外野が一か八かのダイビングプレーをして後ろに逸らす。そんなのは積極性じゃない。ただの無謀、無策、無思考。敵に1ストライクや1アウト、1点を非常に高い確率で渡す。ただでさえ、野球は70%以上アウトになるのにアウトになる確率をさらに高める、シングルヒットで止まったものがスリーベースや1点になる。相手に与える点数が1点2点プラスされる。
自分の読み球や読みコースに来るまで待つ、シングルヒットで止めて被害を最小限にする、8回や9回の抜かれたらほぼ敗勢と言う時に一か八かを出す。こういうのが野球では正しい積極性だと思います。
実際にミンゴはど真ん中ストレート見逃すことはあるけど、読みを入れて待ち球が来るまで待つからこの投高打低時代にほぼ内野安打がない中でミンゴは3割打てましたよね。あれこそ「来るまで待つ」積極性の賜物だと個人的に思います。
積極性=能動的で褒められるのは中学生まで。高校から上は積極性前提の上で結果も求められる。大学で積極的に実験したからって失敗したら単位もらえないでしょう。社会人で積極的に営業して逆にクライアント怒らせたら上司から怒られるでしょう。
プロならば単純な意味の「積極性」と言う言葉に逃げるな。
僕はそう思います。
コーチ陣はメッセージの伝え方を考えて
言葉というのは相手に伝わってこそ、意味があります。コミュニケーションが成立をします。ふんわりと含みを持たせて人それぞれに解釈の仕方を促すのは子どもの国語の授業で有用な方法でしょうが、プロの社会では違うと思います。
今年は上記の連携ミスや試合後の高津さんのコメントが同じようなモノが繰り返される事象が多々ありました。なんで同じ失敗が繰り返されるのか。繰り返されたのか。自分の経験的には答えは一つです。
自分が後輩や新人教育をした時に「なんでこのミスを繰り返したんだろう」と振り返ると答えは必ずここに行き着きます。
ミスコミュニケーション。
後輩や新人が考えていた事、そうであろうと理解した事と僕の考えていた事、そうして欲しいと伝えた内容にズレがあるからミスが繰り返されていたのです。それは「北と南」「東と西」のような差ではありません。「東南東と南南東、北北西と西北西」のような「似てるけど違う」というズレです。ただ、このズレが時折大きなミスに繋がります。
今年はこういうズレが大きかったのではないかと思います。打撃コーチのコメントを聞いて解説者が指摘するような文言ではやはり厳しい。同じミスが繰り返されるという事はコーチの声が選手に届いてないか理解出来ていないか。
高津監督含めて言葉を大切にする首脳陣であるのならば、この1年間改善できなかった事象を省みて欲しい。コミュニケーションになっていたのか、一方通行のお小言になっていたのか、ミスコミュニケーションなのか。コーチというのは言い替えるボキャブラリーを豊富に持つ事も仕事の一つです。
厳しい事を羅列してきたけど良いことポジティブな面ももちろん見られた
どうしても今年は厳しい事をつらつらと書かなきゃいけない面が多かったので、ここまで約7200字、原稿用紙18枚分も野村監督顔負けのボヤキをしなければなりませんでしたが、ここからはポジティブな事を。ボヤけるようになったらノムさん曰く歳とった証拠らしいけど、同期たちはまだ現役も居るので足掻くよワシは←。
今年のポジティブな面は野手は若手の経験が豊富に出来た事、ピッチャーに関してはいわゆる「韓国版ドライブライン」組の活躍から新たなルートが出来そうなこと。まずはピッチャーの話から。
↑ドライブラインってなんぞやという方へ
今年、ついに躍進を遂げた星が昨年訪れた事でスワローズ界で脚光を浴びた韓国版ドライブライン。インスタに正式名称出てるけど韓国版ドライブラインって表現の方が分かりやすいからこのまま突っ走ります笑。8月から9月にかけても多くの選手が訪れて研究や改善をしていました。残念ながら戦力外になってしまった選手もいますが、星が見違えるような成績を残したことで、今一つブレイクしきれていない選手を開眼させられるかもしれないルートが出来たのは非常に喜ばしいことです。ホークアイを最初に導入した事と良い、スワローズは新しい媒体のモノに挑戦する気概はある風土のようですから今や科学と野球は切っても切り離せないモノになっている中で非常にイイ傾向だと思います。木澤くんがラブソード自費で買ったやつをチームで使ってたのはありがたいけどちゃんとお金渡してあげなよ笑?
今年の終盤にリリーフに回った高梨もここを訪れたようです。31歳の高梨のストレートが唸るようになってフォークに頼らずに抑えられていたのは終盤戦でとても印象深いポジティブな点でした。金久保や長谷川あたりも行ったと言う事でこのオフが非常に楽しみでもあります。
野球は球速が全てではないですが、令和時代の野球では重要な要素なのは間違いありません。
↑でも書きましたが、今や平均が146キロ超の時代。メジャーリーグに追い付かんばかりの勢いでスピード化が進んでいます、イチローが居た頃は10キロ以上あった平均球速差がもう5キロ以下、4キロ程度の差になっています。
ヤクルトはこの部分の武器が比較的弱いので強化するのは良い事だと思います。僕の地元のプロ野球チームやわらか銀行軍は「スピードガンコンテスト」と呼ばれるくらい球速速い人を集めてますが、今年のヤクルト以下の成績になりかけているのでスピードが全てでは全く無いのですがね、やはり大事な要素ではあります。
身体のトレーニングで球速が上がるのにはやはり時間が必要です、その前にメカニック的なところから先に改善しておくというのは非常に良い方法だと感じます。今年の星のような活躍をしてくれるピッチャーが1人でも2人でも出てきて欲しいなと思います。
次に野手、まずは主力組にケガが大量発生した事でチャンスをもらったメンバーが沢山います。プロ野球は主力がケガした時こそ、新たな世代交代が生まれるのは過去から現在、そしておそらく未来永劫変わらないプロ野球界の輪廻転生みたいなモノでしょう。ただ、今年ハッキリと掴んだ人は誰も出ませんでした。
昨年の長岡は文字通り、西浦や元山から奪った選手です、ギリギリで与えられたチャンスから文句なく成績で上回って開幕を掴みました。新しく出る人は明確に数字で上回らないとチャンスは掴めません。同じくらいなら前任者になるのはどこの世界も同じです。
ただ、今年は場数を相当に踏めました、濱田、内山壮真、並木、古賀、丸山、武岡と打席数もかなりのものを与えてもらえました。どんなに主力で143試合フルイニングで出る人でも年間打席数は600くらい。そんな中で一軍でバリバリのピッチャー相手に100-200打席くらいもらえるというのは大きな価値があります。母親が料理作ってるの間近で200回も見たらちょっとは真似が出来て味が似るようになります、それと同じです。
やはり若い面々が一軍のレベルを「知っている」というのは来季以降の大きな武器になるでしょう。1年間ファームのままだと「知らない」と「分からない」ままですから。経験は最高のスパイスです、是非来季以降にこの経験をヤングスワローズは活かして欲しいですね。
塩見泰隆が超一流という事を痛感した
今年、個人的最大の学びは塩見泰隆です。よく、哲人や村上のチームと言われるスワローズですが、それは間違ってはいないけど不十分ということがよくわかりました。
ヤクルトは塩見泰隆と山田哲人と村上宗隆のチームです。
夏に塩見が1番に帰ってきてから、そしてギックリ腰で離脱後に復帰してから。スワローズの戦い方がしっかり腰がハマったように見受けられました。
並木、壮真、濱田が代役で頑張っていましたが、帰ってきてからの圧倒的な成績、守備力、長打力。並ぶモノなしでした。
チームを鼓舞する力、ムードメーカーとしての力、それも並ぶモノなしでした。
今年、ハッキリと学びました。塩見泰隆に代わりは居ないと。往々にして居なくなってから偉大さを知るという事がありますが、今年は完全に塩見でした。
過去の報道で何かと「一流」という言葉が半ばネタのように彼には使われますが、もう彼は「超一流」です。ケガをしないように秋冬はノーザンファームしがらきか天栄でイクイノックスやリバティアイランドとトレーニングしてください(待)。
文句を言われ続けるのは試合に出続けた証
今年は昨年より成績を落とした選手が大半の中で、特に村上宗隆と長岡秀樹には厳しい視線や言葉が注がれていました。長岡は正直、あの年俸額で文句を言われるのは可哀想というか、不相応な待遇だと思います、どのくらいを期待してるのかは人それぞれでしょうが重荷を背負わせすぎな人が多いのかなぁと推測します。
確かに年俸6億の村上宗隆に求められるものは非常に高いモノでしょう。僕もどうしても厳しい目は村上宗隆や山田哲人には持っています、それだけの報酬を得ているから。ただ、文句を言えるのも試合に出ているから、という面もあります。
先ほども書いた通り、試合の勝敗は監督首脳陣の責任ですが、選手が残した数字は選手の責任です。だから、残した成績に満足出来ないファンが叱咤激励するのは分かります、誹謗中傷や暴言は論外ですよ?だけど、彼らは出場数という数字はしっかり残しました。
これも先ほど書きましたが、選手は試合に出ることが最大のファンサービスです。そのためにはケガをせず一軍に居なければスタメンだろうとベンチからの途中出場だろうと試合に出る事は出来ません。村上宗隆と長岡秀樹はあの年齢で大怪我はせず、ずっと試合に出続けています。これは何よりも立派な数字だと僕は思います。
試合に出られるという事は何よりも「戦力」になっている証明でもあります。まだまだ25歳にも満たない2人がこれだけ試合に出続けられる体力を持っているという事は大きな武器でしょう。きっとこれからも伸びてくれるはずです、健康こそ最大の武器なのです。
やっぱりプロスポーツは勝ってナンボ
ここまで約12000字。原稿用紙30枚です。ここまで色々ボヤいたり厳しいこともポジティブなことも羅列してきましたが、ここまで書けるのはヤクルトスワローズが大好きだから。
1人暮らしの期間もあったからヤクルトスワローズは親より長く一緒にいるような存在です。よく、ヤクルトファンは勝ち負けよりも野球を楽しむ人種のように言われますが、
あくまでも勝って欲しいんですよ。前提として。だって、10月4日今シーズン最終戦の阪神戦、「意地でも5位になれ」と言っていた人もあれだけ「最下位になってドラフト2位を先に指名出来たらイイ」とか「最下位になることがお灸を据える」と言ってたファンもみんな手放しでサヨナラ勝ちを喜んだのが全ての答えです。勝つ事に不満なファンなんていません。
ただ、負け試合でもポジティブな面を見つけるのに異様に長けた集団がヤクルトファンなんです。自分の機嫌を自分で取れる人が多いんです。ヤクルトファンは。ペナントで143連勝を望むような【自主規制】な人もいません。ただ、ゴールした時に1位で居てほしいわけです。
優勝してくれたら、ヒリヒリした秋を味合わせてくれたら、わざわざ自分で機嫌を取る必要もなく嬉しいんですよ。昨年一昨年と味わった事で今年がより辛く感じたのは間違いありませんが、やっぱりプロスポーツは勝ってなんぼ。5割、せめて借金片手以内。やはりここは保ってほしい。ダラダラと負けて今年はダメだーではファンもシンドい。
サッカーみたいに降格のあるリーグで戦ってる他のスポーツはシーズン終盤でリーグ順位が下の方だと消化試合どころか年に1回の勝負所のように戦うわけですし、そのあたりはプロ野球の悪い面でもありますね。
勝つか負けるかというギャンブル的順位のヤクルトスワローズにそういう安定性を求めるのは、つば九郎にモラルを求めるような無理筋かもしれないけれど、やっぱヤクルトの選手が喜んでるの観るのが無上の幸せじゃないですか。また来季そういうシーンがたくさん見れることを心から願っています。
あとがき
まぁ、厳しい事が多くなりましたけど、色々書かせてもらいました!このあとがきで13100字地点です。ここまで読んだ貴方も物好きですね(΄◉◞౪◟◉`)。
2023年シーズンは久しぶりに早く終わってしまったので思いの丈を書き綴る時間がたくさんありました、やはり忙しい秋の方が嬉しいしありがたいですね。
来季は忙しい秋を迎えて、デレデレにデレた賞賛の嵐のnoteを書かせてほしいなと思います。デレデレの記事も渾身のBL以上に濃密に書かせてもらいますから。
最後になりますが、このnote読んでくださってありがとうございました。また月一くらいで育児と仕事の合間に風呂でちょこちょこ書いていくネタを投稿しようと思いますので、それも見掛けたらよろしくお願いします!