成功体験をかき集めたら
「成功体験をかき集めたら今に。」という素敵なコピーをつけていただたインタビュー記事が「ファッション販売」に掲載されています。
高田賢三さんやYohji Yamamotoを輩出した、文化服装学院の服飾科で学んだ3年間。
ぼくがその中で苦手意識のあった科目に、立体裁断(布をトルソーに直接当て、形を作る型紙製作工程)がありました。
いつもセンスの良い周りの学生に気後れし、自分らしさなんてわからずに過ごした学生生活。
卒業も間近に迫った学期末試験では、ワンピースが立体裁断の課題に出されることに。
ぼくが作ったのは、ウエストから腰にかけて流れるラインを心がけ、揺れ方が綺麗にでるギャザースカートのワンピース。
結局それが、良く出来ているのか、そうではないのか?判断もつかないままに、テストは終わりました。
それから数日後のある日。
放課後の教室にいると、採点をした先生(その後、学長にまでなられた)がこっそり耳打ちしてくれたのが、
「圭さん、あなた良かったじゃない。テストで一番つけておいたわよ。」という言葉でした。
それは心がとろけて体がポカポカする高揚感。
そのあとは、もちろん立体裁断が大好きになり、いまでもデザインはスケッチと立体裁断とともに起こします。
ちなみにかつてのイヴ・サンローランはデッサンから入るのに対して、ココ・シャネルは立体裁断から入ったと、言われています。
デザイナーにより創作のアプローチが違う、というのは面白いですよね。
この取材を通して、スティーブ・ジョブスが言ったコネクティング・ザ・ドッツ(Connecting the dots)ではないですが、過去の出来事をつなげて、得られる自信や意味づけについて考えることができました。
点と点をつなげて、そこに意味や価値を見出し、ストーリーに仕立てることや、ぼくたちが持っている自由な意志について。
この機会をくださった髙はし賀子さんに感謝いたします。
ファッション販売(小売流通業専門誌)2020年01月号
取材執筆:髙はし賀子Fashion Journalist & Stylist
https://www.instagram.com/fj.yoshiko/
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