[随時更新]日産カルロス・ゴーンはなぜ逮捕されたのか
パラダイムの転換を予感させるニュースが出た際、色々な人が色々なことを言うので、自分自身で経緯を追うようにしています。これまで個人的にまとめていた内容を、初めて実験的にnoteに公開
※最終更新:11/20 11:00
なぜ逮捕されたのか?
日経新聞によると、
①実際の報酬よりも少ない額を有価証券報告書に記載した
②私的な目的で投資資金を支出した
③私的な目的で経費を支出した
具体的には、
・役員報酬として有価証券報告書に記載れている以上の報酬を受けていた
・ゴーン会長の報酬が実質的には約99億9800万円だったのに対し、記載額は約49億8700万円だった
ことについて、有価証券への虚偽記載に基づく、金融商品取引法違反で逮捕
何の法律に抵触したのか?
現時点では、①実際の報酬よりも少ない額を有価証券報告書に記載したことに対して金融商品取引法違反を適用
今後、②と③も含めて業務上横領罪や特別背任罪を適用する可能性もあるが、立件するには「不正をする意思」の立証が必要
具体的に何をしたの?
オランダに設立された日産子会社が海外の高級住宅などを複数購入し、賃料を支払わずに無償で利用した
金融商品取引法とは?
ざっくりというと、金融・資本市場を健全に機能させることを目的としているため、事業損失の隠蔽を意図した事案への適用が多い(カネボウやオリンパスなど)報酬額の不適切開示に適用するのは異例との指摘も
本件を取り巻くその他の論点
①金融商品取引法違反適用への違和感
→報酬額の不適切な開示に対して適用するのは異例
②なぜ監査法人は見抜けなかったのか
→経常利益数千億円規模の会社で年10億円程度の支出から不正リスクを想定するのは一般的には難しいらしい
③国内2例目となる司法取引(他人の犯罪を明らかにすれば見返りに罪が軽くなる)
④日産西川社長の会見での他人事感
⑤フランスでの、ユダヤ系ブラジル人であるゴーン氏への差別的な雰囲気
⑥陰謀ではないか!
⑦日産・ルノー・三菱連合の未来
→特に資本構成でイニシアティブをとるルノーの出方
今後の着目ポイント
「業務上横領罪や特別背任罪の適用」「3社の複雑な資本構成、ルノーとの関係」「日産の今後」特に後者二つについては、歴史的な背景などを引き続きリサーチしたい
※執筆者は、複雑で不確実な場のファシリテーションを仕事にしています。どのような現場に呼ばれてもリアリティに立脚して状況をファシリテート出来るよう、こうした形で複雑な事象をまとめています。法律・会計の専門家ではいため、記載内容について事実認識に齟齬などがありましたら、 Twitterなどで教えて下さい
#日産 , #ゴーン , #金融商品取引法 , #ファシリテーション