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結局、あなたは人の話を聴いていない

一頭のカバが川を渡っているときに自分の片方の目をなくした。

カバは必死になって目を探した。前を見たり、後ろを見たり。右側を見たり、左側を見たり、体の下をみたりしたが、目は見つからない。

川岸にいる鳥や動物たちは「少し休んだほうがいい」と助言した。

しかし、永遠に目を失ってしまうのではないかと恐れたカバは。休むことなく、一心不乱に目を探し続けた。

それでも、やはり見つからず、とうとうカバは疲れはてて、その場に座りこんでしまった

カバが動きまわるのをやめると、川は静寂をとり戻した。すると、カバがかき回して濁らせていた水は、泥が沈み、底まで透きとおって見えるようになった。

こうして、カバはなくしてしまった自分の目を見つけることができた。

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カバ、全く助言聞いてませんね。

これ、立ち止まることの大切さを説いてるのですが、私には「いや周りの意見聞けよ」という話に聞こえています。

何でカバは鳥や動物の声を聞かなかったのでしょう?

必死になっているから聞こえてこなかった、とまぁ普通に考えればそうですけどね。

仮に、鳥や動物側にも責任があるとすると何が考えられるでしょう?

・カバが鳥や動物の話を聞くに値しないものとしていた
・鳥や動物の声が小さかった
・普段からカバは話を聞く耳を持っていない
・鳥や動物はいつも煩くアドバイスばかりしている

まぁ多分ですね。鳥や動物は、普段からカバの話を聞いていないのですよ。

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カバに色々助言をしたり、様々な話をするけど、カバの話を聞いていない。

だから、カバが本当に困って焦った時には、鳥や動物の話など耳に入ってこない。だって、本当の自分の想いや考えを周りはわかっていない、と思ってしまっているから。

あなたは、他人が困っていること、心の中にある想い、本当にわかっていますか?
あなた自身が悩んでいること、深いところの本音は、誰にもわからないだろう、と思っていませんか?

さてこのnoteはこんな方に読んでもらいたくて書いています。

✔︎ 大人になっても、「やりたいこと」を探していて、好きなことをして生きている人を見ると羨ましくなってしまう方
✔︎ 世の中には社交的な人や意識高い人が多くて、自分はあんな風にはできないな・・・と思っている内向気質な方
✔︎ 人生の転機を迎えていて、大事な決断をする前にコーチングを受けてみたいけど、よく分からないから今のところ距離を置いている方

私自身については、まずは以下の赤裸々な記事をお読みください。

今日は、「聞く」ということについて書いてみます。

聞く技術については、Googleで調べたら嫌というほど出てきますし、多くの本で傾聴の大切さが紹介されています。だからもう食傷気味ですよね。

例えば、以下のような感じでしょうか。

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・相手の話を聴く姿勢を示す
・相手の気持ちを汲み取る
・鏡のように相手と同じ動きをする
・相手の話を繰り返す
・話の内容を適宜まとめる
・相手に話の続きを促す
・相手がどうしたいのかを探る
・相手が取り乱した時などは沈黙する

傾聴については深く学びたい方は、この本がベストです。
私は初読で衝撃を受けてから、10年以上読み続けて本がボロボロです。

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ここでいう「聞く」とは、ただ耳を傾けるだけではない。「聞く」には理解が必要であり、「話す」より膨大な努力を要すると著者は語る。実際のカウンセリングでの会話を掲載し、読者に対し「さて、あなたならどう答えますか?」と尋ね、読み進めながら読者自身が自分の反応や態度を考え、それをより良い「聞く」態度に修正するという方法で、対人関係における自己鍛錬の場を提供している。

というわけで、今日は私が気を付けている1点だけをお伝えします。

10年以上、聞く技術を学び実践し続けている私は、様々なスキルをあらゆる場面で複合的に用いています。

その上で、誰かとお話しする時に「必ず意識」していることは、まさにこれからお伝えする1点のみです。逆に言えば、その1点以外は事前設定しないで面談に臨みます。

それは、、、、、





「私と話すことは安心・安全である」と私が確信することです。

なんだよそれ(笑)と思ったあなた、素晴らしい。

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では、説明しましょう。

私と話すことは安心・安全である、と私が確信していない限り、相手の無意識は、私と話すことが安心・安全である、と思わないのです。

悩んでいる方はもちろんのこと、雑談レベルで話しかけてくる人、仕事におけるディスカッションにおいても、話をする人は皆、場の安全を無意識的に求めています。

話をするということは、どのような内容であれ、自分の頭の中を他人に開示することですから、多かれ少なかれ、「受け入れてもらえないかもしれない」という恐怖との戦いです。

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先祖代より我々はコミュニティの中で生きています。
コミュニティから外れたら、敵に襲われて待っているのは「死」。
コミュニティに受け入れてもらえないことは、本能的に危険だとシグナルを発する機能が脳に備わっています。

「話をして受け入れてもらえない=死の危険」なのです。
大変ですね、無意識は。

ですから、話を聞く私がすることは、何よりまず安全性の確保なのです。

「この場は守秘義務が守られています」
「どんな変なことを言っても構いません」
こうした言葉を投げかけるのは、相手の安心感を高める大切なことですが、私が意識しているのは、もう少し前段階のところ。

前述の通り、私は人と話す時はいつでも
「自分は絶対に安心・安全な聴き手である」
と心から信じています。

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人間の無意識は、顕在意識より何万倍も敏感&高機能とは前回お伝えした通りです。

この無意識のスーパー能力により、こちらが頭の中で思っていること。
例えば相手の容姿について、話し方について、立場について、等々。

これらは、相手の無意識レベルでは全て伝わっています。

それを相手が「意識化」できていないだけなのです。

つまりこちらの悪意は相手に言わずとも伝わっているのです。
しかし相手の意識上では気づかないため、相手にその悪意はバレません。

それでも相手の無意識は、その悪意に危険を感じるので、「安全な場では無い」、と瞬時に察知し、心が閉じられてしまいます。

皆さん、思い浮かべてみてください。

話していて何故かわからないけど不快になったり、話したくないなと違和感を感じることはありませんか?その人が会議にいるだけで、場が重たくなったり。

これは、皆さんの無意識が、その方々の頭に浮かんでいる意識を無意識で察知している現れです。

逆に言うと、相手の頭の中にある考え方も、トレーニングを積めば、こちらの無意識がキャッチしてたものを意識化に上げることができるようになります。つまり相手の心を、自分の身体反応から読み取ることができるようになるのです。
まるでメンタリストですね。

じゃーそんな自己確信するためにどうすりゃ良いのよ、と思ったあなたへ。
すごく簡単な方法をお教えして、今回の記事を終えます。

人と会う前に、どうすれば
「自分は絶対に安心・安全な聴き手である」
と確信できるか。

それは、、、、、




「相手と手と手を取り合った上で、見つめ合いながら親密に話している自分と相手を鮮明にイメージする」です。

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見えているもの、聞こえているもの、体の感覚を、全て感じていきます。

前に話しましたが、無意識は、現実とイメージを区別できません。

あなたがイメージを鮮明に浮かべるほど、あなたの無意識は、自分は安心安全だと現実的に確信していきます。

だってそんな話し方ができる相手、安心安全じゃないと無理ですよね?
鮮明なイメージにより、まず自分自身の無意識を騙してしまおうというわけです。

簡単ですよね?騙されたと思って試してみませんか?
きっと驚くほど、相手とのラポールが築きやすくなるでしょう。

それでは、またお会いしましょう。
お読み頂き、感謝申し上げます。

2021年11月14日
森けいすけ

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