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【あすか会議2022レポート】ネクストユニコーン起業家たちの挑戦~日本からユニコーン100社を輩出するためには~

※本記事は、あすか会議2022の現地の書き起こしレポート記事です。できるだけ誤りのないように心がけておりますが、現地で書き起こしをしているため、認識間違い/誤りがある可能性がございます。その場合は、コメント欄でご指摘ください。すぐさま訂正をさせていただきます。

パンデミックを乗り越えた後の世界では、テクノロジー、社会、市場など、さまざまな面で非連続な変化が起き続ける成長の時代になると予想される。そうした中、DX化の余地の大きいチャンスが眠る日本のマーケットでアンビシャスにチャレンジする起業家たちが現れ始めている。DXで既存業界を再構築し、新たな価値を生み出すスタートアップの旗手たち。彼らの挑戦の軌跡を紐解き、日本からユニコーン100者を輩出するための方法論を議論する。

稲田 武夫氏
加藤 勇志郎氏
菊池 亮氏

■なにをやっているか?なぜやっているか?どこに目指しているか?

稲田 武夫氏
弊社は建築に特化したアプリをやっている。日本の建築業界は規模が大きいにも関わらず、生産性を上げることが重要だと考えている。

加藤 勇志郎氏
弊社がやっていることは二つ。ものづくりとデータだ。ものづくりは発注から納品まで請け負っている。データについては、図面の解析のプラットフォームをやっている。ものづくり業界では、付加価値が低いが人がやらないといけないものがある。せっかくやるのであれば、一番大きく、課題が大きい業界でチャレンジしたいと思う。

菊池 亮氏
医療は課題がたくさんある。医療崩壊でコロナでそこが露呈したと思う。ここの課題解決をしたいと思った。

■なにがきっかけでこの業界で企業をしようと思ったのか?

稲田 武夫氏
会社員時代にも3年、新規事業をやった。そうしたなかで、だれもやっていなかった建築業界にチャレンジをした。建設業界は未経験だが、前職で「未経験の業界にアプローチすることはチャンスがある」と教わった。その後、建設業界に向けた事業を創業し、少しづつ仕事をもらっていった。

菊池 亮氏
実際に救急医療で働いているときに、本当に救急なひとは実は少なかった。そうした中でスタッフが疲弊していった。ある時緊急で髄膜炎の患者が来た中で、多くの病院で断られた。こうした経験から、医療現場を変えていけると思って、チャレンジしてみた。自分が事業化できたのは、色々と調べるとこういうソリューションはいけるのでは?と感じた。

加藤 勇志郎氏
大きな産業で大きな課題を解決するためには、どういう経験を積めば良いかを考えたときに、マッキンゼーに行った。入社のときに3年で辞めると言っていたので、周りがそういう目で見てくれた。期間を決めてやるということが重要だと思う。

ものづくり業界に対してはコスト削減提案をやっていたが、結局は下請けに対するアプローチしかない。そうしたことを間近でみていたので、肌感で課題を掴んでいた。

1年前から準備をし、当時の顧客にアイデアをぶつけていた。起業して最初の客は、マッキンゼーの最後の客だった。

■いままで受けた最大の試練を教えてください。

菊池 亮氏
一度厚労省の監査が入ったときに、一時間ほどファストドクターとはなにか?と色々と聞かれたことがあった。このときが廃業しそうになった。医療業界は新しいことは叩かれやすい業界。

なので、色々なところに丁寧に、ひたすらに説明していった。実績も大事だが、業界から賛同をいただけるようなアクション・説得も必要だと思う。

加藤 勇志郎氏
一番きつかったのは、受注量が6倍に増えてしまったとき。製造業はスケールがしにくい業界。そのときに大量が品質不良がでてしまった。その結果、不良のループに陥ってしまった。お客さんが怒り、クレームも多く、非常に疲弊した。ゆえに、ここ1年でオペレーションの堅牢さを強化した。その結果、良品ランキングで1位になった。それでもやり抜けたのは、気合ですね笑 

クレームの渦中にいる時には、お客様やパートナー工場に出向いて「がんばろうと」モチベートをしていった。

稲田 武夫氏
人間は悔しかったことはよく覚えている。このサービスの発表会をしたときに、自社のサービスを説明し、スマホ持っている人と聞いたときに、2割しかいなかった。

いいものをつくっても、使ってもらえないというのが悔しい。マーケットから受け入れられていない感覚。一方で応援してくれたユーザーさんもいった。「待ってたんだよ!」そういう人に支えられている。

テクノロジーは大事だが、スピードは早く、コモディティしやすい。なので、中長期的な自信が常にある、ということは大事だと思う。現在は受け入れられる土壌ができた。

■もう一度日本からイノベーション企業を出すためにはどうすればよいか?

加藤 勇志郎氏
やっていて思うのは、結論はグローバルでやったほうがいい。ヘッドクオーターを海外に移したほうがいいのでは?と思ったほどだ。

例えば、日本の現場の工場に非常に売上10倍のオファーをおくっても難色を示される。一方でベトナムの工場に同じオファーを持っていったときに、非常に硬い握手をしてくれる。ベトナムは成長速度が早い。

やはり、どんな環境に身を置くか?が大事。ビジネス自体も成長しているマーケットに身を置くことが大事だと思う。なので、成長している国にいくというのが大事だと思う。

稲田 武夫氏
グローバルな戦いがあるのに、国内のみで戦っているのは不健全である。なので、もっと外をみるのが大事だと思う。できるだけ遠くをみる、ということが大事だと思う。

菊池 亮氏
日本人の不確実性を避けるマインドは変えていかないといけない。実際にヘルスケア業界は、不確実性だらけだ。

もう一つはグローバル目線である。なので、ここにいる方が、マインドを持って実績をつくって変えていくというのが大事だと思う。

■ここにいる場にいる人が何をするといいのか?

加藤 勇志郎氏
会社選びをする、もしくは、起業家するとき、グローバルを前提にやっている会社か?成長している会社か?という点をみるべき。

そうじゃない会社でやりきるのは難しいと思う。そういうものがかけている会社が環境を変えるべきだと思う。

■(質問)起業したいが、起業の種がない場合はどうすればよいか?

稲田 武夫
決めるしかない。とにかくチームをつくってサービスをリリースする。できるだけ大きな市場やポテンシャルがあるか?を考える。悩む前に行動する。

■(質問)エンジニアでないリーダーがエンジニアを率いる難しさは?

菊池 亮氏
パートナーを見つけること。そういう人をいかにみつけられるか?意識して自分の時間を取れるか?が重要である。

■(質問)公私のバランスをどう取るか?

菊池 亮氏
残念ながら、ない笑 が、良いパートナー(妻)をみつけて、業務に集中するということが大事だと思う。

加藤 勇志郎氏
たとえば自分は面接は仕事だと思っていない。起業家は仕事と仕事と思って起業している人はいない。また妻と従業員と合わせて、妻を巻き込むというのはある。

稲田 武夫氏
とはいえ、従業員からの見え方もある。ちなみに自分は日曜日には仕事をしない、ということを大事にしている。

■(質問)企業を決断できた理由は?

稲田 武夫氏
確かに怖いといえば怖いが、なにかヘッジがあればいいと思う。極論3年間生きられる貯蓄があればいいと思う。また妻に働いてもらうというのもある。

■(質問)外部資本を入れるタイミングは?

加藤 勇志郎氏
普通に考えて、1年以内で入れないといけない。絶対に足りなくなるので、必要なタイミングで入れればと思う。

■(質問)先生のMBAホルダーが増えているが、なにが起こっているのか?

菊池 亮氏
競争環境が厳しくなったのが大きい。適切に経営をしないといけない。若手のMBAホルダーが増えてくるといい。

■(質問)DXをあえてしない部分はあるか?

加藤 勇志郎氏
日本の職人の暗黙知や形式知はあえてやらなくていい。

■(質問)競合はどう考えているか?

稲田 武夫氏
自分で自分(アンドパッド)をどう倒すか?という議論をしている。そうする事で競合の気持ちになれる。

―皆さん、ぜひチャレンジしましょう!ありがとうございました。

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