稲木圭祐 | エンタメ×ビジネスで語りたい!

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稲木圭祐 | エンタメ×ビジネスで語りたい!

出版社でライツビジネスに従事しています。MBA経営学修士/コンテンツ×テック/メディア/コミュニケーション/さとなおラボ9期・4th/グロービスMBA2023卒(発言は個人の見解)/うどん県

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『ちいかわ』現象:『ちいかわ』ヒットの要因とSNS発コンテンツの未来とは?

「ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)」は、「日本キャラクター大賞2022」でのグランプリ獲得を皮切りに、今、最も注目度の高いキャラクターIP(知的財産)である。 今回は、『ちいかわ』のヒット要因について、マーケティング的なエッセンスで考察してみたいと思う。 そもそも『ちいかわ』とは? 『ちいかわ』は、SNSで活躍するクリエーター:ナガノ氏が2020年にTwitterで展開し始めた漫画作品である。 現在ではキャラクターライセンスを専門に取り扱う株式会社スパイラルキュ

    • いつしかミスチルから離れた40代に贈る、ミスチル再会のススメ『miss you』

      あるアンケートを見たことがある。 男性の20代、30代、40代に「今なりたいもの」を尋ねたものだ。 そこにはこうあった。 20代……課長 30代……部長 40代……「鳥」 正直、笑ってしまった。 そして同時に深く共感している自分がいた。 11月の初めに誕生日を迎え、40代になってまた一つ年を重ねた。40代になると、20代、30代とは異なる感情が湧き上がってくる。 仕事の責任はどんどん増して、上司と部下の間で揺れ動く板挟みの日々。 子どもは少しずつ大きくなって、だんだ

      • 努力と根性の漫画家・佐野菜見さんが遺したもの—原画展で触れた彼女の強さ

        漫画家の佐野菜見さんが亡くなったのは、2023年8月5日のことだった。36歳という若さでの訃報だった。 そんな彼女の原画展が池袋で開催されていると聞き、早速足を運んでみた。 ボクが佐野菜見さんを知ったきっかけは、『坂本ですが?』という作品だ。高校生活を舞台に、謎多き主人公・坂本くんとその仲間たちを描いたギャグ漫画である。 日常を舞台に展開されるシュールなギャグは、すべてボクのツボを突き、(本当に僭越ながら……)「ボクと全く同じ感性を持った人が他にもいるのか」と大変な衝撃

        • 若き日の坂本龍一と矢野顕子を観る-『きみの色』

          本日、山田尚子監督の「きみの色」を映画館で堪能。 この作品はまさに「アニメ」というより「アニメーション」。『ルックバック』に続く、手書きアニメの最高峰の一つになる可能性を感じました。 また、本作品の素晴らしさはやはり音楽。 作中では、ニューウェーブ音楽とともに、ボクは若き日の坂本龍一さんと矢野顕子さんを観ました。 「ぼっち・ざ・ロック!」や「ガールズバンドクライ」とは一味異なる新たな音楽体験。 この体験はやはり映画館でしか堪能できないものだと思います。 ぜひ映画館

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          ごきげんを保つために。例えば「嫉妬心」とどう向き合うか-「ごきげんになる技術」(佐久間 宣行)

          社会人になってもう20年も経とうとしている。 この年になると、仕事で成功するために大切なことが、ぼんやりと見えてきます。 論理的に考える能力?それも大事。 それらを実行する力?うん、それも大事。 企画力とセンス?それ、超大事。 でも、こうしたスキル・能力のベースにあり、レバレッジを効かせてくれる能力といえば、「感情が常に安定している」こと。 つまり、「ごきげん」でいることです。 今回は「ごきげんになる技術-キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方」(佐

          ごきげんを保つために。例えば「嫉妬心」とどう向き合うか-「ごきげんになる技術」(佐久間 宣行)

          日本アニメのアメリカ市場・攻略法とは?-JETRO「アニメ米国レポート」より

          先日、JETROから「アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート」というレポートが発表されました。 御存知の通り、近年アメリカではアニメ・マンガニーズが爆上がり中。 この流れを最大化するため、日本のコンテンツホルダーが意識すべき「お作法」や「商習慣」について丁寧なインタビューを元にレポートしています。 で、読んでみると、コンテンツホルダーにとって参考になりそうなヒントが沢山散りばめられているぞ!ということで、今回は本レポートをボクなりにまとめてみました。 「時間

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          この濃密な時間が、たまらなく好きなのだ―『響け!ユーフォニアム3』最終話

          ボクは吹奏楽部で、中学、高校、大学、合わせて10年過ごした。 思い起こせば、この10年間は理不尽なことが多かった。 中学ではなんとなく吹奏楽に入った。全然練習もせず、1年、2年とブラブラと続けた。確か1年生はなんとか金賞、2年はなんとなく銀賞。 そんなだから2年の途中で退部しようと思った。 「ボク、吹奏楽やめようとおもうけん。ソフトボール部にはいるわ」 仕事中の母に電話越しにそのことを伝えた。当時ボクの中学では部活は必須。そんな中ソフトボール部は適当な生徒のたまり場

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          NHKスペシャル『Last Days 坂本龍一 最期の日々』がすごかった話

          NHKスペシャル『Last Days 坂本龍一 最期の日々』を視聴しました。 少々不謹慎なのですが、ボクは人の最期に関わる言葉、話、映像、文章、作品にはできるだけ目を通すようにしています。 その理由は様々ですが、そうした人々の姿や残すメッセージにはボクたちに訴えかける強い力があると感じるからです。率直に言うと(これもまた大変不謹慎なのですが……)、人生を生き抜くための強いエネルギーを頂くためです。 そしてこのドキュメンタリーは、そうした作品の中でも群を抜いた番組でした。

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          新卒の時に知っておきたかった!「運」爆上がりの佐久間流“ずるい”仕事術

          春ですね。 この時期、新社会人になった方や、転職や異動で新しくスタートを切る方も多いことでしょう。そんな皆さんに是非チェックしていただきたいのが、「佐久間宣行のずるい仕事術」。 新人・ベテラン関係なく、仕事で成果を出すための気づきが散りばめられた一冊です! ぶっちゃけいうと、仕事で成果を出せるかどうかは、ほぼ運 これは特に若い人たちに強く言いたいのですが、仕事で成果を出せるかどうかはぶっちゃけ「ほぼ運」です。 たまたまアサインされた仕事が良い仕事につながった。 たまた

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          話題の博報堂「オシノミクス レポート」をまとめてみた

          昨今、目にする「推し活」という言葉を聞いて、 「推す」と「好き」ってなにが違うん? ーそんな疑問を持っている人(特に男性)は多いんじゃないでしょうか? 他にも 「推し活をビジネスに活かしたいけど、なにがポイント?」 と悩んでいる人も少なくないと思います。 そんなビジネスパーソンにもってこいの資料が、博報堂DYグループ・株式会社 SIGNINGが2024年2月29日に発表した「オシノミクス レポート」です。 ▼レポートはこちら https://signing.co

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          音楽ヒットの秘訣=SNSバズ&アニメタイアップ必須は本当か?-『ビルボードジャパンの挑戦 ヒットチャート解体新書 』

          SNSでバズったらヒットする 世界でヒットするためには「アニメタイアップ」になることが必須 最近の音楽トレンドを見ると、多くの人々が(ボクも含めて)SNSでの話題性やアニメとのタイアップがヒットの重要な要素だと感じていると思います。 しかし、本書に言わせると「半分は正しく、半分は間違っている」となるでしょう。 本書ではアーティストが長く愛されるためには「ファンダム(能動的なコアファン)に対するアプローチ」がキモであると主張しています。 今回は、『ビルボードジャパンの

          音楽ヒットの秘訣=SNSバズ&アニメタイアップ必須は本当か?-『ビルボードジャパンの挑戦 ヒットチャート解体新書 』

          『日プ女子』の魅力はどこから?アイドルをビジネス視点で徹底解剖!

          『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(以下、『日プ女子』)を、約2ヶ月遅れで観ました。 恥ずかしながら……ボクはこれまでアンテナ低く生きてきたせいか全然「アイドル」を通ってきておらず。ところが最近、ある大学生から「PRODUCE 101」がおもしろいと猛プッシュを受けました。 「それじゃったら」と、『日プ女子』をチェックしてみたところ、どハマリ。リアルタイムから遅れること、2ヶ月。配信している「Lemino」で全約60話を一気に観てしまいました。

          『日プ女子』の魅力はどこから?アイドルをビジネス視点で徹底解剖!

          推しエンタメの最前線を読み解く:『日経エンタテインメント!』3月号から学んでみた

          『日経エンタテインメント!』3月号を読みました。 今月号のテーマは、「1冊丸ごと“推し”エンタメ大研究!」。その中で調査されていたのが、推されている人や作品を性別×世代でマッピングした図(下記)。 これが結構おもしろいと思ったので、ご紹介しつつ考察してみようと思います。 エンタメビジネスでは、「だれに、何をみせるか?」はめちゃくちゃ重要 マーケティングを学ぶ際に必ず通るのは「ターゲットは誰か?」です。このターゲットの選定は、エンタメビジネスではめちゃくちゃ重要です。

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          『ゴールデンカムイ』実写化成功の秘密:SNS時代のエンタメ戦略

          「ゴールデンカムイ」を観てきました。 公開3日間で観客動員数35万人、興行収入5億円を突破するなど、滑り出しは順調。ファンの間でも評価が高く、原作の世界観を忠実に再現したすばらしい作品となっています。 今回は本作について深く掘り下げてみたいと思います。 本作はWOWOWにとって絶対に失敗できないプロジェクト まず、本作の主幹事は意外なことに衛星放送局のWOWOWです。そもそもなぜ同社が『ゴールデンカムイ』の劇場版実写化に踏み切ったのでしょうか? まず彼らの状況と打ち手

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          もし宮崎駿が再びアカデミー賞を獲得したら?ーアニメ産業への波及効果とその課題

          少し時間が経ってしまいましたが、『君たちはどう生きるか?』が第81回ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞を受賞しました。 ご存知の通り、ゴールデングローブ賞はアカデミー賞の前哨戦とされており、この受賞で2度目のオスカー受賞への期待が高まっています。 『Rotten Tomatoes』のレビューからみる4つの評価ポイントそもそも、日本だと評価が真っ二つに別れた本作。ところが、海外での評価は非常に多くのポジティブな声が上がっています。 米国の映画評論サイト、

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          2023年の振り返りと、24年に向けて

          少し遅くなりましたが、新年が始まりました。 お正月から様々な災害や事故などが立て続けに発生し、心が休まる間もない日々を過ごしている方も多いかと思います。 また地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。 一刻も早く平和な日常が戻ってくることを心より願っております。 さて、23年の振り返りと24年に向けた抱負について、少しながら述べさせて頂きます。 仕事(本業)22年10月に社内FA制度を利用して、長年携わったメディア部門からコンテンツ部門へのキャリ