Book116『ソクラテスの弁明』プラトン

多くの人が名前は知っているが、あまりしっかりと思想に触れたことがない偉人、ソクラテス。

若者を堕落させたとして、裁判にかけられそこで自己弁護する演説が記されている。哲学を丁寧に勉強していない私に哲学者としての彼の功績や価値を語ることは難しいが、考えさせられる点は多かった。

まず、自分を滅ぼすものがあるとすると、告発者メレトスではなく、『多衆の誹謗と猜疑』でありそのような滅ぼされ方は自分がけして最後ではないと語っていた点。現代のネット社会における炎上の最大の敵は、告発者(例えば週刊誌など)自身ではなく、それを読んで火を広げる多衆たちそのものである。それが本当なのか、という検証よりそのニュースが燃え上がっていることそのものがニュースになってしまっている現状は2000年前より悪化してしまっているかもしれない。

しかしもう去るべき時がきた、わたしは死ぬために。諸君は生きながられるために。
という言葉から最後の文章は始まる。
ソクラテスがもし現代にいたら、どんな質問をしていくのだろうか。


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