Book100『GIVE & TAKE』アダム・グラント
人間関係については、西洋・東洋問わず原則は大きく変わらないらしい。本書では、利他的精神の重要性、そして先に『与えるもの』であるギバーの精神が、いかに最終的な成果や成功に結びつくのかを様々なデータで実証されている。
同じ利他精神を扱う本としては、『思いがけず利他』の方がより情緒的で味わいがある解説だが、さすがプログラマティズムの国アメリカ。人間の類型をギバー・マッチャー・テイカーの3つに分けたうえで、ただ利用されないギバーになるには何に気をつけるべきか、などより実践的な内容だった。
ただ、真理は同じでギバーであっても即時的なメリットをすぐに得られるわけではないことも指摘されており、いつ・だれかから良いご縁がもたらされるかはわからない。そして、利他についてのその不確かさこそが、利他精神をただの実利的な行動にしない重要な要素だと考える。
いずれにせよ、仕事において自分が他者や組織にどれぐらいギブできているか、は忘れずに自問自答し続けたい。
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