【30代向け】転職の難易度
今回は30代の転職の難易度について書いてみたいと思います。
今後は40代、50代向けにも書いていく想定です。
■20代と比較して
20代にはポテンシャル採用という枠があります。
過去の職歴とは関係なく、その人のポテンシャルに応じて採用を行うというものです。
新卒採用に近い考え方になります。
しかしながら、30歳前後を中心として「キャリア採用」に切り替わっていきます。
このキャリア採用に切り替わるタイミングで、転職の難易度が一気に変わります。
上記について大きく2つの観点でまとめてみます。
■採用の枠がなくなる
ポテンシャル採用とは、あくまで「人柄」等といった面接で話をした感触を基にして転職の可否を決めていきます。
つまり「ポテンシャルがありそうな人」という非常に抽象的な採用ターゲットを作って、面接を行っていきます。
言い換えると、具体的な職歴がマッチしていなくとも「少しでも可能性がありそう」ということであれば面接に進むことができます。
面接に進まないことには内定は出ないため、その最初の一歩の窓口が非常に広いということです。
一方、キャリア採用になると「過去の職歴」が重要になってきます。
例えば、広告業界の人で営業を経験している人が欲しい。といった形になります。
それであれば、広告業界で営業を経験していない人に対しては窓口は空いていませんし、面接に進める可能性は経験の有無が課題になります。
また、ポジションによっては、WEB広告の経験、特にxxx領域で、マネジメント経験があって、といった更に細かい要件が出てくることがあります。
加えて、30代後半になってくると、主要ポジションの求人に応募することもあると思います。
そうなると、いきなり責任者に就任することもあり、業界知識、業務スキルに加えて、戦略設計等の経営層としてのスキルまで求められることになります。
例として、大手企業で30代後半、年収1200万円のような方がベンチャー企業にチャレンジしようとすると上記のような枠に当てはまる可能性が高くなってきます。
上記をまとめると、責任者ポジション(つまり1名枠の募集)で、求められる業務スキルがピンポイントで、年収もマッチする、等といった形で、応募できる方も限られますし、その方たちで1名枠を取り合うといった形になります。
単純に「応募できない」「書類が通りにくい」「採用枠がない」という状況になり、転職の難易度が一気に上がります。
②家庭がある
30代に入ってくると、ライフイベントを経て家族と一緒に過ごす方も増えてきます。
そうなると「自分の人生」×「家族の人生」となり、自己完結でキャリアを形成することが難しくなります。
自分自身がチャレンジしたくとも「家族の反対でNG」といった話はよくあることです。
ご本人が「家族は自分で説明して納得してもらう」ということで選考を進めても「やっぱり家族からNGが出ました」ということも感覚値で70%くらいあります。かなり高確率です。
このような状況で転職OKが出やすいのは「大手企業であること」「年収が上がること」の2つの条件を満たした場合、家族NGの確率は感覚値で10%以下まで下がります。
つまり、自分自身がやりたいことより、家族のことを考えた転職の重要度が格段に上がってきます。
ベンチャー企業でチャレンジしたかったけど、家族の反対を踏まえて大手に行きます。(or現職の残ります)
という形で夢を実現できなくなってきます。
■総括
採用枠も減るし、自分だけで生きている訳ではない。
そうなってくると、転職をしようと思ってもなかなか出来ない現実が現れます。
転職はできても自己実現は更に難しくなります。
キャリアを実現するために必要なことは下記です。
①
自分自身のキャリアと早い段階で向き合うこと。
38歳になって、はじめてキャリアと向き合いました。という方と、20代からキャリアと向き合ってきました。という方では10年分のキャリアに対する差があります。
前者は転職をすること自体が非常に困難になってくるため、早い段階で「仕事における理想像」を描き「実行していく」ことをやる必要があります。
仮に、30代後半になってはじめてキャリアについて考えた方は「手遅れに近づいている」ことを理解してください。
他の方の10倍はキャリアについて考え、一気に巻き返すことが必要になります。場合によっては年収を下げる等のリスクを一定背負うことが必要になる可能性も出てきますが、それが10年分の差です。
とはいえ、40代に入ってから考えるよりは相当にマシなので、キャリアを考えるのであれば一日も早く。という形になります。
②
家族と将来について話し合う機会を定期的に持つことが必要です。
お互いの生き方について納得している家族の場合、年収よりもライフスタイルを重視している率が高いです。
つまり、互いの夢のために転職を許容する可能性が高いと感じています。
ある日突然「転職しようと思う」と相談をすると相手も「驚き」を感じてしまうのは仕方がないことです。
当然、知らない会社、規模の小さい会社、年収が下がる、等というネガティブな情報があると反対したくなることも理解できます。
キャリア感、将来の夢、思っていること等、常に家族と話をしていくことが大切です。
そうすることで「驚き」は少なくとも減少しますし、自分のキャリアの応援団になってくれる可能性があります。
一日も早く、定期的に、家族とライフプラン、キャリアプランについてしっかりと話し合い、向き合っていく機会を作るところからスタートすることをオススメします。
30代は様々なライフイベントが重なる時期です。
転職をするにしても多くのハードルが出てきます。
少しでもそのハードルを下げ、充実した人生を過ごすためにも、一日も早くキャリアと向き合うこと、家族と一緒に考えること、をオススメします。
外部からのアドバイスが必要であれば、弊社のような人材紹介会社を使ってみることも考えてみてください。
親身に相談にのってくれる人材紹介会社であれば、適切なアドバイスをしてくれると思います。
間違えても「人身売買」をやっているような「転職させること前提」の人材紹介会社に相談しないようにお気を付けください。笑