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よく使う分析フレームワークのまとめ

みなさんこんにちは。加賀(@keisuke_kaga)です。
今回は、よく使う3つの分析フレームワークをそれぞれ簡単に解説していきます。図解をつけて簡潔にまとめてみました。

分析のゴールを決める

まず、分析を始めるにあたってゴールを決めておくことが大切です。分析を始めてしまうと調べることが目的になったり、情報を網羅してスッキリしてしまい「結論が出ない」「結局なにを導き出すかわからなくなった」など迷子になることがあります。

ゴールを予め決めておくことで目的に沿った分析ができるようになります。たとえば以下のような目的を決めから取り組むのが良いでしょう。

・点在する課題を整理するため
・事業の方向性を定めるため
・現状の課題を把握するため

整理なのか、把握なのか、そして何を決めるのかなど、目的設定をしておくことで分析の方向性も決まってきます。
それでは早速分析内容に入ります。

PEST分析

PEST分析は、マクロ環境の分析を行うフレームワークです。
マクロ環境の変化は事業に大きな影響与えるため、マーケティング戦略の策定においても分析した内容を踏まえる必要があります。

PEST分析の分析内容

PEST分析は大きく以下の要素から成り立ちます。

P:Politics(政治的要因)
E:Economy(経済的要因)
S:Society(社会的要因)
T:Technology(技術的要因)

主にこれらの要因のうち事業に影響を与えそうなものを洗い出します。「今起きていること」あるいは「予定、予測されていること」を把握し、中長期的に起こり得る事業への影響を予測します。とくに人口動態など統計学によって導き出された予測は数年先であれば概ね予測通りになるため、数年後の影響を予測しやすいです。

たとえば・・・

いまから20年以上前から格差社会(経済的要因)は予測されていました。2003年頃には「勝ち組、負け組」という言葉が流行りだし層の分断が示唆されていました。時を同じくして健康志向(社会的要因)も徐々に高まり、今後ますます健康への意識が高まると予測されていました。

そして約10年後の2012年に高額(富裕層向け)なパーソナルジムが登場し、健康・美のムーブメントと共に拡大をしました。※歴史を振り返ると必然だったようにも思えます、、

このようにあらゆる外部要因から、未来の予測をし事業にとって追い風になる要因、反対に脅威になる要因を見つけ出すためのフレームワークです。

ポイントⅠ 事実と解釈を分ける

気をつけたいのは「事実と解釈」をしっかり分けるということです。統計データなどの資料を見ていると数値が並び結論は特に書いてないことがあります。数字の読み取りは人によって解釈が異なるので、まずは「事実」に着目して、補足的に自分なりの解釈を書くのが良いです。

ポイントⅡ 短期計画より中長期計画

PEST分析だけであれば短期計画にむいてない可能性があります。今の外部環境はすぐすぐには変わらず数年かけて変化します。そのため「今」の外部状況から将来どのような変化が予測されるかを導き出す方が良いでしょう。

もちろん突発的な外部要因に伴って"急に変わる"ということもあり得ますが、それはPEST分析では予測できなので、そうなったら別のフレームワークを使いましょう。

3C分析

3C分析は、自社が勝つためのカギであるKSF(重要成功要因)を導き出すフレームワークです。市場や顧客、競合など外部環境を分析し、最後に自社のリソースや強みを知ることで成功要因を導き出します。

3C分析の分析内容

3C分析は以下の要素を分析し最終的なKSFを導きます。

Customer:市場や顧客(市場規模や成長性、顧客のニーズ…etc)
Competitor:競合(競合の戦略や参入障壁…etc)
Company:自社環境(自社の強みや弱み、リソース…etc)

上記の要素をそれぞれ深掘りして分析していきます。企業内でも人によって深掘り方が違うと方向性が変わってしまうので、予めどんな深掘りをするか社内ですり合わせることをオススメします。掘り下げていく内容を簡単に記載します。

Customer|市場や顧客
・市場規模はどのくらいあるのか?今後の予測は?
・市場への新規参入障壁は高いか?
・市場の価格競争は激しいか?
・顧客の購買プロセスを分解するとどうなる?

Competitor|競合
・競合企業の資本金や規模は?
・競合企業の戦略は?
・競合企業の商品やサービスの特徴は?
・競合企業の商品はどのくらいのシェア率?
・競合企業の商品やサービスの売上単価、顧客単価は?
・競合企業はどのようなPRをしている?
・競合企業の新規参入障壁は?

Company|自社環境
・自社の企業理念・ビジョンは?
・自社の商品・サービスの売上、シェア、戦略は?
・自社の既存事業の特徴、強み、弱みは?
・自社のヒト・モノ・カネのリソースは?
・自社はどのようにPRしている?

ポイントⅠ 市場の分析から入る

3C分析を行うときは市場→競合→自社の順に分析していきます。なぜならば市場が決まらないと競合も決まらない、競合が決まらなければ自社との比較もできないからです。
競合他社を上回り顧客のニーズを満たすため戦略を取るためには市場を正確に捉えることが重要です。

※調査をする際は、あらゆる情報サイトや機関を探すと思いますが、市場調査をする際に使うサイトをまとめたのでこちらを使ってください。

ポイントⅡ なるべくシンプルに考える

3C分析の良さは「シンプルなフレームワーク」という点です。なので最初はなるべく複雑にせずにすることが重要です。3つのCを分析する際に、他のフレームワークと掛け合わせることが推奨される場合があります。

たとえばCustomer(市場・顧客)を分析する時は「PEST分析」「5フォース分析」、Company(自社)を分析する時は「VRIO分析」など。をかけあわせてることで深めることができますが、情報が広がりすぎるかつ迷子になってしまい分析が目的になってしまう可能性があるので、なるべく最初は掛け合わせずにシンプルに情報を洗い出しましょう。

STP分析

STP分析は、市場を細分化して、どの市場を狙うか、どの立ち位置で市場を取りに行くかという戦略を決めるフレームワークです。市場全体を見渡して、競合との位置関係まで把握することで、自社を客観的に見ることができます。

STP分析の分析内容

STP分析は以下の要素を分析し、マーケティング戦略へ落とし込みます。

Segmentation(セグメンテーション)
Targeting(ターゲティング)
Positioning(ポジショニング)

上記の要素を洗い出すことは、STP分析以外のシーンでも非常に重要です。市場や競合は常に動いており、自社で認識しているポジショニングがずれてしまっていることは良くある話です。定期的に最新情報を更新し常にユーザーと提供価値のバランスを把握するようにしましょう。

Segmentation|市場細分化
以下のような指標を用いて市場を細分化していきます。

【地理的変数】(ジオグラフィック)
国、市町村、発展度、気候、文化、宗教、行動範囲など地理的要因をもとにしたセグメント指標です。

【人口動態変数】(デモグラフィック)
年齢、性別、家族構成、職業、所得、学歴など「人」に関する要因をもとにしたセグメントです。統計調査を使用して客観的なデータを集めます。

【心理的変数】(サイコグラフィック)
価値観、ライフスタイル、購買動機、心理的特徴など人の心理に基づくセグメント指標です。アンケート調査などを用いて人の価値観を深掘りします。

【行動変数】(ビヘイビアル)
購買曜日時間帯、購買プロセス、購買メリット、購買頻度、購買態度、購買パターンなど「行動」に焦点を当てた指標です。顧客行動を把握します。

Targeting|市場の決定
一般的には「6R」を指標としてターゲティングすることが多いですが、今回は以下3つの戦略軸から落とし込みます。※6Rについてはこの方のブログもわかりやすいです。

無差別型ターゲティング
同じ商品を性別、年齢で変えることなく市場に出す戦略です。このとき洗い出したセグメントを確認して、共通するニーズがあるかどうかを確認する必要があります。日用品などがこれにあたります。

差別型マーケティング
複数の市場を狙い、それぞれの市場に合わせて商品をカスタマイズする方法です。たとえば年齢によってコンセプトを変えているローンなどがこれにあたります。「女性 健康」=「ナチュラルローソン」、「中高年 安価」 = 「ローソンストア100」など。

集中型マーケティング
市場を限定して商品を提供する方法です。

Positioning|ポジションの明確化
・ポジショニングのターゲットサイズが適切か
・売り手の考えるポジショニングが、顧客に正確に伝わるか
・売り手の考えるポジショニングに、顧客が共感するか
・売り手である企業自体のポジショニング(企業理念、ポリシーなど)と、製品のポジショニングに整合性があるか

ポイントⅠ 顧客視点を持つ

よくやってしまいがちなのが「顧客の行動がこうなったらいいな」という希望が分析に入ってしまうということです。たとえば顧客の購買プロセスを洗い出すときに「広告を見て、自社の商品説明をしっかり読んで、独自の決済サービスを使ってくれるはずだ」というは企業側の視点で、実際は「広告は見ず、商品説明も読まず、値段とクチコミをみて現金で払う」ことの方が多いかもしれません。

ポイントⅡ 競合調査に時間をかける

競合企業の状況はなるべく細かく把握しましょう。表に出ている情報だけでは不十分で、実際にサービスを利用したり、ホームページのアクセス解析をしたり、SNSなど集客施策の媒体や発信内容から方針の仮説を導き出しましょう。下のリンクは「リスティング広告」とありますが、実際の競合分析にも使える内容なので是非参考にしてみてください。

まとめ

簡易的にまとめてみましたが、意識する部分が多すぎると中々分析が進まないので、まずは簡単な要点だけを抑えて洗い出すことをオススメします。一度分析になれてしまえばコツを掴んでサクサク進めるようになるはずです。

他にも、施策立案のヒントになるような発信をしていこうと思います。よろしくお願いします。

ではまた。


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