資金繰りが良い状態とは?
私なりに、資金繰りが良い状態とはどんな状態か?どうなっていればお金が回るのか?について、書きたいと思います。
「資金繰り」とは
まずは、「資金繰り」という言葉の定義について確認します。(ネットでたたけば出てきます)
資金繰りとは、
会社の資金が不足しないように、収入と支出をコントロールしてやりくりすること
「資金繰り」が良い状態とはどんな状態か?
では、その「資金繰り」が良い状態とはどんな状態か?うまく回っているというのはどのような状態か?について書いていきます。
私は、以下の4点ができていれば、資金繰りが良い状態だと考えています。
1.会社の資金=現預金が、いついくらあるか確認できるようになっている、見通しを立てることができている
2.会社の入金(現金回収、売掛金・手形回収)が出金(現金支払、買掛金・手形支払、返済)を上回っている状態が続いている
3.会社の資金=現預金が、固定費+返済の6~12カ月分あって、万が一の時のためにリスクに備えることができている
4.会社を成長・発展させるために、必要な資金が調達できており(できる状態にあり)、適切な投資ができている
では、上記の4つの状態にするために、何をすればいいのでしょうか?
私が実際にクライアントさんに実践している取り組みをご紹介します。
1.会社の資金=現預金が、いついくらあるか確認できるようになっている、見通しを立てることができている
①「資金繰り表」を作成する
② ①のために5つの計画(売上計画、売上原価計画、経費計画、設備計画、返済計画)を作成する
=「経営計画書」を作成する
③「借入一覧表」を作成する
資金の実績と予定の見える化を行います
2.会社の入金(現金回収、売掛金・手形回収)が出金(現金支払、買掛金・手形支払、返済)を上回っている状態が続いている
①サイトのズレ(支払いが回収よりも先にある)を解消するため
・回収と支払いのサイトを1社ごとに確認する
・それをもとに
先払い、一括払いで回収できないか
後払い、分割払いで支払いできないか
を交渉する
②本業を黒字にする
※これについては、本当に数えきれないくらいの方法がありますので多くは割愛します
・損益計画(売上、変動費、固定費)を立て、計画値と実績値のギャップを毎月チェックし、対策を立てる(予実管理)
・仕入先、外注先のリストを作成し、価格交渉をする
・販管費ひとつずつすべてを見直し、不要なものは買わない、別のプランに変更する
3.会社の資金=現預金が、固定費+返済の6~12カ月分あって、万が一の時のためにリスクに備えることができている
これについては、上記1と2を実践していくことで、達成することができます。
4.会社を成長・発展させるために、必要な資金が調達できており(できる状態にあり)、適切な投資ができている
これには、金融機関との関係がないと達成できません。つまりは、金融機関との信頼関係を構築していきます。
そのために方法として、以下の3つを行います
①「経営計画書」を提出し、説明する
②「資金繰り表」を提出する
③(できれば毎月)「試算表」と「月次事業報告書」を持って報告する
①については、ただ提出するだけではなくて、その内容を社長自ら説明することが重要です。
融資のための税理士さんなど外部の専門家に作ってもらった「事業計画書」だと、社長はその内容・数字の根拠を自ら説明することはできません。
金融機関からすると、そんな相手には貸せないですよね。
私の場合は、社長と一緒に、クロスSWOT分析などをやって、「経営計画書」を作っていくので、社長が自分の言葉で、その内容を金融機関相手に自信を持って語ることができています。
また計画書内の数字の根拠が明確になっています。
②は、①「経営計画書」の実践の結果、損益やキャッシュフローがどのように増減していくのか?を示すものです。
③は、①「経営計画書」の実践の結果、毎月の損益やキャッシュフローがどうなったのか?を「試算表」で示し、それらの数字の振り返りを行った結果、では今後どのような対策を行っていくのか?「経営計画書」のアクションプランがどのように進捗しているのか?を「月次事業報告書」にて示します。
これら①~③の取り組みを行い、企業の実態を金融機関に把握して評価してもらい、融資の提案を受けるのです。この取り組みを「事業性評価融資」と呼んでいます。
現実、これらの取り組みを実践している企業はごくごく一部です。従って、この取り組みをするだけでも、金融機関の評価は上がります。
その結果、金融機関との信頼関係が構築でき、投資が必要となったときに、融資を受ける(むしろ、金融機関から提案を受け有利な条件で)ことができる状態を作っておくのです。
以上、
資金繰りが良い状態とはどんな状態か?どうなっていればお金が回るのか?について書きました。参考になれば幸いです。