地方のアライアンス戦略
こんにちは、東原です。
2回目のnoteですが、1回目で興味を持ってくださったみなさまをさらに突き放すテーマでお送りしたいと思います。前回よりニッチな「アライアンス戦略」についての話です。
はじめての地方進出って、みなさん悩まれますよね。1人目のセールスが早く成果を出すためにはどんな仕掛けをすればいいか、アライアンス先はどこにお願いするのがベストなのか、そもそもアライアンス戦略をとるべきなのか…。
当然ですが地方拠点を出したての頃って、だいたいの会社が「ひとり」です。ここは組織によって考え方はまちまちなんですが、
という悩みが生じると思っていて、その地方拠点の「たて付け」によっても変わってきますよね。
あえて前提を整理するためにしっかり書いておきますが、弊社の場合だと、
のため「地方拠点立上げ方をパッケージ化して他エリアでも転用できるレベルに持っていく」必要はなかったわけです(当時は)。
となると、前回のブログでも書きましたが、個人的な理由で会社に重ための意思決定をさせてしまった身としては「よし、東京オフィスと同じくらいの成果をひとりで出して会社に恩返しせな!」と思うわけで、そのために考えはじめた施策のひとつが「アライアンス戦略」だったという話です。
(薬剤師さんは普段営業を「受ける側」だと思うのですが、営業を「かける側」がこんなこと考えてるんや~、くらいの目線で読んでいただければと)
①アライアンス戦略ってなんぞや
わかりやすく言うと「代理店営業」みたいなほうがイメージが沸くかもしれませんね。「パートナー営業」とも呼ばれたりしますね。ここの記事がきれいにまとまっていました。
要するに「ひとりしかいない自分(セールス)を、10人にも100人にも見せることができる」素敵な魔法みたいな技だとぼくは考えています。
で、ここまで知ったような感じで喋ってきましたが、ぼくも今の会社に入社するまではアライアンス営業未経験でした(いわゆる直販の経験のみ)。で、ぼくにアライアンス営業のイロハを教えてくれたのは今の会社の先輩の彼でした(元武田薬品工業でトップセールス)。
MRなんてアライアンス営業のヒエラルキー(そんなんあんのか)のトップに君臨してるイメージですよね。薬を直接売ることはできないので、医薬品卸さんに代わりに売ってもらう。
その際に、
・「どうしたら自社製品をがんばって売ってくれるのか」
・「どうしたらこの先生は自社の薬を買ってくれるのか」
という相手の頭の中を想像することがアライアンス営業にとって大切な素養となってきます(この辺のスキルが田中は特にすごい)。
②アライアンス先を考える前に改めて考えたいこと
これについても、もうとにかく色んな変数があるので一概に言えないのですが、絞りに絞って考えるべきポイントは3つだと思っています。
ひとつひとつ理解していきましょう。抽象度を上げて読み進められると、読者のみなさんの会社のサービス展開のヒントになるかもしれません(なるのかしら…)。
1.自社のサービスの特徴
これについてですが、あえて弊社のサービスを例にして具体度を一気に上げていきたいと思います。
弊社のサービス領域について
・電子薬歴=薬局になくてはならない「基幹システム」である
・すでに「60%くらい」の薬局には電子薬歴が導入されている
・そしてだいたいのお客様が「5年契約」のリースを組んでいる
で、これら3つを、目を閉じてお客様になり切って深堀りすると…
・変えるのがめんどくさいし、不具合があるとかなり焦る
・紙薬歴→電子薬歴の移行でがんばったのにまた?めんどくさ
・今より良いサービスがあってもまだリース2年残ってんねん。
こんな感じで、「いいものを作るだけでは売れない」という背景にはお客様のこうしたリアルなお悩みが潜んでいるんですね。
で、こういうときには「実家が薬局だったらどんな気持ちだろうな」と考えると割とリアルに感情が浮かんできて、やっぱりリースが終わる時期とか、スタッフの入替がない「良いタイミング」に営業に来て欲しいんだよなと自然と思うひとが多いんじゃないかなあと考えています。
2.自社のサービスを「買う人」は誰なのか
これはある種「営業マンあるある」なのでぼくが偉そうに喋る領域でもないんですが、「いまあなたが一生懸命営業をかけているその人に決裁権ありましたっけ?」というお話ですね。
営業をしてるとここの見極めが大事なんですが、こういう人に会うのって結構難易度の高いスキルなんじゃないかなあと思っています。当然、時間をかけて現場のひとにコミュニケーションをとれば「ふむ、あんたよくがんばってるわね。気に入った、うちの社長を紹介してあげるわよ!!!」みたいなラッキーボーナスはあると思います。
ただ、冷静になってください、あなたは地方拠点の1人目のセールスとして赴任してきています。ひとつのお客様にかけられる時間は有限ですし、そんな悠長なことを言っていたら本社から「地方拠点撤退」指令が来るかもしれませんよね。
ということで、「決裁権のある人」に「早く」会いに行くことは地方拠点のセールスとしては本当に大切で、時間をかけてお客様と関係値を構築している時間は意外とありません(もちろん仕事を通じて長く、仲良くさせていただいているお客様はたくさんいます)
3.「お買い物」をするまでにお客様は何を考えるのか
最後のポイントですが、これが一番大切だと言っても過言ではありません。大阪のお客様は特にそうかもしれませんが、一般的に何かお買い物をするまでの過程で、誰でも一度は「これ、安くならへんかな」と思いますよね。
(ぼくも大阪に来る前にドラム式洗濯機を買ったのですがかなり交渉して少しだけ安く買えてめちゃくちゃうれしかったです)
で、その「安くならへんかな」ってお客様は直接ぼくたちに言いにくかったりするんですよね。もちろん分かりやすく「うちは値段で決めるで。あんたがどれだけがんばってくれるか次第やな」と仰っていただけるケースも多いですが、大切なのは「お客様は商談の場では良いねと言っていても、営業マンが帰った後に必ず不安になっている」ということをぼくら営業マンが肝に銘じておかなければならない、ということです。
個人的には、どうせなら納得感を持ってお買い物をしていただきたいと思っているので、商談後にショートメールやラインでお客様との接点を意図的に増やすようにしてはいますが、やはり「付き合いの長い、気の置ける第3者」に相談したくなるはずだと思っています。
悲しいかな、「ポッと出の地方拠点セールス1号くん」にはなかなか代えがたい難しいロールでもあります(私の営業力の問題かもしれませんが…)。
③結局どんなところにアライアンス契約をお願いすればいいのか
ここまで読んでいただいた方はピンときているかもしれませんが、要点をまとめてみたいと思います。はい、話長いですね。
で、いきなり結論なのですが、この「3つのポイント」を満たせる人/会社とアライアンス契約を結ばせていただくことがベストプラクティスなんじゃないかと思っています。
どの業界にもこの大切な「3つのポイント」を抑えたアライアンス企業、パートナー企業は存在するのではないでしょうか?
もし、薬局の基幹システムのような「なかなか意思決定をできないもの」でなければそこまでお客様との「間合い」を気にする必要はないのかもしれません。
ただ結論として、今では当初個人で掲げていた目標値をアライアンス先のみなさまのお陰で効率よくあげることができています。
最近ではまた関西拠点のステージも変わり、新たなアライアンス先もいくつか加わりました。その結果、1年前よりもスピーディにシェアを拡大し、関西エリア発のアライアンスが全国の薬局様のリード獲得に寄与してくださったりもしています。
そして、今回のnoteでは一番大切な「どうやってアライアンス先の皆様にとってもwin-winな仕組みを作るのか」という視点が抜けていると思います。そのあたりはまたどこかで書くとして、「アライアンス先のビジネスにとって自社がどう貢献できるのか」の視点を持つことにヒントがあるかもしれません。何ごとも独りよがりはダメですね。
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以上、第2回目でしたが初回よりニッチな内容にも関わらず、またもや長い文章を書いてしまいました。反省。
最後に、引き続きKAKEHASHIでは採用活動を行っておりますので、ご興味ある方はぜひ。ちなみに関西のアライアンス先のみなさまとは、うれしいことがあった際にはWeWorkビールで乾杯したりとすごく有難い関係を築かせていただいております(コロナ明けには再開したい)。では。
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