うつわの景色たち 刷毛目
小石原には様々な伝統技法による器の景色があります。
その景色を作る技法のひとつに刷毛目模様があります。名前の通り刷毛を使ってうつわに模様を描きます。よく見かけるのが化粧土を使ってろくろを回転させながら模様をつけていく方法です。
うつわを成形したら生乾きの状態で白土を表面に塗ります。ロクロを回しながら装飾する場合もあれば、置いた器に自由に刷毛で塗ることもあります。
よく手を回転させると思われがちですが、轆轤によってうつわが回転しているので手を同じ速さで上下に動かすことにより均等に刷毛が当たったところだけ線のような模様が入り景色が生まれます。
うつわの側面などに刷毛で模様を描くこともあります。刷毛の大きさや種類によっても様々な表情が生まれてくるんです。
道具の刷毛はそれぞれ
小石原では刷毛目を打つ方法を使うことが多いので平べったい幅がある刷毛を使うことが多いのですが箒のような刷毛やいろんな刷毛があります。
素材によっても描く景色が変わります。
釉薬によって変わる景色
釉薬によっっても景色は変わります。
飴はキリッと
白は柔らかく
飴と白の色合いだけでもずいぶんと雰囲気が変わり模様の施し方によっても景色が広がります。
薪で釉薬をかけず自然釉だけでも風合いがずいぶんと変わってきますね!!
刷毛目模様の部分に釉薬をかけずに仕上げることで凸凹の手触りも楽しめる。
こんな器も作っています。
工夫一つでさまざまな景色が広がります。
◇窯元の独りごと◇
小石原でよく見かけるものの多くは透明釉と呼ばれる物。我が家は飴色と藁白が多く並べて見比べると一つの模様でも全く違う雰囲気を出してくれます。それぞれの窯元で釉薬の調合も変わってくるのでぜひうつわの表情を楽しんでくださいね!!