【2022年10月活動報告】おじさんと秋の虹の生える町 の巻
毎回題名を何にするか悩みます(−_−;)
今回は10月の報告、文化の秋ということで俳句風の題名にしてみました。
秋の虹は夏の虹ほどの鮮やかさがないが色が淡くて消えやすくはかなげで情趣があるとして、秋の季語としてよく使われるフレーズだそうです。
ちなみに、この前偶然見ることができた二重の虹にはこんな意味があるそうです。
1.願い事が叶う
2.祝福のサイン
3.新しいスタートを切るサイン
4.人生が好転するサイン
勝手に今の私の新しい環境を祝福してくれている気がしました。
そんな幸運な虹の写真を皆さんにもお届けして、少しでも幸せをお裾分けできればと思います。
それでは、10月の活動報告始まります。
1.ツリークライミング講習
10/1.2の二日間はツリークライミング講習の入門編である、MRS(ムービングロープシステム)1ベーシックツリークライマー講習を受講しました。
講師は、わざわざ長野から8時間以上かけてお越しくださった小林清先生。ツリークライミングの技術だけでなく、間伐作業や特殊伐採の技術に関しても定期的にご指導いただいています。いつもありがとうございます。
今回のツリークライミング講習では、技術的なことはもちろんのこと、自然と共に暮らす姿勢や大切な考え方なども同時に学ぶことができたと思いました。
それには、講習会を開催しているツリークライミングジャパンという団体の成り立ちが深く関わっていて、「ツリークライミングという手法を通して自然を愛するすべての人たちにいつもと違う視点から自然や森を見てもらい地球や自然にやさしい心を感じ取って木と友達になる」と言った理念を掲げているからだと思います。
便利になり過ぎた現代人は、私たちは地球上で暮らしていて、空気や水があるから生きていられる、という意識が希薄になっている。それは、自然に触れたことが少ないから。自然の中で遊ぶという体験をしたことが少ないからだと思います。
今回私の記事を読んでくださったそこのあなた☝️ビシッ!
これも何かのご縁!☝️ビシッ!
是非あなたもツリークライミングの素晴らしさを一度体験してみてください。☝️ビシーーッ!
そして、改めて身の回りの生活を再認識してみてください。
そこには、必ず何かしら自然からの恩恵をいただいて生活できていることがわかるのではないでしょうか?
(※ちなみに、ツリークライミングジャパンの回し者みたいな感じになってしまいましたが、一銭も貰っていませんので悪しからず( ˘ω˘ ))
2.現場作業
現場調査
10/4は浪板地区の山林保有者の方から間伐のご依頼がきた件で、実際に作業に入る前段階の山林調査に同行させていただきました。山林調査の主な目的は、山林の境界線を明確にすることと、単位面積あたりでどれぐらいの材が採取できるかという点でした。
今回の調査には、大槌町産業復興課の佐々木主査にも同行していただき、森林調査のノウハウを教わりました。ありがとうございました。
山林の境界線は、一般的に尾根や谷に沿って定められていますが、公図を見ても明確でない場合が多く、場所によっては石や立木が目印というところもあり、境界を決めた当事者が亡くなるとさらに状況がわからなくなります。その結果、所有者不明の山林は管理や整備ができなくなるためどんどん荒廃していくことになります。
そのような問題を防ぐためにもこの境界標を設置しておくことが重要になってくるのですが、境界標の設置は必ずしも義務というわけではなく、設置するには隣の土地所有者の方との確認が必要だったり、専門業者に調査の依頼をする費用だったりと、個人所有者にとってはなかなかハードルが高く設置が進まないこともまた事実だそうです。
ちなみに、日本の森林面積は2500万haと国土の約2/3が森林で、そのうち企業や個人が所有している「私有林」が58%を占めています。しかし、そのうち1000万haもの森林は未だ未調査のまま放置されているのが現状だそうです。
私たち林業に従事する者にとっても、後世に日本の美しい自然と有益な資源を守り伝えていくために、山林境界線の策定に対する理解をひろめていくことは非常に重要な課題の一つと言えるでしょう。
間伐対象となる木は成長しきって太くなったもの、あるいは成長する過程で何かしら問題があるもの(偏心木、枯れ木など)とし、まだ今後成長する見込みのある、できる限り真っすぐの中程度の木を見積もって残すのが良いそうです。
今回の現場調査に同行させていただき、一言で間伐と言っても本当に様々な知識と経験を必要とすることが分かりました。現場調査の後には当然伐木作業、搬出作業、製材作業などがあり、木が実際に材になりお金になるまでには多くの人の協力と時間と労力が必要となることも実感できました。
伐木作業
10/3~6は三陸鉄道吉里吉里駅の北西部に位置する私有林にて、民家に倒木する恐れがあるため伐木して欲しいという方から依頼を受けて伐木作業を行いました。実際にこのような杉林の伐木作業をするのは移住してきてから初めての経験です。今回も小林清さん(通称コバキヨさん)にいろいろと教えていただきながら安全第一で作業を行いました。
まずは現場の状況をよく観察して、仲間と一緒に作業する手順や配置、特に留意すべき事項等を話し合います。
林業において実はこの工程が一番に大切になってきます。
作業の8割以上はこの話し合いで決まるといっても過言ではありません。
十分に打ち合せや準備が完了したことを作業員全員で確認したら、次に目標の木の倒したい方向を決めます。
そして、その方向と垂直になるように木の根元部分に受け口を入れます。
諸説あるようですが、今回の受け口の角度は30度から45度ぐらい、木の直径の1/4程度を目安に切っていきます。
実はこのポーズには重要な意味があるのです。
それは、倒したい方向にちゃんと受け口が切れているかを確認するという意味があります。
一見するときちんと切れているように見えても、周囲の景色が斜面だったり自分の立っている姿勢が斜めだったりすると案外ずれていることがよく起こりうるのです。
この確認を怠ると、周囲の家屋の方に倒してしまったり、最悪の場合死亡事故につながる可能性もあるので非常に重要な確認事項の一つなのです。
五郎丸ポーズ恐るべしっ!ラグビーだけでなく、林業にも応用できたとは!
ここまで入念に安全な状況が確認出来たら、いよいよ伐倒です。
受け口とは反対側から追い口という切れ込みを切っていきます。
ここでも特に注意しなければならない点があります。
それは『つる』という部分を直径の1/10を目安に残すということです。
この『つる』とはどういうものかというと、伐倒する方向を確実にし、倒れる速度を調整するという重要な役割を担っています。
自分の命を守るためにも非常に重要な部分になってきますので、くれぐれも切り過ぎには注意が必要です。
今回の作業でも多くのことを学ぶことができました。
技術的なことや安全に関することはもちろん、木に対する向き合い方や精神的なものに関しては特に印象に残りました。
私たち人間は仕事どうこう以前に地球上に生きる生物であり、自然の恩恵をいただいて生きているということ。木に感謝し、山の神様に感謝することは林業家の心構えとして、この業種のみならず自然に関わって生きるためにはとても大切なことだと教わりました。
薪割り震災講和
10/18は薪割り体験と震災講和を聴きに、盛岡三高より40名の生徒さんたちが来てくれました。
やはり、高校生ともなるとエネルギーに満ち溢れているようで、薪を次から次へと割っていただきました。
非常に助かりました。ありがとうございました。
また、講話の時も吉里吉里国の芳賀正彦理事長のお話を真剣に聴き、質問もよく考えられたものばかりで驚かされました。
ぜひ、また皆さんお気軽に遊びに来てください。お待ちしております。
薪詰め作業、配達
いよいよ薪シーズン到来ですっ!
毎年これぐらいの時期から冬に向けての薪需要が高まってくることを見越して、いつ注文があってもいいように日々空き時間を見つけては薪詰め作業をせっせと行っています。
吉里吉里国では薪の販売を行なっています。
ご要望がありましたら下記のURLより是非ご一報ください。
木工品メモスタンド作成
先日は東京大学大気海洋研究所様より、イベントでお客様にお渡しするプレゼントとして、メモスタンドの製作依頼をいただきました。
なんとその数300個!
プレゼントするものだと聞き、吉里吉里国として恥ずかしいものは出せないという思いで製作させていただきました。一つずつ手作業で丁寧にカットと研磨をして仕上げました。
木をカットした向きによって仕上がってくる表情も変わってくるため、世界に一つだけの特注メモスタンドとなっています。
記事をご覧になって気になった方は上記のURLより是非ご一報ください。
3.薪まつり
10/29.30は毎年恒例の薪祭りを開催いたしました。
震災後から始まり、今年で10回目の開催になりました。
2日間で参加人数は約500名の方々にお越しいただきました。
薪まつりの準備にご協力いただいた方、遠方よりお越しくださった方、また当日の運営や片付けにご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。
正直まつりの準備をしているときは、本当にこのような大きい催しができるのか不安でいっぱいでした。しかし、実際にその日が近づいてくると様々な人のご支援やご協力をいただき、みるみるうちに会場が出来上がっていきました。
一人一人の力は小さくても、同じ目的同じ方向を向いて多くの人が行動すればとても大きな力になると感じることができました。
今回の薪まつりも無事大成功に終わり、私個人としても今までにない本当に貴重な体験をさせていただきました。
人の温かさや絆の強さを直に感じることができました。
ご協力いただいた方々重ねてお礼申し上げます。
また来年もよろしくお願いいたします。
4.個人活動(DIY)
最後に、最近の個人的活動として取り組んでいるDIYについてお届けしたいと思います。
妻の要望に応えるべく、今回はスツールと観葉植物を置く棚を誠心誠意こころを込めて作らさせていただきました。
何とか形になり、仕上げは木目を生かしたワックス仕上げにしようかと私が考えておりましたところ
なんと妻は!「ピンクとグリーンに塗りたい」とおっしゃいましたので…
私は脱兎の如く「はいっ(´・ω・`)」とだけ答えました。
やはり、妻の言うことを聞いておいて良かったと思ったおじさんでした。
それでは、ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
少しでも楽しんで読んで頂けたなら幸いです。
また、来月の投稿をお楽しみに(@^^)/~~~