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色の並びがもやもやする -後編-
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
不思議な色の並びに翻弄されるお話、後編。
ぜひ、前編の不可解なお話もご覧ください。
今日は下段を見ていきます
残り4列を見て行きましょう。
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一見、前編よりはマシなように見えますが、よく見ると色々おかしな事になっています。
また緑か!
1列目ですが、上段同様に緑からスタートします。
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そしてまた黄緑方向に行くのですが、
「075 Light Sea Green」で緑青方向に急ターン。
この流れどこかで見たような…。
そして青、青紫へと続いてきます。
上段は曲がりなりにも逆順で進んでいたのに、寒色系は正順に。
「056 Spring Green」の場所がちょっと微妙ですが、まだ違和感は薄いです。
ぽつぽつ入る唐突な色
続いて2列目。
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いささか気になるところもありますが、
青紫から赤紫へと順調に歩を進めます。
ところが「041 Lilac」に来ると、突然青紫方向へUターン。
(一旦なんなんだ)
そしてまたもや見分けの付かない「149 Whisteria」と「015 Pale Purple」を通過して、唐突に現れる「051 Light Blue」。
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何事もなかったかのように赤紫へとまたジャンプして、
締めはまさかの「079 Dark Grey」。
ちょいちょいグレースケールが単体で遊びに出かけてますね。
謎。
思い出したかのようにまた逆順に
3列目に参りましょう。
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前列の最後の「079 Dark Grey」が仕切り線だったかのように、
何食わぬ顔で青が再び現れます。
「044 Greenish Blue」の位置に疑問を覚えますが、スルーしてそのまま進みましょう。
…前列の「051 Light Blue」はここに居たら良かったのでは?
そして「029 Greenish Grey」で急に彩度を落として、「116 Light Olive」で締め。
驚くべきことに、またもや緑が顔を出します。
緑に始まり、緑に終わる
最後の4列目。
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有彩色は3度緑になって終了します。
色相を行きつ戻りつ繰り返し、時にジャンプしながらも、
最初と最後は繋がっているという、歪なウロボロスの環を見た気分になりました。
締めはグレースケール。
と言いつつ、若干茶っぽい色も混じっていますね。
「137 Silver Grey」の急に青みがかった違和感のある色も、
「013 Dark Brown」「113 Bistre」の「なんでここにおんねん」感も、もう慣れたものです。(茶系のコーナーに帰って!)
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色番号も独特
そういえば、この色鉛筆に割り振られた色番号も結構独特です。
似たような色の濃淡が連番でなかったり、
番号順に並べると不思議な色相の並びになっていたりします。
例えば、
001 Black(黒)
002 White(白)
003 Cerulean Blue(青)
004 Canary Yellow(黄)
005 Dark Purple(紫)
006 Red(赤)
007 Blue(青)
008 Orange(オレンジ)
009 Fresh Green(黄緑)
010 Coffee(茶)
011 Forest Green(緑)
012 Pale Pink(ピンク)
・・・
という感じで脈略がないんですよね。
作った順だとしたら、製品のカラーセットを考えて作ったというより、作れる色から作った…という印象を受けます。
12色セットで考えると、必要な色相はあらかた揃いますが、
003と007で青を分散する理由が思いつかないんですよね…。
単品で陳列するイメージを考えると、頭が混乱しそうになります。
色相で分けると番号が飛ぶし、番号で分けると色相が飛んで、なかなかカオス。
色が振り分けられている理由
緑や黄色、青が分散してあるのは、
4つのトレイの彩りに変化を与えたかったからなのかな、
とも考えています。(とても好意的な解釈として)
例えば、4人の子どもにトレイを1つずつ分けるとして、
「緑しかない!黄色しかない!」を避けるために。
色の分散については、いま考えうる最適解な気がします。
・・・
ということで、色の並びの不思議を考えてみました。
もしかしたら生産している国では、これが気にならない並び方なのかもしれませんね。
なかなか考えさせられる並び方でした。おしまい。
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