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こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は、言葉と色について。
前半は大学時代に考えた「文字記号として色彩」、
後半は「文章の言葉の意味における色彩」で語ります。
大学時代の時でした
大学は美術系だったので、卒業論文ではなく卒業制作がありました。
デジタルアートが走りの時代だったのもあり、
今までの制作展(いわゆる学祭的なもの)は、Photoshopで絵を描いたり、DTMで自作曲作って発表したりしていましたね。
そんな中、フランス語の先生に、詩人アルチュール・ランボーの「母音」という詩を教えてもらい、それをベースに、文字をキーボードで入力したら、色の羅列が並ぶプログラム的な作品を作るに至りました。
母音を色彩化する
この作品は、母音のみに反応して色を出します。
「A,E,I,U,O」、日本語でいう「あいうえお」です。
日本語をローマ字で打つと、必ず母音単体、もしくは子音+母音となりますよね。
あ = a
か = k + a
という感じで。
母音の五色
そこにランボーの「母音」に出てくる色をあてはめました。
A = 黒 / E = 白 / I = 赤 / U = 緑 / O = 青
だそうです。
どういう背景でこの色に辿り着いたのか、色々文献を読んでみましたが、解釈がそれぞれで、ふわっとした感じで終わってしまい、結局よく分からないまま使う事になりました。
フランスの文化を深く知れば、また違った捉え方があるのかも?
子音はグレーで表示
本当は子音にも色を与えられればと思っていたのですが、子音すべてに色を与えられるほど知識もなかったですし、それを組み込むプログラムも書けるほどスキルもなかったので、母音を際立たせる色としてグレーに統一。
こんな感じに出力されます
で、出来たシステムでカバー画像を作ってみました。
文章は、冒頭に必ず書いている「こんばんは。グラフィック~」の一文。
句読点とスペース、伸ばし音のダッシュは無視してます。
![](https://assets.st-note.com/img/1638704978774-BwXtIilQnz.png)
振り返ってみると
まぁ、流石にいま思うと全然面白くないし、
もっとやり方あったろうとは思いますね。
子音にも色があったり、母音に形も持たせたりすれば、とより楽しいものになっただろうな。
でも母音だけに注目する事で、
「この文章ってAが多くて、EやOは少ないんだな」みたいな新たな発見もあったりします。
![](https://assets.st-note.com/img/1638705265986-fdcQGSM5vP.png)
システム的に色彩化は難しいけれど
結果、システマチックに言語を色彩化するというのは難しいし、あまり心躍らないというのが分かった作品でしたが、言葉を色に変えるのは面白いなと今でも思っています。
正確には、文章の合間に見える色彩というか。
イメージを膨らませる1つの手段として。
例えば「暗闇を照らす仄かな月光」という言葉からは、深い黒と柔らかな黄色みの白が感じられます。
人によっては暗闇を濃紺に感じるかもしれません。
アルファベットという1つの字形に対する色合いではなくて、言葉そのものが持つ色彩として。
![](https://assets.st-note.com/img/1638706776598-nVKtjj4Oup.png?width=1200)
こういうのは、デザインをする人間にとって、色感覚を磨く手法になるし、自分が「月」や「草」「空」という言葉に、どんな色を認識しているのかもわかってきます。いい訓練。
先日、紹介した『色と意味の本』の最後にランボーの詩が載っていたので、ふと思い出して、無意味にしたためてみました。
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![藤田さんちの色彩事情 - Kei's Factory](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59764112/profile_6abef1bd8455f5b3264723affa55258d.png?width=600&crop=1:1,smart)