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趣深い日本の色彩 #9 東雲色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日も名前が特殊な日本の色を。

地名にもある東雲

東雲色は「しののめいろ」と読みます。
東の空が明ける時の、オレンジに染まったような色合いを指します。
なので、別名は「あけぼの色」と言います。

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なぜ「しののめ」と読むのか

漢字の読み的に、どうやっても「しののめ」とは読めない「東雲」ですが、なぜこの文字が当てられたかと言うと…。

昔は、窓の網戸に当たる部分に篠笹しのざさを使って編んだ格子状のものを使い、光を取り込んでいました。
その網目の部分を「篠の目しののめ」と言い、早朝、太陽の光が徐々に差し込んでくる色の事を「篠の目から差す色」として「しののめ色」と呼ばれるように。
さらにそこから転じて、「東の空が明ける」→「篠の目から漏れる光」→「東の空の風景 = 東雲しののめ」と変わっていったようです。

昔は今と違って真夜中でも光に溢れた生活はできなかったので、夜明けの色はなおさら特別だったのかもしれませんね。

どんな景色だったんだろう

清少納言の記した「枕草子」にも「春はあけぼの」と始まる一説がありますが、それだけ「美しい景色」とされた朝焼けの様が、どんな景色だったか気になりますね。

春先は「東風氷解はるかぜこおりをとく」という時節もあるくらい、東を意識させる言葉が多く見られます。

陰陽五行でも東は春を表すので、春と東は切っても切り離せないものなんだろうなぁと感じます。
(陰陽五行と五色についても、そろそろ書きたいなぁ。)

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