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藤田さんちのインク沼 -四季織 利休茶-
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は渋い緑みの茶色をインク&伝統色のセットでご紹介。
SAILOR 四季織 利休茶
利休茶という色があります。
歴史の教科書にも載っているのでご存知の方も多いであろう「千利休」にちなんだ茶色です。
まずは、SAILORさんから出ている四季織シリーズの『利休茶』から見ていきましょう。
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渋い色味ながら、夏のイメージのインクです。
ほうじ茶のような渋みの茶色が特徴的なインクです。
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感想にも書いた通り、このインクはちょっと面白い遊びがありまして。
書いている時は濃い緑、乾くと茶色になるという変化を楽しめます。
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このようにガッツリ変化するので、書いてる側はなかなか楽しい色になっています。
日本の色彩としての『利休茶』
色としては「緑がかった薄茶色」。
この利休茶をはじめとして、利休の名を冠する色はいくつかあります。
利休色、利休白茶、利休鼠 etc…
色においての「利休」は、茶葉や抹茶の緑色に通じ、「緑がかった色」の形容として使われます。
この渋い緑がかった茶色は、利休のわびさびの教えと相まって、江戸時代に流行しました。
色名の由来に「千利休が好んだ色」とする説もありますが、
生きていた室町・桃山時代から、流行した江戸時代までは100年以上時を経ているため、ふわっとした感じは残りますね。
茶の湯や、わびさびの流行に伴い、緑色のものに「利休」の名を付けて広めたという説の方がやや現実的かも。
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ともあれ千利休の存命から考えると400年以上もの歴史がある色彩が、今もこうして残って使われているのは感慨深いですね。
渋い色彩、楽しく使っていきたいと思います。
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