昼と夜の境目 -プルキンエ現象-
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は昼と夜の境目、夕暮れ時に起こるちょっと不思議な現象をご紹介。
陽が落ちて、見え方が変わる
さんさんとした太陽の光を受けた昼間は、色を鮮やかに見せてくれています。
そして光が弱まる夜間は、黒は溶け、あらゆる色が鈍ります。
そんな昼間と夜の中間。
太陽が西の地平線へ沈んでいく夕暮れ時は、色の不思議な移ろいが見られます。
プルキンエ現象
日中鮮やかにアピールしていた赤やオレンジ。
それらは、日が落ちて薄暗くなると赤は霞んで、緑や青が目につくようになります。
この現象を『プルキンエ現象』と呼びます。
名称は、発見したチョコスロバキアの物理学者、J.E.プルキンエ氏の名前から取られています。
これは、人の目にある視細胞の影響によるものです。
錐体と桿体
人の目には「錐体」と「杆体」という2つの細胞が存在します。
錐体は色の変化に敏感で、明暗に弱い性質があり、
杆体は色の変化に鈍感で、明暗に強い性質があります。
メリットとデメリットを、それぞれで補い合う関係になっています。
錐体は明るい場所で主に働きます。
黄緑(555nm)あたりの光への感度が高くなっています。
※nm = ナノメートル
杆体は暗い場所で主に働きます。
緑青(507nm)あたりの光への感度が高くなっています。
この感度が高い色が微妙に違うのが、プルキンエ現象の肝の部分。
日暮れは、同時に働く時間帯
日が落ちて薄暗くなった時間帯は、この錐体と杆体が同時に働いてるという、特殊な状態になります。
錐体が働いているから、薄暗いけど色の区別はつく
でも、杆体が働き始めてるから、青方向の色が明るく感じる
そのため、緑や青の方が明るく感じるわけですね。
今回は分かりやすく、屋外&時間の流れで変わる形でお話をしましたが、
昼間でも薄暗い部屋で照明をつけ、次第に光量を落としていくと同じ状態になります。
明るい→暗いに移る際に起こる、プルキンエ現象の紹介でした。
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