色を求めて京都まで
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は早めの夏休みのお話。
行きたかった展覧会
7/31(日)~8/7(日)は、早めの夏休みとして1週間お休みを取りました。
その間に、行きたかった展覧会を巡ろうと思いまして、新幹線に揺られて京都に。
美しき色、いにしえの裂
~ぎおん齋藤×染司よしおかの挑戦~
京都での目的は細見美術館で開催されている『美しき色、いにしえの裂』という展覧会。
吉岡幸雄さんの展示は同美術館で昨年3月にあり、その時もお邪魔しました。
その際、前期・後期で展示内容が変わっていたので、今回もそういう流れではないかとにらんで、「7月31日に前期、8月3日に後期」という形で両方観ることに決めていました。
染司よしおかさんの展示
今回は嬉しいことに、吉岡さん側の展示は撮影OKだったので、写真付きでお届けします。
まず出迎えてくれるのが、七夕に飾られる五色(+紫)の垂れ布。
こちらは前回の展覧会でも飾られていて、感慨深く眺めたのを思い出します。
二度目なのに、やっぱり見とれてしまう豊かな色彩。
特に青は、糸の藍色と、織られた布の明るい青の対比が面白いですよね。
色材と色彩
振り返ると、色材となる植物標本と、
そこから染め上げられた布を用いた作品が展示されています。
1,000年以上も前から変わらない色材で染められているのを考えると、時の重みを感じますね。
掛け合わせの妙
上記の色材から単色ないしは2色を掛け合わせて様々な色を作り出すのですが、猛烈に惹かれたのが、パンフレットの表紙にもなっていたこちら。
美しい緑は単色では作れず、刈安の黄色と、蓼藍の青を掛け合わせて作られます。
上の写真は、その割合を替えて染めた黄色~青のグラデーション。
中間色の黄緑、緑青はやや薄く優しい色合いをしています。
本当に美しい。
黄櫨染は櫨と蘇芳を使って。
天皇だけに許された禁色である麹塵。紫紺と刈安で得られる緑。
使っているのは同じ植物なのに、ここまで表情のある色を作れる技術が本当に素晴らしいですよね。
夏のしつらい
前期では夏のしつらいが展示されていました。
青の屏風が涼やかで美しかった。
後期では展示が変わっていたので、行かれる方のお楽しみにこの記事では控えておきます。
ぎおん齋藤さんの展示
こちらは撮影NGだったので、簡潔に。
箔と刺繍で彩られた様々な展示がされていました。
印象的だったのは、七曜の「金」を司る金の龍が描かれた屏風。
鱗の1枚1枚が不思議な立体感を持っているのですが、横から見てもレイヤー的な感じはなく、ただただ驚くばかりの技法で描かれていました。
前期展示の摺箔老松屏風、後期の金銀日月屏風もとても美しかった…。
※それぞれの画像が見えるリンクを、作品タイトルに貼りましたので、ご興味あれば。
嬉しい出会いも
今回前期の展示を観るにあたって、noteで知り合ったビジネスカラー戦略アドバイザーの青柳彩子さんとご一緒することができました。
以前に夏に行きたいイベント・展覧会の記事を書いた時に、「ご一緒しませんか?」とお誘いいただいて。
直接お会いして言葉を交わしながら展示を観るという機会に恵まれて、楽しい時間を過ごせました。
色彩が好きという共通点を持った方とお話しできる機会って、そう多くはないのでとても刺激的でしたね。
青柳さんも記事を書かれているので、ご一緒に。
本展示は8月28日(日)まで開催されているので、色彩に興味ある方、お近くの方はぜひ!
渋い展示ですが、心揺さぶる色彩としつらいがギュッと詰まっています!