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感情と色彩

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は感情と色の結びつきについて。

感情を表す色彩

人間には様々な感情があり、色彩心理において結びつく色彩があります。
感情を色で表すのは、文章の技法としてもよくありますよね。
ベースになるものを軸にしながら、個人的な見解も交えつつカラーチップもご紹介。

喜怒哀楽

感情を表す言葉として「喜怒哀楽」はよく出てきます。
個人的に「喜」と「楽」って何が違うんだろう?と思っていたのですが、
「喜」は喜ばしい、うれしい気持ち、
「楽」は満足して愉快な気持ち。
嬉しい≠楽しいというのは聞いて納得でした。

喜:喜ばしい、うれしい気持ち

「喜」に該当するカラーリングは、
めでたさを表す紅白(+千歳緑)に、同系のやわらかい色合い。
加えて、金・銀などの少し豪華な色彩かなという感じがします。

怒:怒り、憤り

「怒」に関しては、まずはエネルギッシュな赤系の色彩。
あとは「静かな怒り」の青系、怨恨に近い紫系。
ネガティブな感情なので、総じて低明度の色彩群な感じです。

哀:悲しみ、哀しみ

「哀」は悲しさを表しますが、「悲」ではなく「哀」を使うのは、人をなくした時のような強く深い悲しみを意味するからだそう。
そうなると、寒色系の沈んだ色彩を中心とした、中明度・低彩度のグレイッシュトーンを中心に、喪を表すような白や黒も入ってくるのかなと感じています。

楽:満足して愉快な気持ち

「楽」は、ワクワクした楽しい気分を表すので、
知的好奇心を刺激する黄色を中心とした、
高~中明度・高彩度なポップカラー、ビタミンカラーなイメージ。
カラーチップに青は入れていませんが、配色次第では入ってても違和感ないですね。

もうちょっと細分化して

喜怒哀楽は「いろんな感情をひっくるめた」と言う意味もあるので、
この四文字以外にも考えてみたいと思います。

個別にやると大量にあるので、
ネガティブなものとポジティブなものを4つくらいピックアップして。

ネガティブな感情

「苦」「怖」「嫌」「暇」の4つにしてみました。

「苦」は苦しい、苦いから閉塞間のあるダークグレー、そして苦みのある食べ物の焦げ茶(コーヒー、チョコ、カラメル)。

「怖」は恐怖から、闇を思わせる黒、怨嗟の紫。
あとは個人的に古めかしいものに秘められた、くすんだセピアもかなぁと。
日本的な怖さに近いですね。

「嫌」は、やや濃いめのグレー(鈍色)。
あとはちょっと冷淡な印象のくすんだ青。

「暇」は、ライトなネガティブ感情として取り上げてみました。
くすんだ感じ、空虚さを持つ「スモーキーな色合い」を感じます。
ミストグリーンやフォグブルーのような「霧」に関した色が結びつきます。

ポジティブな感情

ポジティブなものは「愛」「幸」「穏」「癒」をチョイス。

「愛」はそのまま愛情を表すピンク系の色合い。
明るいと「恋」、濃いと「愛」な印象がありますが、皆さんはどうでしょうか?

「幸」は幸福。
「楽」に近い色彩ですが、ポップさ・楽しさよりは、ソフトトーンの優しい感じがします。黄色は不思議と幸せな感じがします。

「穏」はゆるやかで優しい、青系の色彩。
「暇」に近い感じですが、刺激が少ないのをプラスと取るか、マイナスと取るかで表現が違うだけで、紙一重な感情なのかなという想いもあります。
プラスな分、彩度が上がったイメージです。

「癒」は、落ち着きや安心をイメージさせる緑。
植物の葉のような明るく優しい緑と、樹木や地面をイメージさせる茶色。

意外と色彩化できる

こうしてみると、感情を色彩化するって難しくなくできる感じがしました。
あと語彙力が増せば増すほど、表現できる色の情報を深くできるような気もしましたね。
感情に対する表現方法が豊かなほど、色相・明度・彩度をどんどん特定していけるというか。解像度が上がるイメージですね。

あと、色相もあらかた影響ありますが、トーンの方が少し強い感じも。
ネガティブなものは低明度や低彩度、ポジティブは高明度・高彩度であれば、色相はあらかた許容される感じがしました。

思いつきで書いてみた記事ですが、なかなか発見があって楽しい時間になって面白かったです。

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藤田さんちの色彩事情 - Kei's Factory
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