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色彩好きの配色本活用法

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は数ある配色本を活用・楽しむ方法をまとめてみます。

1. メインのカラーは決めておく

もし仕事で配色本を使う場合、
メインとなるカラーだけは自分で決めておきたいところ。
何の目的もなく「夏っぽい、秋っぽい」や「可愛い」などのキーワードから配色を探しても、
・結果が多すぎて逆に決まらない
・配色に引っ張られて、デザインとチグハグ
みたいな事が起こりやすいです。
「この色を軸にしたい!」というのをしっかり持っておくと、強力な味方になってくれます。

Webで調べものする時だって、検索するキーワードがふわっとしていると、欲しい情報得られませんもんね。

2. 色の数値は気にしない

配色本見てると「あ、これいいな!」と思って、色の数値をブックマークしがちですが、自分はあまりやりません。
というのも、単色ずつカラーパレットに置いても、使い勝手がよくないんですよね。
「登録したから!」とかえって無駄に縛りになってしまう可能性もあります。

それに一度使うと、人間面白いもので「違うもので試してみたい」という欲が生まれるので、登録したにも関わらず使わなくなっちゃったり。
なので、色の使い方だけざっくり覚えていく感じにしています。

こういうやつです

3. イメージ画像を念入りにチェック

配色本は、たいていイメージ画像がセットで掲載されています。
色のチョイスそのものよりは、そういう写真を念入りに見た方が発見が多いです。
カラーチップの最大の特徴は「単色をベタで正しく見れること」。
でも裏返しに「影や光での揺らぎが再現できない」という欠点も。

また、色彩を扱う時、ベタで使うとのっぺりした印象になるので、
光や影を意識した方が魅力的に見えます。
画像があると「光や影も反映された配色」のイメージが得られるので、より活き活きとした配色ができます。

4. 文章は読んでおく

本なのですから、文章を読むのは当たり前では?
…と思う方も多いと思うのですが、配色本はパラパラめくることが多いので、意外と文章はスルーしがち。
せめて各セクションの扉に書かれている文章は読みたいところ。
どういう考え方で配色を作っているのかが学べます。

5. 配色本は定期的に更新

安くはない買い物なので、一度買うと長い間使うことになりますが、
定期的に更新しておくのも大事。
ファッション誌と同じで、色もその時々の流行りがあるので、古い本だと「なんか違う?」となる可能性もあります。
とは言え、変わらないものもあるので、本棚に余裕があれば両方あると便利。流行りの変遷も分かりますしね。

おまけ1. 使う媒体で棲み分けもアリ

印刷もする方なら、本での配色本を買う方が良いです。
紙に乗った時の色の出方も分かるというメリットがあるので。
デジタルの仕事しかしないという方は、電子書籍の方がディスプレイの見え方が分かっていいですね。
使う媒体で、棲み分けさせるのも良いと思います。

とはいえ、配色本はページ数も配色数も多いので、パラパラめくれる本の方が結果的に便利だったりするんですけどね。

おまけ2. 国や地域を考えてみる

明確に国や地域が記されておらず
「その配色とカテゴリ・コンセプトに合致してない?」と感じた時は、
習慣や文化が違う可能性が高いです。
著者が海外の方の場合は、プロフィールがあれば読んでみることにしています。そこから同じ国に籍を置く他の方の本を見てみたり。
自分の仕事では使えないかもしれないですが、知識として蓄積しておくのはアリかなと思ってます。

また、国・地域・文化・習慣を超えて、カテゴリ・コンセプトと合致すると思える配色は、「ヒト」という種族全体が「そう感じる」配色なんだなということも分かりますね。

・・・

ということで、配色本を扱う上での自分なりのあれこれをご紹介してみました。
他にも有用な使い方をご存じの方は教えてください!

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藤田さんちの色彩事情 - Kei's Factory
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