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報道の自由度(公正度)ランキング、日本は世界のなかで70位

僕はテレビを見ない生活を11年以上続けている。

初めはテレビ番組自体に飽きてきたというのもあって少しずつ観なくなったのだが、色々と実情を知っていくとむしろ観ない方がいいのではと思うところもあり、今では家にテレビ自体もアンテナ自体もないため本当にテレビと無縁の生活をしている。

あらかじめ断っておくと、僕はテレビ番組自体や観る人にとやかく言いたいのではなく、そもそもの日本の報道の自由度が世界的にみて低い水準にあることを知っていただきたいだけである。

「世界の報道の自由度ランキング」をご存知だろうか?

2002年から、国際的非営利組織である「国境なき記者団」が調査し製作している「世界の報道の自由度ランキング」というものがある。

これは名前の通り、それぞれの国において報道がどれだけ自由であるか、公正であるかを示したランキングで、毎年調査されて更新されている。

実際に見ていただくとわかると思うが、2024年のランキングでは日本は調査された180カ国のうち「70位」に該当する。

実際の細かいデータやランキングは↓のリンクから参照。(リンク先は英語です。申し訳ない)

ランキングの他に、0点から100点まででスコアがつけられている。上位の北欧の国々は90近いスコアを出していて、またヨーロッパの国々が上位に位置することが多く、80近い数字を出している。

一方で日本のスコアは「62.12」となっていて、"Noticeable Problems"「問題が顕著」という分類のなかに入っている。

その問題とは何か?

国境なき記者団が挙げている日本の問題の一つが
「記者クラブ」の存在だ。

記者クラブとは簡単に言えば「公的機関や企業への取材をすることを目的とした大手メディアを中心に構成された組織」のことである。

メンバーを限定することで継続的な取材が可能になる利点もあるが、実際には大手メディアが牛耳っている任意の組織でもあるため、フリーランスの記者、小規模のメディアや海外記者は公的機関や企業に取材さえさせてもらえないという現状がある。

つまりは「公的機関や大企業が、自分たちが認めている大手メディアの記者」にだけ取材を受けさせ情報を与えている、というのが日本の報道の現実なのだ。

これを国境なき記者団は「閉鎖的」「独占的」であると非難しているのだ。

本来であれば、ジャーナリズム(報道)とは、政府や政治家、大きな企業等に対する抑止力でもあるはずだった。悪いことをしている政治家がいればそれを報道し、悪事に加担する企業がいればそれを白日のもとにさらした。

しかし日本のジャーナリズムの現状は、政府や大きな企業が仕切っている記者クラブを筆頭に、抑止力であるどころかそれを助長している傾向さえある。

はっきり言ってしまえば、本当に必要な情報や中立な情報は大手のメディアからは一切流れてこないため、「何も知らない人」たちが大勢生まれてしまい、作られた流行や情報操作のなかに大方の人は流されてしまうのだ。

ちなみに僕が数年暮らしていたカナダは、180カ国のうち14位で、スコアは81.70の"Satisfactory Situation"(満足のいく状態)に分類されている。

カナダでも全然テレビ番組を観てはいなかったが、ある時ふと観た番組では政治家を名指しでがっつり批判していた。悪さをすればしっかりと報道するし、いいことがあれば褒めて讃える。

いいことも悪いことも、都合のいいことも悪いことも、衆人の目に包み隠さずに明らかにするという、ジャーナリズムの本来の姿がそこにはあった。

そしてカナダから数年ぶりに日本に帰ってきて驚いたのは、世界的に報道されていることが日本では一切伝えられておらず、その代わりに芸能人の誰々が不倫した! とどこのメディアも番組も口を揃えてあたかも一大ニュースかのように報道していたことだ。

呆れるを通り越して、非常に残念な思いで、僕は一生涯日本のテレビを観ないと誓ったのである。

さてつらつらと書かせていただいたが、簡単にまとめると日本の報道とは、公的機関や大手メディアが情報を限定的に流すことが容易なため、世論を操作しやすいということだ。

だからこそ
「テレビがこう言っていたから正しい」
「政府がそう言っていたから間違いない」
と簡単に鵜呑みにせずに、
「本当に正しいのか?」
「実際に何を根拠に言っているのか?」
と自分の頭で考えてみる姿勢が必要なのだと強く思う。

日本にかくあるべきという正しいジャーナリズム(報道)の姿勢がないのであれば、一人一人が心の中に中立な情報を求めるジャーナリストの視点を持つべきなのだ。

日本の報道の自由度は低い、それでもなお報道を受ける側の、僕たちの自由度は少しも損なわれていないことを、いつだって忘れないでいて欲しい。


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