母の使っていた部屋にて
2022.11.17【138限目】
秋の散歩
今年の秋は、コロナ感染で過ぎていきましたが、今のところ後遺症もなく、夫はテニスの指導に三男は出勤と、今週からいつもの日常に戻りました。
私も久しぶりに散歩に出かけ、秋の風景を楽しみました。散歩の途中で出会った年配のおじさんに「こんにちは!」と、声を掛けますと、ポケットに手を入れてみかんを2つ取り出して「今、畑から取ってきたみかんや。散歩の途中で水分補給に食べたらいい。」と、言って頂きました。温かい心に触れた、久しぶりの散歩でした。
みかんは、帰ってから夫におじさんの話をしながら食べました。美味しかったです。
今日は結婚記念日
今年の結婚記念日も、穏やかで元気に迎えることが出来ました。夫77歳、私は74歳、夫は10月に喜寿を迎えました。
今日、朝いつものように少し遅く起きると、夫は散歩を終え、庭の水撒きをしていました。いま描いている散歩の途中にある公園の秋の紅葉の様子を写真に撮って来たと言っていました。
水撒きから家に入って来たので、夫に「今日は結婚記念日。48年間ありがとうございました。またこの一年、よろしくお願いします。」と、一礼したら「50年目に向けて、よろしく。」と、昨年同様ハグしてくれました。これが49年目に向けてのスタートでした。
今日は、久しぶりに朝食は、私が作りました。
昼食後、夫はテニスの指導に、私はnoteの原稿を入力と、それぞれの時間がスタートしました。夕食は、夫が買ってきてくれることになっています。
明日は、結婚48年の記念に、夫が好きな中華のランチ(ふかひれの入ったラーメン)に行きます。
母からのメッセージ
私は、今、母の使っていた部屋で寝ています。壁に何気なく貼ってある紙が昔からそこにあったのですが、あまり気にしていませんでした。最近はよく目にして読んでいることがあります。
そこには、こんなことが書いてあります。
60歳では 人生に花
70歳で 迎えが来たら
留守だと言え
80歳で 迎えに来たら
早過ぎると言え
90歳で 迎えに来たら
急ぐなと言え
百歳で 迎えに来たら
時期を見てボチボチ
考えると言え
今までは気にもしなかった張り紙でしたが、これを読むようになってから、「そろそろ残りの人生を考えなさい!」「一日一日を大切に過ごしなさい!」という母からのメッセージのように思います。
そんなことを考える年になったのかもしれないと一人でそんなことを思いました。最近読んだ本からも、これからの人生を考えようと思うことがありました。
和田秀樹著 「70歳の正解」 【137限目】でも紹介しましたが、今は、同じ著者の本で「70歳が老化の分かれ道」です。
これから人生をどう生きるかは、人それぞれだと思います。私たち夫婦は、二人が出会って、同じ方向で共感し合って生きてきたと思っています。
退職して二人が向き合う時間が長くなっている今、「こうして欲しい。」「ああして欲しい。」と、言い出すと、自分の時間を決められてしまったような気持ちになり、気まずくなることがあります。
ちょうどいい時に、この2冊の本に出会い、夫と交換しながら読みました。本を介して自分がやればいいことや気を付けたい事を、この本からそれぞれが学んで、共通理解が出来たように思えます。
夫は何も言いませんが、今まで通り私の時間も自分の時間も大切にし、尊重してくれます。
昨日も夜遅くまで洋裁をしていて、朝寝をしていると「目が腐るで~。」と、一言。起きると、洗濯物を1回分して干してくれていました。ゴミ出しも済んでいました。
私は起きて朝食を頂き、いつものように家事をして、お昼は「何がいい?」「何時にする?」と、言って食事の準備をし、昼食が始まります。
午後からは、それぞれの時間を自由に使います。洋裁をしたり絵を描いたり庭仕事をしたりします。夕方は一緒にゴルフの練習に週3日ほど行きます。
何気ない日常の繰り返しですが、その中にそれぞれの行事が入っていて、飽きることはありません。心地よい時間です。
書写展で懐かしい人に遭遇
先日、友人の書写展に夫と行きました。作品の中に見慣れた名前があって、友人にその人を紹介してもらいました。
以前小学校に勤めていた頃、同僚の先生達と講演会や勉強会などに参加していましたが、その時の講師をされていた先生でした。懐かしい人に遭遇しました。
その当時は、小学校の先生で、私と同じ年で、今は、各地で講演や大学の講師もされており、教師を目指している若者たちに、教育の楽しさを発信していると聞き、元気をもらいました。
夫も高校生に部活指導委員として、テニスを指導しています。人生の沢山の時間を費やして頑張ってきたテニスを、世の中にお返ししていることも、すばらしいと思っています。
夫の高校時代のテニス部の監督は、インカレで2年連続2位になった名選手ですが、夫は3年間一度も叱られた事は無く、優しく公平に指導していただき、私たち夫婦の縁結びでもあります。
夫はこの監督の下で3年間指導をして頂きました。その指導の下、夫は、大阪府で優勝・近畿大会・インターハイ・国体決勝に進出など好成績をあげました。
その後は、選手、指導者として60年テニスに関わっています。そしてその指導は、恩師の監督さんの教えの優しく公平が基本になっているようです。
年をとっても社会とつながっていることは素敵なことです。どんな小さなことでも、誰かの役に立てば、それは素敵なことだと思いました。
これから
この後、どれぐらい一緒に暮らせるかは分かりませんが、今が一番若い時、悔いのない一日を過ごせたらと思います。
「みんな仲良く、元気で!」と、母がよく言っていましたが、今その言葉が心にしみます。
【編集担当より】
人と人とのつながりというのは不可思議なもので、自分が言った言葉や思い浮かんだことなど、必ずなにかしらの影響を受けていて、誰かからつながったものが自分の中で醸成し再構築しているのかなと思ったりします。
その人のその発言に、昔はわからなかった意味があって、今の自分にその言葉が語り掛けてくるといったこともあるかもしれません。もしくは、過去に自分が発した言葉が、今の自分に問いかけてくるなどもあるでしょう。
自分を構成しているモノは、身体的なものであれ、心理的なものであれ、感情的なものであれ、必ず誰かの影響を受けて再構築していると思うと、なかなかに感慨深いものがあります。日々の出会いや言葉の一つ一つが、今は何も感じないことでも、将来大事な出会いになっていることもあるかもしれません。
そう考えると、いろいろなものに活かされているんだなと思います。日々感謝を忘れずに、人に影響を与えられることを少しでもできればいいなと思うところです。