朝礼での3分間スピーチ「人的資産と人的資本の違い」
今朝は朝礼当番だったので、約50人の前でスピーチをしました。
テーマは「人的資産と人的資本の違い」です。
このテーマは私の大学院での主要な研究テーマでもあります。
会計の視点からこの二つの概念を捉え直し、経営における人材の位置づけを再考する機会を従業員の皆さんに持ってもらう趣旨で話をしました。
今回は朝礼で伝えた内容を記事にします。
もし、朝礼などでスピーチする機会があれば、ご参考までに。
「人的資産と人的資本の違いについて」
おはようございます。
今日は「人的資産と人的資本の違い」について、会計の視点からお話ししたいと思います。
この二つの概念は似ているようで、実は経営において重要な違いがあります。
人的資産について
まず、人的資産についてです。
会計上の資産は、経済的利益をもたらしますが、その価値は時間とともに減少、劣化します。
これは減価償却費として財務諸表に計上され、資産の劣化や陳腐化に備えて保守的な管理が求められます。
人的資産をこの視点で見ると、従業員もスキルの陳腐化や、モチベーションの低下などにより、その価値が減少する可能性があります。
そのため、人的資産はコストとして扱われ、短期的な利益を圧迫する要因と見なされがちです。
人的資本について
一方、人的資本は、従業員が持つ知識やスキル、経験といったもので、適切な投資によってその価値を増大させることができます。
人的資本は減価するものではなく、むしろ成長する資源です。
教育やトレーニング、キャリア開発への投資は、長期的には組織の競争力を高め、持続的な成長につながります。
組織は人をどちらで扱うか?
ここで重要なのは、人は減価するものとして、コストとして保守的に管理するのか?
それとも人を資本として捉えて投資し、将来的な価値を増大させるのか?という経営判断です。
人を資産として捉えて、必要最低限の投資しか行わなければ、従業員のスキルは陳腐化し、企業の競争力は徐々に低下するでしょう。
しかし、人を資本と捉えて積極的に投資を行えば、従業員の成長が将来的には組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。
人的資本への投資は、長期的な利益の源泉となります。
これを理解せず、コスト削減を優先すると、将来的な成長機会を失う可能性があります。
まとめ
私たちが目指すべきは、人を単なるコストとして捉えるのではなく、資本として積極的に投資し、その価値を増大させることです。
保守的な管理に留まらず、新たな価値創造に向けた人への投資が必要です。
人の力を最大限に引き出し、持続的な成長に貢献していきましょう。
所感
朝礼で、目指すべきは人的資産を単なるコストとして捉えるのではなく、人的資本として積極的に投資し、その価値を増大させることだと強調しました。
このテーマは、私がMBAでの研究を通じて深く考えてきた課題です。
今後も人的資本の重要性を伝えていきたいと思います。
皆さんもぜひ、自身のスキルや経験を人的資本として捉え、自己投資を続けてください。
それが組織の成長だけでなく、個人の成長につながると信じています。
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