開示から考える会計処理。自己株式の消却
経理の方向けに情報発信して行きます。
ちょろ助@経理の人です。
今回は、ピーシーデポコーポレーションさんの開示から。
自己株式の消却をするみたいです。
まず、自己株式を取得した場合、
自己株式 // 現預金 の様に借り方残高になりますが、
BSでは資本の控除項目で表示されます。
同社のBSの一部です。頭に△がついていますね。
では消却するときはどの様な仕訳になるかですが、こんな感じでしょうか。
その他資本剰余金 // 自己株式
これを前提に同社の純資産を見て行きます。
適時開示によると、自己株式を全部消却する様なので、仕訳は、
その他資本剰余金 // 自己株式 914 になろうかと思います。
ここで、困った。その他資本剰余金の残高がありません。
これだと、仕訳計上後は、、、
その他資本剰余金 △914 になってしまいます。
この結果は良いのでしょうか。
その他資本剰余金が借方残高になってしまったら、
利益剰余金に振替る
期末時点のその他資本剰余金が、
自己株の消却ないし処分で借方残高になってしまったら、
仕訳がもう一本必要です。
今回の例だと
利益剰余金//その他資本剰余金 914を計上してあげます。
すると、その他資本剰余金の残高も自己株式の残高も0になりますね。
ついつい忘れがちなポイント
実務上のポイント(というか忘れがちなポイント)は、
株主資本等変動計算書でしょうか。
下は、同社の22年3月期のSSです。
消却ではなく処分ですが、共に考え方は同じ様なものです。
SSではしっかりと、いきなり利益剰余金にするのではなく、
「自己株式の処分」→「自己株式処分差損の振替」を使用して、
最初に、その他資本剰余金、最後に利益剰余金に振り替えていますね。
単純に残高だけ見て作表すると絶対漏らすので、期中の変動は頭に入れておかないと
いけないですね。私は、多分、漏らします。
以上、共有まで、
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