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『もう一つの勝ち鬨』 鴨下友織菜

108代副将を務めさせていただきます、中距離ブロックの鴨下友織菜です。先日肩を脱臼し、ガチガチに固定してトレーニングをしています。人生三回目の脱臼で、肩が抜けた年は記録がいいので大丈夫です。


【個人の此処ぞ逃し】

突然ですが、私は去年の関東インカレ800m予選、ラスト90mで「此処ぞ」を逃しました。
準決勝が無くなって予選から一発で決勝の大会。私的には、最高の此処ぞの舞台が用意され、シーズンの調子的にも、ポジション的にも、気持ち的にも、本当に決勝にいけると信じていました。
実は、9年間の陸上人生で、大学2年次の秋に800m2“25、400m62秒という自身の中学初戦を下回る最悪でしかないタイムを叩き出しました。大きな怪我からの復活といえど、自分のプライドが流石に許せなく、競技場に来て走り出すjogの一歩目が本当に苦しくて、辞めてやろうかななんて思い詰めてました。
そこから魔法がかかったかのように仲間に支えられ、頼ることを覚え、気づいたら「ちょっと頑張ってみる」ステージがどんどん上がっていた。そしてこれまでの人生の中で最高の水準の練習ができていた。
こんな物語があったからこそ、自分のためにもみんなのためにも108代のためにも決勝に行かなくてはダメでした。今でも覚えているくらい、後ろからの圧を感じても絶対に前を譲らなかった600地点。ゴールが見え、その前に誰もいなかった700m地点での「いける」の興奮。その0.1秒の安堵が命取りで、ラストの二回目の切り替えに負け、終わった瞬間に泣いたレースは初めてでした。

ここまで多くの、「此処ぞ」を陸上人生で逃してた。だからこそか、もうつかみたい此処ぞははっきりしていて、
「関東インカレ800m入賞、全日本インカレ入賞」
です。前者は前述した大学での”此処ぞ逃し”、後者については高校での”此処ぞ逃し”が理由です。400mも、800mもインターハイで予選敗退を経験し、その時に上にいたライバルに勝ちたいから。
決意表明は簡単で、ここからが毎日此処すぎる。毎日の此処ぞ逃しを少しでも少なくし、0にして、次のカンカレのスタートラインに立ちます。

【副将として】

此処まで(もう変換がこの漢字しか出てこない笑)自分のための決意を述べさせていただきましたが、此処からは副将としての決意を述べます。
私は皆の自己決定をちょっとだけ後押しして、自信を作り出すことが得意分野です。
自力では頑張り続けられないこと、でも自分が決めたことを自分で成し遂げることが一番勝利の自信に繋がることを経験してきた自分だからこそ、部員一人一人が半歩先の挑戦をノンストップでし続けられる環境・雰囲気づくり。それらを仲間の横で繋ぎ合わせることを心がけていきます。
此処ぞが叶えられ、やっと勝ち鬨(若き血)をあげられるイメージだと思いますが、私は「勝ち鬨」こそ毎日の中にあっていいものだと思います。元々の意味は「戦争などで士気を高めるために一斉にあげる声」ですが、仲間の素敵な追い込み方、泥臭ささ、動き、考えに気づいて、素敵だと声にして、相手の自信につなげることも一つの勝ち鬨なのではないでしょうか。時には足りてないところを素直に教えてあげるのもそうです。

この年が、たくさんの勝ち鬨に溢れ、それぞれの此処ぞを逃さず叶え、みんなで騒ぐ勝ち鬨に繋がりますように。
どうぞ一年よろしくお願いいたします。

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