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『臥薪嘗胆』 三輪 颯太

こんにちは。あるいはこんばんは。
新入生も多く入ってきてくれたので、改めて自己紹介からさせていただきます。
環境情報学部4年、短距離ブロックで100mと200mを専門種目で、競走部では副将を務めています。三輪 颯太(みわ そうた)です。
新歓期間の後半から関東インカレ前日まで世界リレーの遠征に行っていたため、まだあまりコミュニケーションを取れていない人が多いですが、改めてここから一緒に戦っていく仲間として、よろしくお願いします。
 
さて、みなさん関東インカレお疲れ様でした。
この4日間それぞれの形でこの大会に関わってくれたと思います。
先日全体集合でも触れたように、鉄は熱いうちに打てと言いますので、この4日間で得た刺激を早いこと記録に残すことをおすゝめします。
しかし、冷めた鉄は簡単に形を変えることが叶わないように、想いについても時間の経過とともに薄れてしまうものです。
そこで、今回のブログでは想いをいかにして持続させるか、すなわち関東インカレが終わった後のモチベーションをいかにして持続させるかについて綴っていきます。
長くなってしまうと思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。



はじめに

先日の全体集合に居なかった人用に、簡単にその内容についてまずは触れていきます。
ブログの冒頭でも言いましたが、僕は4/23~5/8の期間、世界リレーの4×100mリレーの日本代表として遠征に行っていました。
 
代表遠征ではほとんどの場合ホテルを相部屋で過ごすらしく、今回も例に漏れず私は広島大学の山本くんと、筑波大院の木梨さんと同じ部屋でした。
日本代表レベルの選手と寝泊まりを共にし、大会会場では世界トップレベルのスプリンターの過ごし方を見てきました。
そこで学んだこととしては、やはり競技力が高い選手は練習時間外の過ごし方も意識が高いというものでした。というのも、100mの自己ベスト9秒89、200mの自己ベスト19秒68を持つアメリカのK.ベドナレク選手が大会1日目終了後にリカバリーのためにアイスバスに長時間浸かっていたのです。僕も同様に浸かりに行ったのですが、あまりの冷たさに10秒と持たなかったので、トップ選手の忍耐力とリカバリーにかける思いの強さを知りました。また、山本くんは食事管理を徹底していて脂肪をことごとく避けていたり、木梨さんも部屋でのセルフケアを欠かさなかったりと、競技力の高い選手は練習の時間以外、すなわち普通だったら陸上のこと以外に時間を使っているときにも陸上のために時間を費やしていることを知りました。

左:木梨さん、右:山本くん

対して、みなさんも同じように、この関東インカレを迎えるにあたって、もしくは関東インカレの標準記録の突破を目指すにあたって、普段よりも陸上以外の時間を陸上に費やす割合が多く、禁酒、禁欲など、さまざまな我慢をしてきたことでしょう。しかし、それに対して満足する結果は得られたでしょうか。
私も含め、多くの人が満足する結果は得られなかったと思います。それにも関わらず、一旦関東インカレが終わったからといって、我慢してきたことを解禁していても、また来年満足できない結果を残すだけでしょう。
鉄は熱いうちに打てというように、関東インカレがおわって悔しい想いをした今だからこそ、その想いを大切にして我慢してきたことを続けなければならない、いや、我慢していても悔しい想いをしたのだから、それ以上のことをしなければならないと思います。
 
関東インカレが終わった今だからこそ、その想いを綴り出し、記録し、来年の関東インカレないし、7月の早慶戦などの次の公式戦に向けて行動を始める必要があるのです。


臥薪嘗胆

さて、以上が土曜の全体集合で話した内容ですが、行動を始めたからといって、それを意識し続け、モチベーションを来年の関東インカレまで続かせるのは至難の業です。
 
そこで、1つの言葉を紹介します。みなさんは臥薪嘗胆という言葉を知っているでしょうか。
私がこの言葉を高校の漢文の授業で教科書に載っていたのをキッカケに知りました。高校の教科書に載っているくらいなので、知っている人もたくさんいると思いますが、私の拙い知識で軽くあらすじを紹介します。
 
中国の春秋戦国時代、呉という国と越という国で戦争が起こり、呉の王、闔閭(こうりょ)が越の王允常(いんじょう)に敗れ、命を落としました。
それに対して闔閭の子である夫差(ふさ)は父の仇を討つために越国に復讐する決意をしました。夫差は2年ほどで呉国の軍備を整え、その期間硬い薪の上に臥す(寝る)こと(臥薪)で越国に対する復讐心を忘れずにいることで、復讐に成功しました。
その戦いにて、越王は允常の子である勾践(こうせん)に移っており、戦いの後勾践は夫差の奴隷として恥辱の3年間を過ごしました。
その後、越国に帰ることを許された勾践は呉国に対する復讐を誓い、10~15年ほどかけて復讐の準備をして、その期間胆(めっちゃ苦い)を嘗めること(嘗胆)で呉国に対する復讐心を忘れずにいることで、復讐に成功しました。
このように、悔しい想いを忘れないために、夫差は薪の上で臥し、勾践は胆を嘗めることで復讐をすることに成功しました。

臥薪嘗胆.img (作:三輪)

長い期間モチベーションを持続させるためには、このように悔しい気持ちを忘れないような日常を送る必要があります。そこで、私たちには何ができるでしょうか。
そこで、先述した悔しい気持ちを綴ることに立ち返ります。文字に起こして記録することで、それを定期的に見返すことで当時の悔しい気持ちを思い出すことができるのです。それに加えて、レースの映像とかもあればなお良いかもしれません。
 
悔しいと言う気持ちを持続させるために、熱いうちに打った鉄を見返すということをおすゝめます。


絶望する才能

この臥薪嘗胆という言葉が私にとって出会った当時とても印象的だったのには、理由があります。それは、幹部就任時のマネブロでも軽く触れたのですが、スポーツをする上では、悔しいという気持ちをどのくらい持続させられるかがとても重要なことだと考えていたからです。これを僕は絶望する才能と呼んでいます。
 
この呼称は「ブルーロック」というサッカー漫画で出会ったのですが、馬狼照英という幼少期からキングと呼ばれてサッカーがとても得意だった青年が、初めて自分の実力が通用しない環境に陥って、己の非力さを実感し、絶望します。しかし、そこで諦めるのではなく、今までのやり方では通用しないことを認め、新しいことに挑戦するという覚悟を決めるシーンにて、「己の非力を痛感できる強さ。絶望する才能だ。絶望してもなお戦わんとする人間に、夢を叶える力は宿る」と言われていました。

人間誰しも、特にスポーツをしていれば、必ず自分の力が通用しない壁にぶちあたります。そこで諦めるか、それでも戦おうとする意思を持てるかどうかが、夢を叶えるか諦めるかの分水嶺だと思うのです。おそらく、活躍しているスポーツ選手ほどたくさんの絶望をしてきたと思います。


何が言いたいかというと、悔しいという想いをするのが関東インカレや試合だけだと、もったいないと思うのです。せっかく競走部という団体に所属していて、ライバルも近くにいるのにその相手に練習で負けたことを、試合で負けたときくらい悔しがる、絶望することで、新鮮な悔しいという感情を得ることができます。しかもそれは頻繁に起こりうるので、モチベーションの維持にもつながります。ライバルがいなくても、競技力を上げる上で誰しも必ず課題を持っているはずで、その課題を解決できないという自分に絶望することができます。

実際私はこの方法で陸上のモチベーションを保っています。究極の負けず嫌いですね(笑)
ぜひみなさんも試してみてください。


おわりに

いかがだったでしょうか。ここまで結構ガチで僕の陸上モチベーションの根源的な話をしてきましたが、誰かの心に響いていたら幸いです。
 
軽く言いたいこと、すゝめたいことを整理します。
・まず、関東インカレなど、大きな大会などで悔しい想いをした場合、早めにその想いを記録として残してください。映像などもあれば一緒に残しておくと、なお良いです。
・そして、定期的にそれらを見返すことで悔しい想いを思い出してください。悔しい想いというのは行動に直結します。
・さらに、悔しい想いを得るのが試合だけだと勿体無いので、普段の練習から常に悔しい想いを味わってください。定期的に見返さなくても新鮮で頻繁に悔しい想いを感じることができるので、モチベーションの維持につながります。
 
これらを続け、究極の負けず嫌い精神で日々を過ごすことができれば、いつか必ず結果がついてくると思います。

我が部が誇る広報さんによる格好良すぎる画像

今回の関東インカレ、男女ともに目標点数に届かなかったという事実に対して、大いに絶望しましょう。そして、その絶望に負けることなく、戦い続けることで次の公式戦、また来年の関東インカレで必ず結果を残しましょう。
 
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
レッツ 絶望!!

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