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『真理』 穂苅 大和

こんにちは。107代投擲ブロック長の穂苅です。
ポカリと呼んでくれても構いません。
普段から文章を書くのには慣れてますが、書くのはいつも事実をつらつらと書き連ねるレポートばかりなので、ブログとかは苦手です。拙い文章とはなりますが、少しばかりお付き合いください。 



1.   きっかけ

自分が陸上を始めたのは高校からです。集合でも少し話しましたが、中学の頃はバスケ少年で、陸上を始めるにしても完全に長距離体型、そうコーチに言われたのを今でも鮮明に覚えています。実際、長距離の方が得意で、メンバー不足で投擲でありながら、高校の駅伝とかにも駆り出されてました。そんな自分が、なぜ投擲という真逆の世界に飛び込むことになったのか。それは不思議な縁があったと言うしかありません。自分でもよくわかりません。
 

2.   はじまり

そんな不思議な縁から始まった自分の陸上・投擲生活ですが、始めた当初は右も左もわかりませんでした。投擲をやっているのは先輩が1人だけ。しかもその先輩も、1年も経たずして受験勉強に備え、半ば幽霊部員状態になっていき、投擲を誰かに教わると言うことはほとんどありませんでした。そんな中でしたが、初心者というのはありがたいもので、投げれば投げるほど記録が伸びていきました。それに同期にも恵まれ、陸上が苦しい、辛いと思ったことはほとんどありませんでした。高校生活前半は、良くも悪くも和気藹々と陸上を楽しむエンジョイ陸上時代だったと思います。

 

3.   転換

そんな陸上生活に転機が訪れたのは、高校2年生の秋頃でした。ただ楽しんで投げていれば記録が伸びていった時期が過ぎ、徐々に記録に伸び悩むようになりました。それと同時に、怪我も増え、思うように投げられなくなることが多くなりました。そんな時期に徐々に周りが受験勉強モードに入り始め、陸上・受験ともに焦りを感じる機会が増えました。そんな時に、自分の今までの価値観を180度変える人に出会います。それは、受験への焦りから突如入った塾の物理の先生との出会いでした。陸上とは全く関係のない世界の、全く関係のない話が、今の自分の人生観ないし陸上観に大きく影響を及ぼすことになります。
 

4.   真理

その先生との出会いで感じたものこそが、今回タイトルにした、「真理」です。
その先生は、物理講師でありながら、数学も教え、塾の経営も行う不思議な先生でした。初めて面談でお話をした時、突如不思議なことを言われました。
 
「数学は言語で物理は数学だよ」と。
 
最初は何を言ってるんだこの人はと思いました。しかし、徐々に話を聞いていくに、先生の言っている内容がわかりました。数学は数式という形で自然科学を記述する言語であると。そして物理は、数学という言語によって記述された、世界を表現する文章なのだと。
 
これを最も分かりやすく表現したものに、運動方程式というものがあります。
みなさんも高校の頃、ma = Fという形で習ったのではないでしょうか。
 
ただ大学で物理をやっている人でma = Fと書く人はほとんどいません。

大学物理の世界


こう書くからです。ちなみにドットは時間による微分を表しています。理系以外の人は何を伝えたいのか全くわからないと思います。なにせ皆さん苦手な微分のお話ですから。
 
でも話は単純です。速度って距離を時間で割って求めますよね。その時の一瞬の速度を出したければ、計測する時間をちょー短くすればいいわけです。一瞬に進んだ距離をかかった時間で割れば一瞬の速度が出るように、加速度も一瞬の速度の変化量をかかった時間で割れば求まります。これこそが微分であり、物理の力学の全てであるのだと。
 
aをxの微分に置き換えただけで物理という世界から、数学の微分・積分学という学問にはやがわりです。恐ろしいものですね。
 
これをちょーっと式変形すると、高校で覚えたありとあらゆる公式ができます。本当です。興味があれば調べてみてください。
 
運動方程式で結局何が伝えたかったかっていうと、数式という言語で記述されたたった4語の言葉が、世の中のありとあらゆる力学現象を説明する文章となっているということです。それを紐解いていった結果、いろいろな公式などが作り出され、微分であることを感じさせないために加速度aというものが生まれ、本質が見えない化された今の高校の物理があるというわけです。
 
一つの幹のようなものがあり、そこから分岐していろんな枝ができ、それを我々は享受している。分岐を繰り返した結果に生まれた枝の先端しか知らない私たちにとって、幹を知る術はほとんどありません。そう考えると、幹に普遍的で、どこか神秘的な、世界の真理が詰まっているようなものを感じませんか。そこにある真理を探究してみたい。これこそが、私が先生の授業から感じ取ったものであり、自分の今の人生観・ないし陸上観を形成している考えです。
 

5.   陸上観

物理の話が長くなり過ぎてしまったので、陸上の話に戻りたいと思います。
この先生と出会った時から、自分の陸上観にも転機が訪れました。やり投・陸上ないしはスポーツ全般においても、幹なるものが存在するのではないかと。
 
それを知ってみたい、その先の世界を見てみたい。
 
それは果たして腹圧と呼ばれるようなものなのか。ないしはパワーポジションなるものなのか。その正体はわかりませんが、それを探究する過程において、自分が今まで見たことのない世界を体感でき、新しい視野が開けると思います。
 
幹に近づいていく過程、それはすなわち成長の過程であると思います。より多角的な視点から自分を見れるようになるで、自分にとってブレイクスルーとなりうる考えに辿り着くかも知れません。そして、それは結果という形で伴って返ってくると確信しています。
 
競走部という高い母集団は、自分の見えない世界をたくさん知っている人がいる世界であるように感じます。この人が見えてる世界を自分も見てみたい、これこそが今の自分を突き動かす原動力であり、大事にしてきた考えです。
 
皆さんに同じように考えろと言うつもりは一歳ありません。
自分にとって芯となるような考え、原動力をぜひ見つけて突きすゝんでください。まだ見つかってない人がいるのであれば、今日の話が少しでもヒントになれば幸いです。
 
長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今年1年どうぞよろしくお願いします。


すゝめ

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