ジブン広告で、初めてクライアント側をやってみて分かったこと。
先日、クラウドファンディングで自分の広告を買った。
買った瞬間に起こった、数々の面白い現象や気づきは、前回noteにまとめた。
広告クリエイターが自分の広告を買ってみたらこうなる。→ https://note.mu/keiokei/n/nff80136fe8e1
今回は、自分の広告を作ってもらってるうちに気づいた、新たな発見についてnoteに記録しとければと思う。
それは、「初めてのクライアント体験」で気づいたことだ。
僕は普段、広告業界のコピーライターとして、コピーや企画を、クライアント側に提案している。もう業界で12年間。ひたすら提案する側だ。
けど、今回、自分の広告を買ったことによって、初めてのクライアント体験をすることになった。
視点が逆さまになると、また違うものが見えてくる。今回は気づけたことを3つ紹介したい。
①ヒヤリングは、する方にとってもされる方にとっても大事。
まず広告を作るにあたって、前田さん始め、前田デザイン室の浜田さん松本さんとZoomで打ち合わせをすることになった。
「ヒヤリングをさせてほしいと」のことだったので「どんな広告にしたいですか?」くらいの話だと思ってたのだが、僕のヒヤリング終わった後の感想がこれ。
そう。カウンセリングかと思うくらい、ヒヤリングを受けた。
今回の広告は、元任天堂の前田さんらしくキャラクターをドット絵で作ってくれて、それを広告にするというものなのだが、
深くヒヤリングを受けた上で、前田さんが言った、
「ドット絵で表現するからこそ深く知りたいんです」
という言葉はクライアント視点で僕に、刺さりに刺さった。
やっぱり広告を作るにあたって、改めてヒヤリングは大事だ。深く知るからこそ生まれるものがあるし、深く聞いてもらった中で出て来たアイデアは、クライアントサイドとしても納得感がある。
②想像を超えた提案は嬉しい。
さてヒヤリングを受けてからしばらくして、広告に使うキャラクターが出来上がってきた。
前田さんディレクションの元、実際にデザインしてくれた安村さんのツイートが、「そんなところまで考えてくれたのか?」が分かって嬉しかった。
確かに半ドット髪を浮かせることでふんわり感が出たり、普段僕が着ている半袖黒Tとジーパンにしてもらってグッとキャラとして愛せるようになっている。
ヒヤリングだけでなく過去にツイートしたnoteまで参考にしてくれている。この前田デザイン室の深堀りはなんだ。
そして、その深堀りから生まれたキャラクターは想像以上に僕の分身だった。
ということで、
クライアントとして、めっちゃ喜ぶ僕がいた。
クリエイター側として、「よくこんなこと思いつきますね!」と喜ばれたときは嬉しいと思っていたが、クライアント側としても想像を超えた提案は嬉しいことを実感した。
③相手には「なんとなくいい!」と思ってもらっても、作り手側には明確な意図を持つ方がいい。
最後は制作者側として、再確認したことだ。この安村さんの解説には、「なるほどー!」と感心させられた。
見たときに、「なんか鉛筆が目立ってて、コピーライターのキャラとしてはいいな!」と思ってたのだが、
背景に「ドット絵なのに、あえて禁じ手の鋭角を使うという技」があるとは思いもしなかった。
僕もコピーライターとして、常に相手には「なんかいいな!」と思ってもらいながらも、作り手として「明確な狙い」があってコピーを書くべきだと思っているのだが、
前田デザイン室には、脈々とその技が共有されていて、鋭い使い手がたくさんいるのだなと感心させられてしまった。
クライアント側の視点は作り手側として大きな武器になる。
さてこうして経験してみると、本当にクライアント側の視点になれるのは勉強になる。
いい提案には、「こんなに考えてくれたんだ!」とか、「おー!こんな風にできるのか」とか、本気でワクワクしたり、感動したりする。
世の中にはたくさんの広告クリエイターがいるけれど、クライアント体験をしたことがあるクリエイターはほとんどいないと思う。
この視点を大事にしながら、また作り手側として、相手が喜んでくれる提案を続けたい。
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