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「探究的な学びデザイン」 酒井淳平

本書の整理

探究の必要性

 探究とは、物事の真相や価値について深く考え、明らかにする過程のことである。現代の学びが、特定の知識を習得する「コンテンツベース」から、自己成長との関連性を見出しながら学ぶ「コンピテンシーベース」へとシフトしてきている。未来を生きる子どもたちには、新しい価値を創造する力が必要であり、その力を育む探究は欠かせないものとなっている。

探究学習へ取り組む理由

 探究学習を始めるにあたって、「なぜ探究学習を始めるのか」を明確にすることが大切である探究が手段ではなく目的となってしまわないように、逆向き設計を行うことが重要である。探究する理由→育てたい資質・能力→成果物→使える時間数、というようにカリキュラムを設計していく。さらに、ゴールは最低ラインを設定し、余白を持たせて探究を進められるようにすることがポイントである

探究学習の本質

 探究学習は、マイテーマに出会い深めることを目的としているが、「どうすればマイテーマや進路学習につながるのか」「マイテーマが設定できない」といった課題があげられる。しかし、マイテーマは固定されるたものではなく、少しずつ育てていくものである。教師は生徒が「〜〜できたらいいな」という気持ちを持って伴走することが大切である。興味のあるテーマを調べ、まとめ発表するだけでは探究学習にはならない。情報収集から課題を見つけ、解決策をプロセスが重要である。

探究学習における教員のマインドセット

 探究学習の評価は簡単に数値化できないため、教師は評価方法に課題を感じることがある。この課題を解決するためには、ルーブリックを作成し育てていくことが必要となる。完璧なルーブリックを求めるのではなく、どのような子どもたちを育てたいかを教員間で共有し、評価規準を育てていくという姿勢が大切である。教員は、学びの主導権が子どもにあることを自覚し、質問を通じて子どもが自ら考えを深められるようにしていく。

まとめ

探究学習に取り組む中で、自分が生徒に失敗させたくない、という思いが強くなっていることに気付かされた。しかし、探究学習の本質は、失敗を恐れず挑戦することである。授業の目的を明確にし、そのために必要な行動を一緒に考えながら、失敗を恐れない授業展開を目指していきたい。

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