刑の魔。20210926
起床。ぼんやりしながら午前の時間に予約した『由宇子の天秤』を観に渋谷ユーロスペースへ。
ユーロスペースのセブンのうす焼き煎餅レベルのクッションと賞味2時間半の鑑賞でケツが痛くなることこの上なかったが、作品に関しては死ぬほど重いテーマを演出、脚本、キャストの演技とで見事なエンタメ作品に昇華させてて今年の邦画マジ当たりまクリマクリスティ猫大好きフリスキーと感じずにはいられず。
ドキュメンタリー番組のディレクターが主人公なのでみんな大好き入れ子構造になってるんだけど、手ブレ感のあるカメラや後ろ姿を追うようなショットが多くて主人公・由宇子の感情に観客がシンクロしていって作劇上で疲弊する主人公と同じように追い詰められていく感覚になるっちゅー構造が、まあお上手、そしてしんどい。主題は「真実ってな〜に?」だと思うんだけど、まず語り手が変われば真実の形も変わるので、その人物の置かれた立場や他の人物との関係性から導き出された(とされる)真実にはバイアスがかかっていてめちゃくちゃ曖昧なもののはず。なのにメディア報道によって曖昧なはずの真実はその時点である種の太鼓判を押されてしまう。そのメディア・リテラシーの問題と報道のあり方も問うていて根深いったらありゃしない。
真実というものをドキュメンタリー番組を通して作為的にコントロールできる立場にある由宇子は作中で明らかになっていく真実の断片を受け止めながら報道者としてのスタンスと道義的な正しさ、主観と客観の間で揺らぎまくり疲弊していく。観ている側も同様に。だからこそ最後に下した決断に共感し、そして絶望する。でも、そこにはほんの少し希望もあって、みたいに感じました。
まあ前情報全然入れずに観たんだけど、とにかく食らいましたわ。
食らい過ぎてちょっとパチ屋いって『楽園追放』を打ったぐらい。軽く負けて頭も痛かったので帰宅後すぐに寝る。楽園には受け入れてもらえなかったよ。
23時頃に起きてちょっとSNSを観て深夜に就寝。