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「月」のカードとDrunk-Dazed~再生と夜明けへ

初っ端いきなり話はそれますが…


ディオールの2021年秋冬オートクチュールコレクション

「タロットの城(LE CHÂTEAU DU TAROT)」



めちゃくちゃタロットの世界だったーーー!
美しすぎたーーー!

そしてこの間あったショーは古代ギリシャテーマだったとのこと。


もう私の中では完全にENHYPENとだだかぶりで良き。



あ、でも、彼らがDAZED KOREAで着てたDIORは2020 MENSコレクションの方。

こっちは、「宇宙空間のダイナミックな映像を背景に、クラシックスタイルとサイケデリックなカラー、そしてポップなモチーフを融合した」そう。

たしかに。めちゃくちゃ宇宙感とか未来都市感は伝わる!


さて。タロット(シリーズ第3弾)の話に戻ります。


Drunk-dazedが「月」をテーマにしていることはほぼ周知の事実。

UPバージョンのコンセプトクリップにはアポロンとアルテミスの像。
アルテミスは狩猟と月の女神


カムバックショーの記者会見ステージの後ろには、ヘカテーの3面像
別名「死の女神」「ラミアーの母」。

この3つの体を持つ姿はヘカテーの力が天上、地上、地下の三世界に及ぶことや、新月、半月、満月(または上弦、満月、下弦)という月の三相、または処女、婦人、老婆という女性の三相や、過去、現在、未来という時の三相を表している。
新月や闇夜の側面はヘカテーが代表することが多かった。
また、月と関連づけられたヘカテーの三相一体の具現形態は、天界では「月神」のセレーネー、地上では「女狩人」のアルテミス、冥界では「破壊者」のペルセポネーだった。
また、貞節なディアーナであると同時に、冥界の地獄の側面を表象するヘカテーであるという二元性を表すとも考えられた。(Wikipediaより)


そして、なんといってもMVのクレジット。

Darkmoon with ENHYPEN


このDark moonについてはいろいろな考察がありますが、私は「Dark moon=ラミアー=リリス説」を支持しています。

なぜなら、リリスは占星術では「DARK MOON」と呼ばれているから。


ラミアーは、先ほどヘカテーの3面像のところで「ラミアーの母」としてチラッと出てきたが、アダムの前妻であるリリスとよく同一視されている。またヘカテーと同一視する説も。

ラミアーといえば女吸血鬼、夢魔、半身半蛇の怪物、リリスも悪霊、悪魔、夜の妖怪などなど、とにかく怖い存在、悪者として描かれることが多い。(補足※1)
一方、現在ではリリスは自立した女性として、フェミニズムのシンボルとなっている。
二元性や多様性を持つ存在なのである。

そして実は、あのエヴァンゲリオンにも「黒き月」のリリスとして登場する。

長くなってしまうのでさくっと説明すると、エヴァでは、リリスの体液は40億年前の生命誕生時の海「生命のスープ」と同じ成分で、この体液から人類が生まれたとされている。
エヴァのコックピットを満たすLCLという液も、このリリスの体液。

エヴァではリリスの体液は生命の源なのだ。

この辺りは今度エヴァ回でくわしく…。
とりあえず今回は、ENHYPENの世界では「月は多様性を持つ存在」として表されているということだけお分かりいただければ、と。

で。ようやくタロット出てきます。

まず、月のカードを見ながら共通モチーフ探しから。

月は三日月、半月、満月が重なって描かれている。
これはさっき出てきたヘカテーの3面像と同じような解釈で、過去、現在、未来の時の経過を暗示しているのだとか。

月の後ろをよく見ると、太陽が隠れているかのよう。
これは日食では?とも言われている。
日食はENHYPENのIntroやOutroにも登場した。


そして、広がる荒野には犬と狼。

いる。犬も狼も。

どっちもジェイクだけども。


そして、TXT先輩によれば、犬と狼の時間は魔法の使える時間らしい(5時53分の空で見つけた君と僕)。

日本語版の歌詞では、♪ 犬と狼の時間 魔法よ解けないで♪

「犬と狼の時間」とは元々はフランス語の表現で、犬と狼の区別がつかなくなる黄昏時、夜の帳がおりはじめる時間帯のこと。


では、ここでジェイクがどんな魔法使ってるかというと?

キーポイントはジェイクの印象的な振り付け。

この部分。
ここで、ジェイクは左手をトントンス~っと目・目・口のように動かしていて、ジェイクのシグニチャーでもあるスマイルマークを表しているのではないかと考えている(補足※2)。

そして、そのスマイルマークにはシグニチャーだけではなく、もう1つの意味が。

それは蟹座のシンボルマーク♋


スマイルマークとちょっと形が似ている蟹座のシンボル。
♋マークは乳房と子宮を表しており、ジェイクが触るあたりと一致している。

ここで急になぜ蟹座かというと??(補足※3)





実は、蟹座は星座の中で唯一「月」を守護星に持っており、元々「再生と復活」の象徴なのである。


蟹座のカニはザリガニとして描かれることも多い。

つまり、ザリガニもジェイク。


有名なミュシャの黄道十二宮(補足※4)でも、よく見ると蟹座はザリガニとして描かれている。


スマイルマークの振付けがあるMVの部分は、逆さまになったジェイクがコップの中身をひっくり返す場面。


すべて逆さまの世界なので、ここでは床が「空」。

ジェイク=虹の神イリスの能力は、「水分を雲にためて雨を降らせ、天界との架け橋となる虹をかける」という能力。

ギリシャ神話に基づいた能力についての考察はこちら↓

ここまでをまとめると、Drunk-Dazedでは…

魔法を使える犬と狼の時間に、ジェイクが蟹座の「再生と復活」の魔法を使っている!

つまり、あのソンフンの場面の雨を降らせたのはジェイク。
そして、その雨の意味は「再生と復活」。

ということになるのです。


もう1つ、月のカードに描かれている「2本の柱」。
その柱の向こうへと続く「長い一本道」。


この門のような2本の柱は、善悪や陰陽などの二元性をあらわすとも解釈されている。
また、手前の緑色の荒野の世界と奥に見える青い山々の世界との境界=Borderを示す、とも。

実は、この2つの柱は死神のカードにも描かれており、門(境界)の向こう側には夜明けを示す太陽も描かれている。

この2本の柱。
私たちがよく目にしているものに似ていると思いませんか?

そう、それは…HYBEのロゴ。

HYBE NEW BRAND PRESENTATIONによると、新社名「HYBE」は多様な構成員、ネットワーク、アーティストとファンのつながり、つまり「連結、拡張、関係」を象徴する。

またこのシンボルは、多様なハーモニーが重なった五線譜を一つの横線に圧縮し表現されているそう。(動画20:37あたり~)

となると、この2本の縦線は楽譜の「始まりと終わり」。

シンボルマークを説明するVCRの中には、月のカードに似た荒野を走り抜ける場面や、Outro:The Wormholeに出てきたような2本の柱の間を通って、時空間を通り抜けるような場面も出てくる。

このHYBEの理念は、ENHYPENのグループ名にも込められているように感じる。

グループ名の「ENHYPEN」は、連結記号“ハイフン”のように、異なる7人の少年たちが“つながって”、お互いを見つけて一緒に成長するという意味。音楽を通じて人と人、世界と世界を“つなげる”という意思が込められている。(Wikipediaより)

(🔗Outro:The Wormhole)

ここで最後に、月のカードの意味を見てみよう。

正位置の意味:不安、憂鬱、迷い、現実逃避、将来が見通せない、トラウマの影響、フラッシュバック

逆位置の意味:不安や誤解からの解消、過去からの脱却、好転し始める、問題に光が差す、未来への希望
(タロットファン.jpより)

先ほど出てきたジェイクの部分、歌詞ではちょうど新しい世界や自分への「不安」について書かれている。
これは正位置の意味に当てはまる。

ただ、何度も繰り返されるように、ここでは逆さまの世界。
逆位置の意味をみると、「」「未来への希望」というキーワードが。
また、逆位置は「夜明け」と解説されていることも多々ある。

夜明け=DAWN

月のカードに似ている荒野と山々はここにも!

Intro:Walk the Lineについて書かれた記事には、そのナレーションについて次のようにまとめられている。

広い地を横切る長々とした線、僕らはその線に沿って歩く。
その終わりにどんな空が繰り広げられるか知らないから僕たちは走る。
僕たちの眩しい夜明けを世界に刻むために。


BORDERシリーズの始まりだと思っていたWalk the Line。
実はBORDERシリーズのゴール(終わり)でもあり、またその先の新たな始まりを表しているのかもしれない。

Drunk-Dazed、BORDERシリーズ全体にわたって、夜明け(Dawn)=「終わりと始まり」へと繋がるシンボルだけでなく、HYBEの理念に繋がるシンボルがたくさん散りばめられていると思うのだ。

以上、月のカードから読み解いてみたENHYPENの世界でした。


タロットシリーズ第1弾「塔」のカードから読み解いてみた考察はこちら↓
HYBEとタロットとの親和性の高さについても書いてます。

ユングの「shadow」との関連から読み解いてみた考察はこちら↓

⚠️タロットのカードの解釈には諸説あります⚠️
私なりの解釈、考察も含まれているので、このような解釈もできるのだなぁとあたたかく見ていただけたらうれしいです。


⚠️ここからは補足説明です⚠️

〖 補足※1〗
ユダヤ教の言い伝えで、男児の命を奪うものとして恐れられていた悪霊「リリス」を追い払うために唱えられていたヘブライ語の呪文が “Lilith Abi” 。
これがLullaby=ララバイ(子守唄)の語源であるという説がある。「リリスよ、去れ」という意味。

セオンのI-land入場テスト曲:GOT7/Lullaby
ジェイクのおすすめ曲:MASEGO /Lavish Lullaby
ジェイのおすすめ曲:KATIE /Lullaby


〖 補足※2〗
ペンサイン会で、ジェイクがこの部分の振り付けについて聞かれた時に、「鏡を表している」と答えてくれたと報告されている方のtweetをお見かけしたことがある。

この部分の歌詞は「鏡の中の自分がわからない」。

BTS/BUTTERの「When I look in the mirror」やLet Me Inの「window」の振り付け部分のように、自分の前に四角(鏡や扉)を描くのではなく、自分の体に顔を描くという振り付け。ただ単に鏡というだけでなく、何か上乗せされた意味があるのではないかと思われる。


〖補足※3〗
BTSと月、蟹座との関連はHYBE INSIGHTに飾られている絵にも見られる。
James Jean氏が描いたRMの絵は「Moonchild」と説明されている。
Moonchildには、そのままの「月の子」という意味の他に「蟹座の人」という意味がある。
また、SUGAの絵には月と関連の深い「海」、そして「蟹」も。


〖補足※4〗
アルフォンス・ミュシャはアール・ヌーヴォーを代表する画家で、多くのポスター、装飾パネル、カレンダー等を制作した。ミュシャの作品は宝石(植物)などの様々な概念を女性の姿を用いて表現するスタイルと、華麗な曲線を多用したデザインが特徴である(Wikipediaより)。
TXTのThe Chaos Chapter: FREEZEのトレカには、ミュシャ風のトレカもある。

(写真は部分的に加工しています。)


ここまで読んでいただけてありがとうございます。

スキ❤を押していただけたら、個人的に好きなEN'OCLOCKの字幕シリーズ出てきます!


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