昭和の雰囲気の西新井大師
芝山鉄道は、成田市の東成田駅と山武郡芝山町の芝山 千代田駅を結ぶ、日本一短い鉄道です。旅客運輸を行う普通鉄道に限れば、自社で線路を保有し運送を行う第一種鉄道事業者としては日本一保有する路線が短い鉄道
鉄道に乗っていると昭和の風景に出会うことも珍しくありません。
関東の三大厄除け大師と呼ばれる西新井大師。
ここには僅か1.1kmの路線距離を走る鉄道があります。
東武大師線です。
乗車時間も2分というとても短い路線です。
第一種鉄道事業として普通鉄道では、日本一短い路線は千葉県にある芝山鉄道です。
でも、それに劣らない東武大師線。
東武西新井駅から大師駅までの一区間を往復運転しています。
元々は西新井から上板橋を結ぶ路線として開業したのですが、関東大震災が起きたことで当初予定していた買収が遅れたことと、建設費の高騰から用地買収が完了したこの路線のみ開業しました。
元々、距離の短かった大師線ですが、環状七号線の拡張工事で駅が移転。
今の駅になったことで路線が100m短くなったとか。
それと大師駅には改札口がありません。
つまり改札も券売機も無いという不思議な感覚。
こんな大きな駅なのに無人駅というのですから思わず券売機を探してしまいます。
東京23区内にある無人駅ですから貴重です。
では切符はどうするのか?
そう、西新井駅が大師駅の機能を全て肩代わりしてくれています。
中間改札で清算を済ませて乗り継いでいくことも珍しいですね。
それと、どちらの駅もバリアフリーにはしっかり対応しています。
エレベーターが設置されていますから車いすでも大丈夫。
お年寄りや障がい者でも気軽に訪れることができます。
東武鉄道では、昭和30年代に採用されていたリバイバルカラー車両の運行をしています。イエローの車体にオレンジのラインが入った車両が昭和レトロ感を演出しています。
そして駅の名にもなっていする大師こと西新井大師は、正式名は五智山遍照院總持寺と言う、真言宗豊山派の寺院です。
真言宗を開宗した弘法大師は、歴史上「空海」として知られる有名人。
先にも書きましたが、西新井大師は関東三大厄除大師のひとつとしても知られています。境内には壮大な様相の大本堂をはじめ、文化的にも価値の高い建造物が数多く存在しています。
趣のある江戸時代後期に建立された山門をはじめ、雪を被ったような姿に驚く塩地蔵様。イボ取りなどにご利益があると言われており、塩を頂き、患部に擦りこみ功徳があれば、倍の塩を返す習わしになっています。
また魅力的姿の弘法大師立像があります。
もともと西新井大師は、女性の厄除け祈願所として栄えていました。
大本堂の裏には女性のためのお堂があり、女性の様々な願い事にご利益がある場所として多くの女性が訪れています。
境内の散策が終われば、商店街へ向かうとそこは昭和レトロが広がる街。
甘味処の団子屋もそうですが、目を引くのが食堂のかどやです。
とにかくこの風格はまるでタイムスリップしたような感覚。
入場料など払わずに昭和体験ができます。
もちろん食べるのはワンコインのラーメン。
当時と変わらぬ中華そばが目の前に!!
東武鉄道の大師線は、東京でタイムスリップを味わえる街なのです。
■甘味・軽食かどや
■所在地: 〒123-0841 東京都足立区西新井1丁目7?12
■営業時間: 16:30
■電話番号: 03-3890-2360