「自傷」3
数日間は確か辞めていた、と思う。我慢したイメージはないけど結局やっちゃってたことを考えると、多少なりとも我慢していたんじゃないかしら。
単なる暇つぶしで、日課だったから。
辞めなきゃいけない理由もわかんなかったし。
当時、何を思って辞められなかったのかは見当もつかない。バレない場所に傷をつけてみたり、同じとこに重ねて分かりにくいようにしたりと試行錯誤はした。傷の数を減らす代わりに、ひとつひとつが深くなっていく。痛みに慣れたせいもあるんだろうけど。中学2年生の時から始まったこの癖は、結局高校を卒業するまで続いてしまった。今でも左腕は白い跡がいくつかついていて、たまに人に突っ込まれたりもするけどまぁ消さなかったし消そうとも思っていない。接客業が故に上司に叱られたこともあったなぁ。
過去形で話しているように、私は腕を切るという癖が抜けた。(やめた、という言い方をしないのは決して悪いことをしていたわけではないからだし、後ろめたいことをしたとも思っていないからだ) 理由は簡単。大学進学に伴って、私服の機会が増えたから。見栄えが良くない、というのが表向きの理由。ある時気付いてしまったもうひとつの、おそらく根本の理由は「誰も見てないし」というものだった。わかってしまった時は若干の自己嫌悪に陥ってしまい、私は散々色々な人に言われていたように「かまってちゃん」でしかなかったのか……みたいな事を鬱々と考えていたものだ。
だけど、それでいいのかなとも思えた。人に見て欲しかった自分も構って欲しかった自分も、仕方のない事。当時の自分が何かを伝えたくて、何かを知りたくて、やりたくてやった事に間違いなんてことはないはず。自己防衛としての論理のすり替えだしある種の逃げなのかなぁとは思うけど、ね。だからってなかったことにはならないししたくもないし、今生きてるし?ぜーんぶ、しょうがない。
ここまでが、私が自傷という行為を経て感じてきたこと。大学時代にもまた癖が復活したり歪んだ形で顕れてきたりするんだけど、それはまた別のお話。
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もし、ここまで読んでくれた人がいたらありがとうございます。そして、もし同じ境遇で苦しんでるとしたらこれだけ伝えたい。
「なんとかなるから。周りの目も親の意見も、それはそれで事実なだけ。でも、法律を破ったわけじゃないんだから。つらさの発散方法なんてそれぞれで、読書やカラオケ、の仲間にそれが入ってしまっただけかもしれない。痛みへの好奇心かもしれない。読んだ漫画の影響を受けただけかもしれない。理由なんてなんだってある。だからってわけじゃないけど、いいんだよ。」