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重度の障がい児あるある1 体温
重度の障がい児
と言われても、何がどうで重度なのか❓とか
どんな特徴があって、みんなとどう違うのか❓とか
はじめは分からないことだらけでした。
でも療育を受けたり、学校に通ったり、家族会をしたりして
いろんな重度のお友達とお話しできるようになってみると
あるあるなできごとがたくさん。
中でも、もっと早く知っていたら
悩まなくて済んだのにな。
傷つかなくて済んだのにな。
対策できたのにな。
ということもいっぱいあります。
そんな障がい児あるあるをひとつずつ紹介してみますね。
今回は体温のおはなし。
赤ちゃんやお年寄りの方にはよくあるそうなのですが、障がい児ちゃんたちにも多いのが「変温動物現象」です。
気温や室温が高いと体温も上がるし、寒いと体温が下がる。
ということ。
人間は恒温動物なので、ふつうに元気な人は基本的に体温は一定ですし、熱ければ汗をかいて体温を下げるというはたらきを体が勝手にしてくれます。
でも一部の障がい児ちゃんたちはそれがうまくできなくて、外気や環境に熱が左右されてしまうんです。
外があつい夏や、寒い冬なら分かりやすいのですが、必ずしもそういう場合だけでないのが難しいところ。
私が住む岩手は北国なのでもちろん冬はとっても寒いんです。
だから家の中や車の中はしっかり温めるし、もちろん病院も温かくしていました。
そうすると、寒い外と温かい中との寒暖差も相まって、受診の際に病院に行くと暑くて顔が紅潮してしまい体温も上がるのです。
生まれて間もないころは、そんな娘独自の特徴が分かるわけもなく、ついさっきまでいつも通り元気だった娘は、定期受診の際にそのお熱な様子をお医者さんに見られて風邪薬や解熱剤を処方されてしまう。
四六時中一緒にいる母が「風邪ではないと思う」と言っても、お医者さんは自分が診た瞬間の体調しか知ろうとしなかったし、要るのか要らないのか分からないような薬をやたらと出しました。
重い病気と障がいを持って生まれた娘に、お医者さんとしては考えられるリスクや不調を予め軽減させようという意図だったと思います。
でも、親としては忍びなかった。
こんなに小さな赤ちゃんに、何種類もの薬を与え、本当に必要かどうか精査もしないまま薬漬けにされて壊れていくような気がして。
加えて言うと、
これは割と時間がたってから分かったことですが、気温だけでなく湿度も大きな影響があるみたいです。
たぶん湿度が高いときなのですが、汗がかきにくくて、体の中で熱がこもりやすいようなんです。
だからそれほど暑い日じゃなくても、梅雨時期など湿度が高い時期は熱が上がりやすい。娘のような子はコルセットなどの体幹装具をつけている子も少なくなくて、通気性がないからより熱がこもります。学校に上がってから何回、いや何十回、体温が高いという理由で元気なのに帰されたことでしょう?本当に数えきれません。
これは発熱してるんじゃなくて、外的影響で今体温が高いだけなんだと、ちゃんと分かっていたらできた活動。処方されなかった薬。
もしお薬を出されたとしても与えることを検討できたはず。
少し冷やして様子を見ることや、予約時間より早めに行って院内の温度に慣らす時間をとることもできたはず。
お医者さんや学校とのコミュニケーションが十分に取れていたら、違ったかもしれないいろいろ。薬を処方されたからといって必ず与えるのではなく、本人の状況を見ながら判断していいという許可も得られたかもしれません。
そういうことすべて、数えきれないくらいの行き違いを経て、心配や涙の経験を越えて、今だから思うことです。
だからこれから子育てするママさんたち、ぜひ心に留めておいてくださいね。お子さんが環境に体温が左右されるタイプかもしれないってこと。
学校や病院も、安心のための対策であり、よかれと思っての対応をしているはずですが、行き違いやママの心の心配ごとがあると、疑心暗鬼になってしまいます。私自身そうでした。
まわりに失望したり孤独感を感じたりしてしまっていました。
思ったことをうまく伝えるというのもひとつの課題ではありますが、
まずは知っておくことと、その可能性を含めた対応を相談できる関係性づくりができたらいいですよね。
ちなみに熱がこもったら脇や足の付け根を冷やすといいですよ。こもり熱なら20~30分もすれば下がってきてくれます。逆にそれでも下がらないときは発熱を疑って、ほかに症状がないかなど観察し、受診します。
きっと助けになってくれる人がいます。
泣いても怒ってもいいよ。
味方を見つけて増やしていく旅みたいなものだと思って、気長に構えてみてね。