公務員を辞めてからの子育て
公務員を辞めて何年ぐらいかな、実はかなり後悔していました。
なぜなら、収入がなくなったからです。今思えば、きつい現場の仕事でしたし、収入面はザ!安定!!なんで手放しちゃったんだろう。親に合わせる顔もなく、不幸せな自分を見せたくないと思っていました。
市役所で「辞める、辞めない」の相談へ人事課に行ってた時の夢をよく見ていました。迷っている私に人事課の女性の課長さんが「もう、悩むのやめましょう」って言われて、その時は腹を決めた。でも、あの時、腹を決めなきゃよかったと言う後悔があり、その時の場面の夢をよく見ていた。わたしは「辞めません」と女性の課長さんに宣言して「あ~良かった。辞めてない。公務員辞めたのは夢だったんだ」と目が覚める。そして、目が覚めて、がっかりする。逆だったらいいのに・・・と。
夢じゃない・・・。
何年ぐらいかなあ、辛かったなあ。
一方で、子育ては楽しかった。
夢だったんです。「おかえり」って子どもに言ってあげられることが。
次男は年中さんだったんだけど、保育園に入れないで、一年間一緒にいた。これは実はけっこう辛かったし、申し訳ないことをしたなとも思っている。
翌年には中学校の特別支援学級の介助員のお仕事を見つけて、これがまた子どもと同じ時間に帰れて、夏休みと冬休みも休めて(無給だけど)、子育ても楽しみたい私にとっては最高のお仕事だった。
公務員を辞める時、市役所の福祉事務所の女性の課長さんに挨拶へ行ったんだ。課長さんが私に言ったことをまだ覚えている。
「わたしはね、ずっと働いてきてね、子育てしないで働いてきたの。今になってね、子どもは産んだけど、子育てしなかったことが心残りなんですよ。今は親の介護の問題もでてきてね。だから、あなたが選んだ選択でいいと思いますよ」って。
びっくりした。まさか、こんなにバリバリと公務員やっていて、女性で課長さんまで登り詰めた人がそんなことを思っていたなんて。
私は親に「公務員になれ」と言われ、育ち、頭が良かった姉たちが叶えられなかった公務員になった。幼少期、出来の良かった姉たちと比べられていたからこそ、ようやく親に認めてもらったと思った。一生手放さないと思った。
でも、手放した。
手放して手に入れたのは、子育てをした思い出。
自己満だよね。だって、別に子どもたちが望んだわけではない。
私が「子育てをするんだ」と決めただけ。
わたしはね、子どもを産んでまでも母に甘えたかったんだ。不思議なんだけど、母が息子たちを可愛がってくれているのが、自分が可愛がられているような感覚があってね。
でも、今思うと、自分でしてきて良かったと思っている。きっと、母に子守をお願いしていたら、わたしはきっと息子たちの不出来な部分を母のせいにしていたんじゃないのかなと思う。
子どもたちは満足したかどうかは知らないけど、わたしは満足している。
そう、子育ては自己満足でいいのだ。